名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2014.08.13
静かなる攻防
おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。
昨日は孤独死現場の見積もりと消臭作業を行う予定だったのですが、いざ見積り現場についてみると既に清掃済みでした。
依頼者の方にお話しを聞くとご自分で殺虫から清掃まで行われたそうで、少し体調を崩されていたご様子。しかし、そのかいあってか臭いも虫もかなり軽減されていました。本当にお疲れ様でした。
暑い時期の清掃作業は慣れている私達でも大変ですので、皆さんも無理はせずに難しいと思ったらまずはご相談くださいね。
さて、昨日は家族だからこそ言い過ぎちゃう?という内容で遺品整理の現場で出会った相続トラブルをご紹介しましたが、そのブログを書いていたら思い出した現場がありましたのでそれもついでに書いておこうかと思います。いつもながら、守秘義務の観点から内容には加工を施してありますのでご了承下さい。
その現場はごく普通の団地の一室です。長年住まわれていた独居の高齢者が亡くなり、ご遺族からのご依頼です。現場は5階建てのエレベータ無しという古い物件で、毎度このタイプの団地を見る度に高齢者には住みづらいんじゃなかろうかと思って仕方がありません。
見積りに伺うと、二家族のご遺族が見えられており、どうやらご長男と次男さん、あとそれぞれの奥様+親戚と思われる方1名いらっしゃいました。
現場は孤独死現場ではありましたが、発見も早く通常の遺品整理となんら変わることもない現場です。ただ、男性の一人暮らし特有のちらかり方をしており、キッチン周りは油汚れやゴミが溜まっているような状況ではありました。
いつも通り、部屋の設備や合同供養の品、取り外し希望の物など確認をしていたのですが、奥の部屋からお嫁さん同士の話し声が聞こえてきます。
「これなんかまだ使えそうだから、持って帰ったらどう?」「いえいえ、間に合っていますからどうぞお使いになってください」や「このジャケットなんてご主人なら背格好が似ているから着られるんじゃないですか?」「ふふふ、そんな古いものは着ないでしょう」とか「私達は特に必要な物はないから自由に持っていっていいんですよ」「そんな、ご長男さんをさしおいてそんな事できるわけないじゃないですか、ほほほ」などなど。
言葉だけを聞いていると、形見分けの品を選んでいるようにも聞こえますが、聞こえてくるお二人の声はなんていうか緊迫したものを抱えている感じです。あくまで私が感じた感想をそのまま述べるなら、遺品整理の費用を相手に負担させようと、形見分けの品を押し付けているような感じに聞こえます。
もちろん、形見分けの品を受取ったからといって、遺品整理の費用を負担しなければならないなんて事はないのですが、法律的な話ではなく、メンタル的な面でいかに相手に遺品整理を押し付けようかといった静かな攻防が繰り広げられているように感じられて仕方ありません。
普段は財産の取り合いで喧々囂々と言い争う「争族」ばかりを目にしていますが、今回のようにいかに負担を相手に押し付けようとするのも一種の「争族」なのかな?と思わずにはいられない見積り現場でした。
遺品整理の費用を誰が支払うのかは法律で定められている訳ではありません。日頃から交流のあるご家族同士なら揉めることもないのでしょうが、何年も交流が無かった家族同士ではそうもいかないかもしれません。
しかし、反対に考えるなら故人の遺品整理があったからこそ普段交流の無かった親族と会うことが出来たとも考えられます。
せっかく故人が残してくれた最後の機会です。言い争う「争族」ではなく、故人の事を家族で想う「想族」の場にしたいものですね。
名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂
第八行政書士事務所は名古屋を中心に愛知・岐阜・三重での遺品整理・特殊清掃のご依頼を承っております。
その他の地域にお住まいの方でも遺品整理や相続相談・賃貸トラブルなどのご相談は随時お受け致しておりますのでお気軽にご相談くだいさいね。
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