名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2014.06.16
遺品整理と原状回復(1)
今日も清々しい朝ですね。名古屋は暑くなりそうです。思いっきり働いて汗をかいた後に食べるラーメンが旨い!
体が塩分を欲しているんでしょうね。うんうん、しかし、夏の暑い日にラーメン屋さんばっかりいくとスタッフから白い目で見られるのがつらい、、、、暑い日こそラーメンですよね?
名古屋の遺品整理専門の第八行政書士事務所の谷です。
さて、今回は賃貸物件で行った後にかならず控えている退去立会いについてお話したいと思います。
遺品整理の現場に限らず、賃貸物件については3月頃になると入退去のシーズンになりますので、いろんな雑誌やテレビなどで「敷金返還」の話題が出てきます。敷金(保証金)とは入居時に貸主に預けるお金で主に入居者が家賃を滞納した場合や部屋の備品など何か壊した場合の修理費にあてる為に予め貸主に預ける担保ということになります。
担保ですので、入居者が普通に生活しており、家賃などの滞納もなけれ部屋を貸主に返した後に入居者に返されるお金となります。
しかし、賃貸物件を借りた事がある方は経験されていると思われますが、この敷金が全額返ってくることはまれです。部屋の使用状況によっては預けた敷金だけでは足らずに追加で貸主からお金を請求されることもあります。
この退去する際に行われる敷金の清算金額(入居者に返される敷金の金額の計算)があまりにも理不尽だと、入居者が貸主に対してその敷金の清算はおかしいんじゃないの!?と貸主と争い始めるのが敷金返還をめぐるトラブルと言われるものです。
今回は遺品整理と原状回復(1)として、「原状回復」とはなにかについて
原状回復をめぐっては国土交通省より「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下、ガイドライン)が出されています。
このガイドラインとは何かというと、過去あまりにも敷金の返還をめぐるトラブルが増加したため、賃貸物件の退去清算時の費用負担について一般的な基準を示しトラブルを未然に防ごうと考えらてまとめられたものです。
そのガイドラインの中で「原状回復」は次のように定義されています。
原状回復
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という)を復旧すること」と定義しています。
なにやや小難しい事を言っていますが、簡単に言い直すと、
入居者が部屋を借りて住んでいた時に発生するクロスや畳などの劣化(建物価値の減少)な どは入居者がわざと破いたり(故意)、タバコの火を落としたり(過失)、飲み物をこぼし たのに拭き取らず床を腐らせた(善管注意義務違反)など普通の使い方とは考えられない使 用をして建物に与えたダメージ(損耗等)を直すのが原状回復ですということですね。
もっと簡単に言うなら
・入居者が退去時に直さないといけないのは、入居者の責任で生じた破損箇所だけで、なにも 借りた当時の新品の状態にまで戻す必要やその修理費用を負担する必要はないということで す。
はい、「借りた当時の状態に戻す必要はない」ここPOINTですね!
ここ最近はガイドラインの影響もあり改善されてきているようですが、賃貸借契約書には修繕項目の欄にさらっと、「退去時には賃借人の負担において、畳、障子、襖、壁等を賃貸開始時の原状に回復しなければならない」などと書かれています。
ほんとにさらっと書いてありますので、今から部屋を借りるぞ!と勢い込んでいる入居希望者はその内容については流し読みするだけで深く内容について確認したりはしません。ですので、退去の際に「契約書に書かれていますから!」と家主側に言われて、契約なら仕方ないか、、、、とその内容の正当性を考えずにしぶしぶ従ってしまうというわけです。良くも悪くも日本人の誠実さが現れている状況でもありますね。
そこで問題になるのが、この従来家主側が主張してきた「原状回復」とガイドラインが考えている「原状回復」ではギャップがあるぞということです。
家主側は次の入居者募集を少しでも有利にする為に部屋を綺麗にしたい、けどリフォームにはそんなにお金をかけたくない。なら、退去時に入居者にリフォーム費用を負担してもらおうとの考えが基になっているのが家主側の考える「原状回復」であり、入居者が普通に使っていて劣化していく分については入居者には責任はなく、入居者の故意や過失などの入居者の責任があるものだけ修繕すればいいと考えるのがガイドラインの「原状回復」です。
この「原状回復」に対する意識のギャップがもとで過去様々なトラブルが起きてきましたが、現在はガイドラインの影響もあり、通常の損耗(時間の経過で生じる建物の価値の低下、クロスの日焼けや畳の表面の削れなど)は家主が負担するものだという認識はひろまりつつあります。依然古い型の大家さんなどは頑なに入居者が負担するものだと主張する場面もあるようですが、大手の不動産管理会社などではこの認識で定着しつつあります。
しかし、次に問題になるのが「特約」についての争いです。この特約は貸主と借主とで特別に約束したものだから、「原状回復」の定義には縛られず、通常の損耗部分も入居者の責任で直してくださいねとする「原状回復」の定義の抜け穴的な扱いをされるものです。
次回はこの「特約」について書いていきたいと思います。
第八行政書士事務所は名古屋を中心に愛知・岐阜・三重での遺品整理・特殊清掃のご依頼を承っております。
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