名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.06.23

入院+部屋の整理=後悔

 今日は快晴の名古屋です。おはようございます。名古屋の遺品整理専門第八行政書士事務所の谷です。ここ数年は本を探したり購入したりするのはもっぱらインターネット上で行っていてめっきり本屋さんへ行く回数が減っていましたが、昨日久々に行ってきました。

ネットショッピングは欲しいものが決まっていれば探すのも買うのも簡単ですが、新しい作品を発見したりマイナーな作品を見つけるのにはやっぱり現実の本屋さんの方がいいですね。
平積みされてる本の山から面白そうな本を探したり、書店員お勧めの本などを手に取る楽しさはやっぱり良いものです

さて、最近話題になってる「終活」。自分の人生をいかに終わらせるかという活動の事をいいますが、書店でもそれ関係の本を見かけるようになりました。私なんかはネットで書籍を買う事も多いため。
「谷茂様へお勧めの本があります!「終活○○」」なんて広告メールがきたりします。
俺の人生に勝ってに見切りをつけないでくれーー!と心の中で叫んでたりしますが
まー、相手はプログラムが自動でやってることですから悪意もありませんので笑い話で済みます。しかし、これが実際の家族の間でとなると話が変わってきます。今日はそんなお話し。

それは名古屋の繁華街の一角にある平屋のお住まいでの遺品整理現場のことです。
そのご自宅はお母様がお住まいだったとの事でお母様は入院生活をされていたようで、最後は病院だったそうです。部屋の片付けを行うための見積もりを行っていると、ご自宅の広さに比べて荷物が少ないなと感じました。

「ご自宅は長年使用されていたようなのにお荷物少ないですね、お母様は綺麗にされてたんですね」と何気なく聞くと、依頼者の方の表情が暗くなりました。
???なんか気に障ることでも言ってしまったかなと心配していると

「実は母が亡くなる前にお医者さんから、もうご自宅に戻られることはないでしょうと言われまして、母の生前に家族で片付けたんです」との事。
こういった事は別に珍しくもないので、どうしてそんなに気に病んでらっしゃるのかと思っているとこういう事でした。

なんでもお医者さんからお母様が退院される事はないと聞いたご家族がお母様のご自宅の整理も兼ねて片付けを行った後に、お母様の体調が戻られてご自宅に戻られることになったそうです。
そして、ご自宅に戻られたお母様が綺麗に片付いたお部屋を見てこう言ったそうです。
「私の戻る場所はもう無いんだね、、、、」
それを聞いたご家族の皆様は、びっくりしたそうです。よかれと思ってお部屋の片付けを行ったのに反対にお母様を悲しませる結果になってしまったと。

ご家族の皆様はもし、退院することができても荷物がたくさんある家では危ないだろうとお母様の事を心配されて片付けを行われたそうです。もちろんお母様を悲しませたくてする訳がありません。しかし、お母様には余計な心配をかけまいと思って片付けについてはお話しはされていなかったそうです。

その結果、退院されたお母様が自分が使っていた荷物が処分されているのを見て、自分はもうここには居れない、自分の居場所はもうここにはないんだと感じてしまわれたのではないでしょうか。

2,3日の短期間の旅行であっても、移動を終えて「我が家」に帰ってきた時の安堵感というのは誰もが感じた事があるでしょう。それが、大変な入院生活を終えて帰ってきた「我が家」ならなおさらです。

遺品整理の見積もりの際にそんなお話しをされていたご依頼者の方はずっとその事が気になり後悔されていたそうです。実際その後、お母様が亡くなった後もそのお母様の言葉が思い出されて遺品整理を行うことが出来きず、ご依頼頂いた時点で既にお母様がなくなられてから数年経過していました。

ただ、ご自宅の老朽化が進み誰も住まない状態でこのまま置いておくのは危険だということで今回の遺品整理に踏み切られたとのことです。
そういった事情がなければずっとこの部屋は片付けられなかっただろうとお話しされていました。

生前の整理は「終活」の一つとしてとても大事だと思います。特に大変な遺品整理を経験された方は自分の息子や娘にこんな思いはさせられないと口を揃えておっしゃいます。

しかし、上の事例のように、たとえ家族であってもその人の家財を黙って処分してしまうと取り返しのつかない事になりかねません。何がその人にとって大事な品か、どんな思い入れがあるのかは本人にしかわからないことも多いです。
ですので、生前整理を本人に代わって行われる場合は良く相談して行いましょうね。
今回はこんな事もあるんだなと知って頂ければと思いご紹介しました。

名古屋の遺品整理専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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