名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.06.27

生命保険金は相続財産?

 おはようございます。名古屋の遺品整理専門第八行政書士事務所の谷です。
昨日は訳あって名古屋市役所で本会議を傍聴してきました。なかなか見る機会のない本会議ですが、けっこう傍聴人がいてびっくりです。
もっとこうヤジとか飛びまくってるのかと思っていたのですが、たまに議員の方がヤジを飛ばすくらいで思ったより静かなんですね

さて、難しい政治の話しは議員の方々に頑張ってもらうことにして、今回は生命保険について少し書いておこうと思います。

生命保険は大きなお金が動きますので、相続人の方の関心も高いのではと思います。
では、被保険者が亡くなった事により支払われる保険金は相続財産なのでしょうか?
相続財産となるなら、相続人の間で分けることになりますし、相続放棄をしたら保険金は受け取れないということにもなります。

反対に相続財産ではないとするなら、相続人間で分ける必要はありませんから、保険金の受取人とされた人の固有財産となりますし、また、保険金の受取人が相続放棄をしたとしても保険金は受け取れるということになります。

果たしてどっち?
答えは保険契約時の契約内容によって変わるとなります。

例をあげてみますと ご主人と奥様そしてお子様2人の4人家族の場合で
ご主人が自分で自分に生命保険をかけて、保険金の受取人もご主人自身にしていた場合(被保険者、保険契約者、受取人がすべてご主人の場合ということ)は、保険金は相続財産になります。
ですので、ご主人が亡くなったことによって支払われた保険金は奥様とお子様で法定相続分で分けることになります(奥様1/2、お子様はそれぞれ1/4づつ)。
この場合は相続放棄したら保険金は受け取れません。

次に、同じ家族構成で
ご主人が自分で自分に生命保険をかけて、保険金の受取を「相続人」としていた場合(被保険者と保険契約者はご主人で受取人が「相続人」と契約でされている場合ということ)は、支払われる保険金は相続財産ではありません。

受取人が「相続人」となっていて紛らわしいですが、この「相続人」という指定はあくまで受取人が誰であるかを指しているだけで、保険金を法定相続分で分けるようにとの意味ではありません。ですので、上記の家族構成なら奥様とお子様2人で保険金を平等に分けることになります(奥様、お子様それぞれ1/3づつ)。
この場合は相続放棄しても保険金は受け取れます。

最後に、同じ家族構成で
ご主人が自分で自分に生命保険金をかけて、保険金の受取人を「奥様」と指定していた場合(被保険者と保険契約者はご主人で受取人が「奥様」と契約されているということ)は、支払われる保険金は相続財産ではなく奥様固有の財産となります。ですので、奥様は受け取った保険金をお子様と分ける義務もありませんし、相続放棄をしても保険金は受け取ることができます。

まとめると

保険契約者 被保険者 保険金受取人
死亡者本人 死亡者本人 死亡者本人

※上記の表の場合は、相続財産となる(このタイプは今はほとんど無いと思われます。)

保険契約者 被保険者 保険金受取人
①死亡者本人 死亡者本人 死亡者以外の特定された者を指定
②死亡者本人 死亡者本人 「被保険者の相続人」と指定

※上記の表の場合は支払われる保険金は受取人の固有の財産となる。

ただし、近年の生命保険金が高額化してきていることを考えると、ある特定の相続人だけを受取人に指定していた場合に、他の相続人との関係において著しく不平等と考えられるような特別な事情があると判断される場合には、その支払われる保険金を「特別受益」として相続財産への持ち戻しの対象とする場合があります。

つまり、特定の人を受取人と指定している保険契約であっても、支払われる保険金があまりに高額で他の相続人が相続する財産の額と比べると著しく不公平と考えられるような場合なら、受取人の固有の財産ではなく、相続財産として相続人みんなで分けるとする可能性もありますよということです。

少しはしょってる部分もありますが、相続財産かそうでないかは保険契約の受取人が誰になっているかが重要ですよということが分かって頂けたら十分です。

相続財産かそうでないかは相続放棄をするかしないかでも関係してきますので、知っていて損はないと思いますよ。

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