名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2014.06.29
ご霊前です!香典で争わないで!
おはようございます。名古屋の遺品整理専門第八行政書士事務所の谷です。
名古屋は気持ちのいい朝ですよ。今日はこの後、事務所のあるマンションの会合に出席してくる予定です。ここも古いですからね~。
さて、遺品整理の際に時たま出くわす相続争い。相続人さんからそれぞれに意見を求められたりして板ばさみ状態になることもしばしばあります
そんな相続争いの種は数あるけれども、今回は香典のお話です。
最近は家族葬や近親者だけでの小さな葬儀も人気で香典を辞退する事も多くなってきていると思います。
しかし、日本の葬儀はまだまだお高い。通夜や告別式など本来の葬儀を参列者を呼んで行っていくとやっぱり、香典や弔慰金は遺族にとって大変助かるものです。
本来、香典とは仏式の葬儀で死者の霊前に供える金品のことを指しますが、現在の日本では香典や弔慰金は相互扶助の精神から追悼儀式をあげる喪主などの負担を減らす為のものと考えられています。
では、この香典や弔慰金は誰のものなのでしょう。遺品整理の現場では長男が香典を全部使ってしまったとか、香典はみんなで分けるものじゃないの?など、不満や疑問を抱かれている方も多くいらっしゃいます。
では、誰のもの?となると、現在香典や弔慰金は原則、喪主に贈られた(贈与された)ものと考えられています。
ですので、喪主の方が香典をどのように使ったとしても基本的には問題がありません。反対に喪主の方は自分の計算と責任において追悼儀式の規模や予算を決めていますので、もし、葬儀費用が香典だけで賄えなかったとしてもその不足分は喪主の方が払うべきものであり、その他の共同相続人の方に負担を求めてはいけないとの考え方もあります。
(平成24年3月29日名古屋高等裁判所判決参照)
この辺は、葬儀費用を誰が支払うのかという問題にも関わってきますが、法律では特に規定はないため、地域ごとの慣習も踏まえて執り行われているのでしょう。
では、香典や弔慰金はまず葬儀費用などに充当されるとして、それでも残余が出た場合はどうなるのでしょう?
これは例え余りが出たとしても、もともと喪主の方に贈られたものですので、余ったからといってそれを他の共同相続人間で分けたり、相続財産に持ち戻しをして遺産分割の対象にしたりする必要はありません。
もちろん話し合いで喪主が自主的に分配していくのは揉め事も発生しないので大変良いのですが、喪主の方はだいたいにおいて祭祀財産も承継していますからそれらの維持費などにも必要でしょうから喪主の方がそのま受け取る事のほうが多いのではないでしょうか。
ここまでは原則的な考え方で、香典や弔慰金も喪主に贈られたとはされない例外があります。
それは、贈る側(香典や弔慰金を持参した側)が明確な意思をもって香典などの使途を定めていた場合などです。
例えば、香典を持参した人が、故人の残した子供の為や今後の遺族の生活資金に当てるようにと言って香典を贈ってくれた場合などは喪主へ贈ったとは考えられませんので、その香典を喪主が勝ってに使用してしまうわけにはいきません。
また、弔慰金も故人の賃金や勤続年数を基に金額が計算されていたりするならそれは死亡退職金と同視できますので、会社の内規などで定められた人に渡されるべきもので、必ずしも喪主への贈与とはなりません。
まとめると、
①基本的に香典や弔慰金は喪主への贈与、
②香典などが余った場合は喪主が受け取って大丈夫、
③喪主への贈与とされない性質の香典や弔慰金もある。
といったところでしょうか。
香典や弔慰金も故人の生前の身分や役職などによっては大金となります。ご霊前で香典などを巡って言い争いなどしないようにしたいものですね。
その他の遺品整理や相続の際にみんなが疑問に思うことは「みんなが感じる相続の疑問Q&A」をご参照ください。
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