名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.09.07

遺品整理を通して感じる生きている実感

おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日の名古屋は少し汗ばむ位の気温でまさに残暑って感じでしたね。いつまでも夏の気分で薄着で寝ていると風邪ひきますから注意しましょうね。

さて、皆さんはお部屋の片付けをしている時にアルバムなんかが出てきたらついつい見入っちゃうタイプですか？それとも黙々と片付けを済ませてしまえるタイプでしょうか？

私はどちらかというと手が止まってしまうタイプです。もちろん仕事で遺品整理を行っているときはそんな事はありませんがアルバムや昔し買った本などはついつい見入っちゃいますよね。

今回はそんな思いでの品でもある卒業アルバムについてのお話しです。

少し前の事となりますが、名古屋で遺品整理をお手伝いした現場でのお話しです。ご依頼内容は妹さんからお兄さんが利用されていたお部屋の遺品整理のご依頼でした。

部屋は賃貸物件の2Ｋ程の間取りで一人で生活するには十分な広さを持ったお部屋できっと住み心地は良かったんだろうと思われます。男性の一人暮らしということもあって、荷物などはそこそこありましたが決して不衛生というような感じはしないお部屋でした。

ご依頼者のお兄様はまだ随分お若い年齢だったようですが、ご病気で亡くなったようでご家族もそのお部屋をすぐには片付けることが出来ず、誰も住んでいない状態のまま約1年ほど賃貸契約を解約せずにお部屋をそのままにされていたそうです。

部屋の様子を見に来た際に賃貸契約の更新の案内が入っていた為、これを期に遺品整理を行うことを決心されたそうです。持ち家の場合などではこういった遺品整理はせずにそのまま故人の持ち物を残しておかれる方は多いですが、賃貸物件では珍しいかもしれませんね。

もちろんご遺族の気持ちとしてはそのまま残しておけるものならそうしておきたいというお気持ちがあるのでしょうが、家賃の負担や部屋の管理を考えたらなかなかそうもいかないのが実情でしょう。

ご依頼者と遺品整理の作業に関する打ち合わせを終え、形見として残す物や合同供養させて頂く品など細かくチェックをして作業に移りました。

荷物はそこそこあるとはいえ、部屋自体がそこまで大きいわけでもありませんのでスタッフ3名で手際よく片付けていきます。作業中に出てくる現金、通帳、印鑑、貴金属やお写真類は全て残しておき最後の完了確認の際にご依頼者へとお渡しするのですが、そのとき床の荷物に隠れていたアルバムのようなものを引っ張り出した時に私の思考は停まることとなります。

思考は停止していますが、心臓は物凄い速さで動き、冷や汗も出てきて正直その時は少し混乱していたと思います。出てきたのは高校の卒業アルバムです。しかも自分の出身校のものです。

その卒業アルバムの装丁は自分が持っているものと全く同じで、もしかして同級生？と考えました。卒業年度が表紙に書いてあるのですが自分が何期の卒業なのかを覚えていなかったので、卒業年度がわかってもそれが自分と同じ年度なのかがわかりません。

その卒業アルバムを勝手に開いて確認するわけにもいかず、とりあえず後でご依頼者に確認してもらおうと一旦よけておき作業を続行しました。かなり平静ではなかったと思いますがスタッフの助けもあり作業は問題なく完了しました。

ご依頼者に貴重品の返却をする際にお兄様の出身校について尋ねるとやはり同じ高校の出身で3つ上の先輩でした。ちょうど私が入学した年に卒業された先輩のようで面識はありませんでしたが、許可を頂いて見させて頂いたアルバムには間違いなく同じ場所で過してきたと実感できる様子が残っており複雑な気持ちです。

いつも言っている事ですが、いつ自分が事故や病気で死んでしまうかはわかりません。教会の神父さんのように人の相談を受ける方というのはその相談事の重さからご自身の精神まで病んでしまう方がいると聞いたことがあります。しかし、遺品整理の場合はその反対で亡くなった方の遺品の整理のお手伝いをしていると自分は生きているんだと強く実感することがあります。

今回の先輩の件でもそうですが、若くして亡くなってしまう方がいる中で自分は生きて仕事をする事ができている。日頃はあまり考えるような事でもありませんが自分の時間を大切にしていくにはとっても大事な事なんではないかとこういった現場に出会う度に考えさせられます。

お金はないけれど、適度に働いて、美味しいご飯が食べられる。これだけで幸せですよね