事故物件の遺族・連帯保証人が取るべき対応を時系列毎に解説

ここでは、主に賃貸物件で孤独死や自殺が発生した場合に相続人や連帯保証人の方が取れる対応や対処の際の判断基準について、時系列毎に解説しています。

個別の案件のご相談や質問にも応じておりますので、不安を感じていることがあればまずは、無料相談をご利用ください。

孤独死や自殺の場合の過去の判例は「
自死・孤立死賃貸物件判例集」をご参照下さい。
相続放棄を検討されている方は「
相続放棄をする前に」をご参照ください。

① 警察や役場より死亡の連絡が入った段階

孤独死や自殺が発生した場合は、まずは警察が現地の確認を行い事件性の有無などを調査した上で、親族や関係者へと連絡を入れてきます。事故が発生した場合の対応は基本的にここからがスタートとなります。

この段階で求められる判断・対応

連絡を受けた人が相続人なのか否か
警察等からの連絡は必ずしも相続人や直系の家族に入るわけではありません。場合によっては、故人のお子さんを飛ばして故人の兄弟姉妹に直接かかってくることも珍しくはありません。

その場合は、故人の相続人を除外して遺品整理や財産整理は行えませんので、連絡を受けた方が相続人なのか否かをまずは確認する必要があります。

連絡を受けた人が連帯保証人なのか否か
賃貸物件で事故が発生した場合に、相続人との連絡がつかないような場合は連帯保証人へと連絡が入るケースがあります。この場合に連帯保証人には連帯保証人として未払い賃料の支払いや家屋の明渡し等の義務が発生しますが、実際には相続人がいるケースも少なくはありません。まずは相続人の調査と相続人が対応するかどうかの意思確認が必要となります。

故人の遺体の引取りや葬儀等を行うか
警察の調査が終了した後は遺体や室内に残っていた貴重品について警察から家族へ引取りの要請が入ります。この際に遺体を引き取って葬儀等を実施するのかどうかを予め決めておく必要があります。

必ずしも遺体を引き取らないといけない義務はありませんので、故人との関係によっては、「遺体引取り拒否」を選択することもあり得ます。

賃貸物件で事故が発生している場合は、貸主へ連絡するかどうか
事故発生現場が賃貸物件の場合は、高い確率でその後の貸主との話し合いが必要となってきます。賃貸物件の解約手続きは当然として、事故発生による損害の賠償や室内の原状回復についての話し合いが必要となり、事故物件においては一番トラブルが発生しやすい部分でもあります。

賃貸物件の貸主や管理会社への連絡は、発見の状況や近隣へ与えている被害等によって適切なタイミングが異なりますので、連絡を入れるタイミングには注意が必要となります。

葬儀を行っても相続放棄は可能
警察から遺体の引取りを要請された場合に、「葬儀を行ったら相続したことになるの?」という心配が出てきます。

基本的に葬儀をあげた(故人の遺体を火葬した)だけでは、相続したことにはなりません。これは故人の財産を使用して葬儀をあげた場合でも同様ですが、故人の身分に合わないような派手な葬儀を施行したりする故人の財産を必要以上に消費したとして相続したものとされる危険性はあります。

相続放棄も視野に入れて葬儀を行う場合は、故人の預貯金等は使用せずに相続人のポケットマネーから葬儀費用をいったんは捻出しておくのが葬儀をあげる場合のより安全な対応となります。

DNA検査に時間が掛かる場合は、検査結果が出てから相続放棄の申述期間開始
事故が発生した時期が夏場のような場合は遺体の損傷の激しいケースがあり、本人を特定するために警察がDNA検査を実施する事があります。

夏場のDNA検査は検査依頼が集中しやすく、検査結果がでるまでに3ヶ月ほど待たないといけないケースもあり、相続放棄ができる3ヶ月の期間を超えてしまう事もあります。

ただし、DNA検査の結果が判明しない限り、亡くなっていた方が本人とは確定できませんので、本人と確定できない限りは相続放棄の申述期限とされる3ヶ月の期間も開始いたしません。

DNA検査が必要となった場合は、検査を行っている間に色々な確認ができる時間ができますので、専門家への相談を行うなど時間を有効に活用して、対応を検討しておくようにしましょう。

② 故人の財産状況や生活状況を確認を確認する段階

①の警察等から連絡をもらった段階で、「相続放棄」を決めた場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所へと相続放棄の手続きを取ることになります。

相続をする、または相続放棄をするが賃貸物件の貸主に迷惑をかけないためにも「葬儀」や「遺品整理」といった最低限の事だけ行うといった場合は次のような判断・対応を迫られることになります。

故人の財産状況の確認
故人の財産がプラスだろうがマイナスだろうが「相続放棄」をすると決めた場合以外は、故人の財産状況を把握しなければなりません。

プラスの財産が多い場合は問題ありませんが、予期せぬ借金や住宅・車などのローン、消費者金融からの借り入れなど、念入りに確認しないと判明しない負の財産もあります。

財産状況を確認した上で、それでも相続するのか、やはり相続放棄をするのかを決めることになりますが、相続も相続放棄も一度実行に移した後は簡単には変更することはできませんので、不安な場合は専門家に相談しながら慎重に進めていきましょう。

賃貸物件の場合は未払い家賃や原状回復費も必ず確認すること
故人の財産調査の際は、預貯金等の金融資産だけでなく、賃貸物件の貸主へ支払うことになる原状回復費等の金額も必ず確認するようにしましょう。

賃貸物件で事故が発生した場合、特に自殺や孤独死で遺体が腐乱してしまっているようなケースでは、貸主側に大きな損害が発生しているケースが多く、賃貸物件の解約にあたり多額の原状回復費や逸失利益といった損害賠償を請求されるケースが多くあります。

必ずしも貸主側の請求金額をそのまま全額支払う必要はありませんが、故人が遺した遺産で支払いが出来るのか、それとも相続人の持ち出しも発生するのかの参考にするためにも確認しておく必要があります。

ただし、直接貸主に確認してしまうと、そのまま原状回復、賠償金額等の話し合いになってしまう可能性がありますので、まずは室内の状況を確認した上で、専門家へ相談することをお勧めします。

孤独死か自殺か、遺体の状況、賃貸契約の経過年数、現場の状況や発見時の状況などから、ある程度の賠償の範囲が絞れる場合もあります。

もし、既に貸主側から原状回復費等の請求予定金額などが知らされているのでしたら、その金額が妥当な金額なのかどうかを専門家に聞いてみるのも良いでしょう。

生命保険は相続放棄とは関係なく受け取れる
故人が生命保険を掛けていたような場合、相続放棄をすると保険金も受け取れなくなると考えてしまいがちですが、生命保険の多くは相続放棄をしても受け取れるケースがほとんどですので、生命保険の有無は必ず確認するようにしましょう。

もし、故人が生命保険に加入していた場合は、相続放棄をした上で保険金だけ受け取っても良いですし、受け取った保険金を原状回復費等に充当するという事も可能となります。故人が生命保険に加入していたかは調査する事も可能ですので、室内の書類などから判明しない場合は専門家に調査を依頼しましょう。

財産調査は専門家に依頼すると効率的
相続放棄をするのかについては、期間の定めがありますので、なるべく効率的に財産状況は把握していかなければなりません。そうした場合は専門家に依頼すると素早く調査を実施して頂けます。

調査対象は主に、
「相続人の確定調査」「借金調査」「預貯金調査」「不動産調査」「生命保険の加入調査」「株式調査」などがその対象となります。自分達では調べあげられない場合はなるべく早い段階で専門家に相談を入れると良いでしょう。

③ おおまかな方針を決める段階

相続人の調査や故人の財産状況がある程度判明してきたら、今後の対応の大まかな方針を決める段階となります。

相続して遺品整理や特殊清掃を行っていく
特別な対応を取らず、通常通り相続をして故人の遺品整理や特殊清掃、原状回復費の支払いなどを行っていく。故人がある程度の資産を残していたり、貸主側との協議も問題なく終わり、相続人の許容する範囲の出費で収まるような場合。

相続放棄をする
当初は相続する予定だったが、故人の財産状況を確認したらマイナスの財産の方が遥かに多かった場合や、遺品整理、特殊清掃、原状回復費に掛かる費用が想像以上に掛かることがわかった場合など、当初より負担が大きいことが判明した場合など、故人の死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所へと手続きを行い、以後は一切関与しないというスタンス。

また、原状回復費などの費用も含めて、貸主側との協議が難航していたり、貸主側から威圧的な態度を取られて個人では対応が難しいと判断した場合などにも相続放棄が視野に入ってきます。

相続放棄をするが、遺品整理などの最低限の範囲は行う
「相続する」、「相続放棄をする」は0か1かといった二者択一的なもので、結果も対応もはっきりしています。

しかし、遺品整理の現場では、様々な事情が絡み合って、「相続放棄はするけれど、貸主に迷惑をかけないためにも遺品整理はしておきたい」という要望が非常に多くあります。

相続放棄をする場合には遺品整理を行わないとするのが一般的ですが、必ずしも遺品整理を行ってはいけないという訳ではありません。

故人の財産を処分したと同一視されるような遺品整理をしてしまうと相続放棄ができなくなったり、既にしている相続放棄が無効になってしまう危険があるので、相続放棄をしつつ遺品整理を行う場合は必ず専門家へ相談した上で進めるようにしましょう。

④ 貸主側との原状回復費等の協議段階

相続をする、又は相続放棄をしつつ遺品整理も行うという選択をする場合は、次に貸主側との原状回復費などの協議を行う必要があります。

慌てて遺品整理をしない
事故物件の現場で発生する失敗の多くが「慌てて」「急いで」「気が動転して」と正常な判断ができない状況で、貸主や管理会社から急かされるように遺品整理等を行ったがために起きています。

まずは、落ち着いて、心配な事がある場合は士業などが行っている無料相談などを積極的に利用して、今、自分がどういう状況に置かれているのかを把握するように努めてください。

貸主側言う「請求予定金額」はあくまで「貸主側の支払い希望金額」という意味
賃貸物件で事故が発生した場合は、自殺や孤独死に関わらず大なり小なり貸主側への支払いが発生いたします。

特に自殺が起きたような場合は多額の原状回復費や逸失利益等の損害賠償金額を伝えられることがありますが、これらの金額はあくまで貸主側が考える「相続人等に支払って欲しい希望金額」でしかありません。

事故物件に対する損害の支払いについての統一的な見解は無く、当事者同士の協議で決定されているのが実情
です。

当事者同士の協議が前提ではありますが、貸主の中には、事故が起きたことを奇貨として、古くなった設備を相続人らの支払いを元手に一新しようと考える者もいます。

当然、事故と関係ない部分については相続人や連帯保証人に支払い義務はありませんが、どこまでが原状回復の範囲で、どこまでが賠償しないといけない金額なのかは専用のガイドライン等もなく、これまでの判例や一般的なガイドラインを併用して考えていくことになります。

貸主側から提示された金額はあくまで貸主側の希望金額と考えて、請求金額に疑問な点を感じた場合は専門家に意見を聴くなどし、自己判断は避けるようにいたしましょう。

相続放棄は強力な切り札となる
一度は、相続をすると決めた場合であっても、故人の預貯金を使用したなどの故人の財産を処分したとみなされるような行為をしていなければ、相続人が故人の死亡を知ってから3ヶ月以内でしたら依然として相続放棄は可能です。(貸主に相続するつもりと伝えていたとしても同様)

つまり、貸主側と原状回復等の協議を行ったが、貸主側の請求金額が高額であったり、交渉に一切応じてもらえず妥協点が見いだせないといった場合は、改めて相続放棄を検討する必要がでてきます。

もちろん、相続放棄をしてしまうと故人が有していたプラスの財産も相続できなくなってしまいますので、その判断は慎重に行うべきところですが、故人に目立った財産が無いような場合は検討の余地があります。

また、近年家賃保証会社の利用が増えてきたことにより、家族などが連帯保証人になっているケースは減少しています。

そうした場合、相続人としての立場しか持っていない家族は「相続放棄」で故人に関する全ての義務を放棄することができ、これには賃貸物件に関する、未払い賃料や原状回復費、損害賠償なども当然に含まれます。

貸主側にとって相続放棄されるのが一番損害が大きい
賃貸物件で事故が発生した場合に、貸主側が一番避けたいのが「相続放棄」です。

家賃の保証会社の利用が増えていますので、家賃の保証会社が家賃の他に「残置物の撤去」や「特殊清掃費用の負担」といった部分までカバーしている、または貸主がそれに対応する保険に加入している場合は問題ありませんが、そうでない場合は、相続人が相続放棄をしてしまうと遺品整理の費用や特殊清掃の費用は貸主の自腹となってしまうケースがほとんどです。

つまり、貸主側としては相続人へ未払い賃料や原状回復費等を請求したくとも、相続人が相続放棄をしてしまうと一切請求できなくなってしまいます。

当然、事故物件では必要となる特殊清掃や遺品整理といった費用も貸主側の支払いになってしまいますので、その損失は数百万にも及ぶことも珍しくなく、貸主側として絶対に避けたい状況とも言えます。

相続放棄をされる位なら、減額に応じた方が貸主にとっては得。
貸主側としては相続人に相続放棄されてしまうと、一銭も回収できなくなってしまいます。そうであるなら、多少は譲歩しても相続人に行ってもらえる部分は相続人に行ってもらった方がプラスにはならないが、マイナスは増えないことになり、相続放棄されることを考えるなら結果的には貸主側の得となります。

具体的には次のような内容が相続人と貸主側では支払い負担を巡って協議されます。

①未払い賃料の支払い
②遺品整理
③特殊清掃
④原状回復
⑤逸失利益等の損害賠償

貸主側としては、①~⑤全てを支払ってもらいたいと考えるのは賃貸経営を行う上で当然でしょう。しかし、相続人に全てを請求して、満額支払ってもらえるケースは稀です。

特に、特殊清掃が必要となる事故現場では、遺品整理や特殊清掃またその室内を入居可能にするまでの原状回復に掛かる費用はかなりの高額となるのが一般的です。

そうした場合に、相続人がいったいどれだけの負担に耐えられるのかが問題となります。過去の経験上、最初から相続放棄を決めている相続人以外は、ある程度の支払いについては覚悟していますが、相続人も家族や生活があるため、貸主側の求めに応じていくらでも支払うということはできません。

では、相続人としてはどこまでの負担なら耐えられるのか、またはどこまでの範囲の請求なら妥当な範囲と考えているのかというと、①~②または①~③までが、相続人が支払う必要がある範囲と考えていると思われます。

未払い賃料や遺品整理は、契約上発生している金銭であり金額は明確ですし、また家財については故人の所有物であるため家族が負担するのが当然であると考えられていますので、この部分で相続人が否を言うことはありません。

また、特殊清掃についても、相続人等が自ら業者を手配して確認した金額であるなら、その負担についてはなんとか支払いをしようと考えているケースがほとんどです。

しかし、原状回復費用や逸失利益等の損害賠償については、明確な算定基準もなく、また、見積りをするのが基本的には貸主側になるため、貸主側が利益を多く取ろうと考えていない場合であっても、一般の方には不当に高い請求金額と感じてしまうことが珍しくありません。

そうした状況において、①~③の範囲は相続人に負担してもらい、④と⑤については、貸主側が負担するとして決着を図るのか、あくまで①~⑤全てを相続人に求めていくかの選択が貸主側には求められます。

当然、強硬に全ての請求を求めるなら相続人は「相続放棄」を選択してしまう可能性が高くなり、相続放棄をされてしまった場合、①~⑤の費用は全て貸主側の負担となってしまいます。

反対に、請求する範囲は①~③までとして、家族へはそれ以上請求しないとするという内容なら、相続人としても、もともと支払わなければいけない範囲と考えているケースも多いので協議がまとまりやすくなります。④と⑤の負担は発生しますが、①~③についての負担は貸主側は免れることができます。

特に、②の遺品整理については、国土交通省の発表している「
残置物処理等に関するモデル契約条項」のような、専用の死後事務委任契約を結んでいる場合を除けば、貸主側は勝手に故人の家財を処分することはできないため、次の入居者へ貸せる状況にするまでに明渡訴訟などで無駄な時間と費用を浪費することになってしまいます。

結果として、相続放棄される位なら、ある程度の減額や請求範囲の縮小をした方が、貸主側としてはプラスになることも多いため、相続人および貸主はこの点を十分に検討した上で協議を進める必要があります。

⑤ 協議終了段階

相続人と貸主側の協議が無事妥結したならば、実際に遺品整理等を実行する前に、協議の結果を「合意書」などにしておくことを勧めます。

合意書の作成とは、当事者が話し合った内容に間違いがないかを確認し、後日の言った言わないといった紛争を防ぐために、協議結果を文章にして残しておく行為です。

合意書を作成することで、協議の内容の細かな齟齬を発見したり、後日の紛争を防ぐのに大いに役に立ちます。万が一紛争へと発展した場合であっても、合意書に定めてあることが協議の結果であると判断されるため、高い証拠能力を有することにもなります。

賃貸物件での事故の場合は、遺品整理や特殊清掃を慌てて行うケースが多く、細かな内容を確認せずに実行してしまうことがあります。

その結果、遺品整理後に貸主側から想定外の請求がきたり、遺品整理をしてしまったが為に相続放棄ができなくなってしまったなどの不測の事態になってしまうこともありますので、協議の内容は必ず合意書にまとめるようにしましょう。

合意書作成時の注意

合意書は非常に有用な書面となりますが、作成においては注意も必要となります。

合意書は当事者間での紛争を防ぐ意味で作成する物であり、事故発生当初より親身に対応して下さっている個人経営の大家さんなどに対して、合意書への署名捺印を依頼すると、「これまで丁寧に対応してあげたのに私の事が信用できないというのか!」と気分を害してしまい、かえって状況が悪化してしまう可能性があります。合意書の作成をする際は相手方の対応に合せて提案するようにご注意ください。


合意書の作成代行について

⑥ 相続放棄をしつつ遺品整理もする段階

通常通り相続をして、遺品整理等を行う場合は問題ありませんが、相続放棄をされた上で遺品整理を行う場合は注意が必要となります。通常相続放棄をした相続人は遺品整理は行ってはいけないと言われています。

これは、安易に遺品整理を行ってしまうと、遺品の中に混じっている「有価値物」まで一緒に処分してしまう危険があり、財産的価値のある物を「廃棄」「売却」「譲渡」などしてしまうと、故人の財産を処分したとして、相続した物とみなされる相続の単純承認の要件にひっかかってしまう可能性があるためです。

反対に言うなら、こうした点に注意を払いつつ士業の監督下などで遺品整理を行う場合は、相続放棄をしていたとしても安全に遺品整理を行うことは可能となります。

相続放棄予定の相続人がやってしまいがちな失敗例

一般的な遺品整理業者に依頼して、通常通り遺品整理を実施してしまう
相続放棄をする場合は後日の紛争を防ぐためにも、家財家具の現況調査や有価値物の査定等を実施して、財産的価値のある遺産の有無などの資料を残しておく必要があります。何も対策をせずに通常の遺品整理のように処分してしまうと証拠資料が残らず大変危険です。

遺品整理の際に買取できる家財を遺品整理費用と相殺してしまう
最近の遺品整理業者の多くは室内にある家財などで買取できる物は買取を実施し、遺品整理全体の作業費用と相殺して、依頼者の費用負担を減らす努力をしています。

しかし、相続放棄を行う場合の遺品整理の際はこれは絶対に行ってはいけません。遺品整理業者が買取できる物と判断した品は基本的には「有価値物」となり、財産的価値のある品となります。

買取価格や相殺価格は当然買取業者の利益を差し引いた価格ですので、本来の価格よりは安くなっていることが大半です。

そうした財産的価値のある物を売却したり、遺品整理費用と相殺する行為は、故人の財産処分とみなされる恐れがあり、相続放棄をする予定または相続放棄をしている相続人は絶対やってはいけない行為のひとつとなります。

形見分けの範囲を超える品の持ち出し
遺品整理の現場で行われる一般的な形見分けでしたら、基本的には相続放棄には影響ありません。ただし、ここで言う形見分けとは、写真や故人が日常使用していた衣類や書籍といった高価な価値がつかない品と考えられています。

ですので、形見分けの範囲を超えるような、何十万もするようなブランド物の時計やバック、衣類などはいくら形見分けと主張しても認められない可能性がありますので、形見分けをする場合はその品が有している価値も念頭においた上で行う必要があります。

故人の預貯金や財布に残っていたお金を使用しての公共料金等の支払い
警察から返却された財布や故人の預貯金口座に残っていたお金を使用して、故人の公共料金の支払いに充てたような場合、一見、故人が支払うべき費用を故人の財産で支払っているのだから問題ないようにも見えます。

しかし、これは紛れもなく、相続放棄が出来なくなる故人の財産処分に該当する行為となりますので、相続放棄をする(した)方は絶対に避けるべき行為となります。

もし、公共料金や携帯電話代など少額の支払いについて支払ってすっきりしておきたいという場合は、相続人のポケットマネーで支払うようにしましょう。

故人の財産を使用せずに、相続人のポケットマネーで支払いをしている分には故人の財産処分にはあたりませんので、相続放棄には影響がないと考えられています。

保管や保存は相続放棄に影響しない
故人の財産を処分することは、相続放棄に影響がありますが、「保存行為」は相続放棄に影響しません。何が保存行為に該当するかは、都度専門家に確認して頂くとして、遺品整理の現場では次のようなケースが該当します。

・相続放棄をするかどうかわからないが、部屋の明渡しをする為に、いったん室内の家財をトランクルーム等に全て移す。
・故人が飼っていた血統書付きのペットを自宅に持ち帰って死なないように世話をする。
・警察から返却された貴重品や遺品整理の際に見つかった価値のある物とされた家財を自宅で保管する。

などは、物の価値を変えずに場所を移動したり、ペットが死ぬことで価値が失われないようにするためなど、故人の財産が有していた価値を保存する行為となりますので、仮に自宅に持ち帰ったとしても、自己の所有物にする意思がない限りは保存行為となり、相続放棄には影響しないと考えられています。

相続放棄をしつつ遺品整理を行う場合は必ず士業等の専門家の監督下で行うように
相続放棄をしつつ遺品整理を行う場合は基本的に故人にはプラスの財産がなく、マイナスの財産が多いケースとなります。

そうした中であっても相続放棄によらず、なるべく貸主等へ迷惑をかけないようにと、遺品整理を行っているケースになるかと思いますが、少しのミスで相続放棄が無効となってしまい、相続人が予想外の負債を負ってしまうことになりかねませんので、相続放棄をしつつ遺品整理を実施する場合は必ず士業等の専門家の監督下で行うようにしましょう。

一般的な遺品整理業者の場合は、相続放棄をする予定と聞いてもそもそも相続に関する知識がなく、安易に受注したり、既にされている相続放棄が後から無効になることを知らなかったなど、依頼者が相続放棄済みと伝えたが為に「なら大丈夫」となんら対策せずに遺品整理を行ってしまうことが多くあります。

そうした場合であっても、遺品整理業者が責任を取ってくれることはなく、相続放棄が無効となった場合の責任は相続人が全て負うこととなりますので、相続放棄をする場合の遺品整理業者の選定には十分注意を払って行うようにしてください。

⑦ 連帯保証人が家族や相続人に変わって事故物件を処理する段階

上記のような事故物件の処理を連帯保証人として処理する場合があります。その場合は次のような内容に注意しながら処理を進めていきましょう。

相続人兼連帯保証人の場合
父親が息子の賃貸契約の連帯保証人となっているようなケースでは、父親は息子の相続人という立場と連帯保証人という立場の二つの立場を持っていることになります。

この場合、父親は相続人という立場は「相続放棄」をすることで、相続人としての責任や義務は放棄することができますが、連帯保証人としての義務までは免れることはできません。

連帯保証人の義務は貸主側との連帯保証契約によって発生している立場ですので、相続とは関係なく負わなければいけない義務となります。

その場合であっても、亡くなった息子が消費者金融等から多額の借入をしていたなど、賃貸物件とは別の負債を負っているようなケースでは、相続放棄をしておく意味がありますので、どうしたら良いか迷った場合は専門家に相談するようにしてください。(相続放棄代行について

相続人が本当にいないのかどうかの確認
相続人がいる場合であっても、必ずしも相続人へ最初の連絡がいくとは限りません。そうした場合は連帯保証人だけの判断で遺品整理等を行ってしまうと後々本来の相続人とトラブルになってしまう可能性もありますので、相続人有無及び相続人がいる場合は遺品整理をどちらの責任において行うのかなどは確認した上で行うようにしましょう。

相続人に対して求償する
事故物件において連帯保証人として未払い家賃や原状回復費等を支払った場合は、相続人が相続放棄をしていない限り相続人に対して、支払った金額を求償することができます。(故人が払うべき費用を立て替えたのだから、立て替えたお金を相続人から返してもらうこと)

連帯保証人になった賃貸契約が2020年4月1日以降の契約か否か
2020年4月1日以降に結ばれた賃貸契約では改正民放が適用されます。この改正では、これまで青天井だった連帯保証人の責任の範囲に上限が定められることとなりました。

具体的には、連帯保証人が負う義務は賃貸契約書上の連帯保証人として支払う「極度額」として示されることとなり、連帯保証人はこの極度額で示された額以上の金銭的負担は負わなくて良いとされました。(2020年4月1日以降の賃貸契約で個人の連帯保証契約で極度額が設定されていない場合、その連帯保証契約は「無効」なものとして扱われます)

極度額は事故が起きた時点で支払う予定金額ではなく、あくまで連帯保証人が負うべき上限金額を示しているだけでしかありません。ですので、借主本人が死亡した時点で特に家賃の延滞等をしていない場合は、通常の退去と同様の原状回復費用を支払って終わりとなります。

また、極度額は借主か連帯保証人のどちらかが死亡した段階で元本が確定することになり、それ以降に発生する債務は保証の対象外となります。

事故物件に当てはめて言うなら、孤独死で借主本人が死亡した時点で元本は確定し、死亡後に発生する遺体の腐乱などを原因とした、特殊清掃や特別な原状回復費用等については、連帯保証人は責任を負わないと考えることが可能です。

ただし、孤独死した時点で、家賃の延滞や室内を故意または過失等で傷を付けていた場合などは、それらについては死亡前に発生した部分となりますので、連帯保証人が支払う必要のある範囲に含まれます。

自殺の場合は孤独死より損害が大きくなる可能性がある
注意が必要なのは「自殺」の場合です。自殺の際に問題となる「心理的瑕疵」については、その室内で人が亡くなったこと以外にも、借主がその部屋で自殺という行為を行ったことも含まれます。

つまり、自殺によって室内で人が死んだという「結果」だけでなく、その室内で自殺を行った「過程」に故意や過失、心理的瑕疵があるため、その点について連帯保証人は賠償の責任を負うことになると思われます

連帯保証人の地位は相続されなくなった
個人の連帯保証契約には、極度額が設定されることになり、これまで相続の対象となった連帯保証人としての地位は相続の対象から外れることとなりました。

父親が、仕事の関係でなっていた連帯保証人の地位をその息子が引き継ぐということはなくなります。(ただし、父親が死亡時に既に発生していた債務は相続する)

近年は家賃の保証会社の利用が増えており、個人で賃貸物件の連帯保証人になるケースは減少してきておりますが、改正民放の適用がある契約なのかどうかは、連帯保証人の負うべき責任の範囲に大きく影響してきますので必ず契約日付の確認をしておきましょう。

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