名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2020.07.21
精神論だけでは超えられない孤独死の実情
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。昨日の名古屋は久々の真夏日となりました。最近涼しい日が続いていたこともあり、気温のギャップでかなりしんどい一日となりましたね。
7月も後半に入り、本来なら学生さん達はそろそろ夏休みでワクワクが止まらない状況だったと思われますが、今年はコロナウイルスの影響で休みも短縮となる様子。
本来暑い中では子供達の集中力も続かず、また体調面からの考慮で設けられていた夏休み。コロナウイルスの為、仕方ないとは言え、どうしても暑い中での子供達の体調は心配ですよね。
特にお子さんは元気の塊で一度飛び出したら体力の限界まで遊びつくしてしまうこともありますので、親御さんの皆様はお子さんの体調管理により注意してください。
さてさて、暑い時期になると相談が増えてくるる「孤独死」にまつわる色々な出来事。どうしても暑い時期は高齢者が自宅で熱中症などで亡くなりやすく、特殊清掃の依頼が増えるシーズンでもあります。
今日はちょっと遺品整理の現場からは離れた話しですが、こうした「孤独死」というワード、本来はどちらかというと、「ひとり」「寂しく」「孤独に」「誰にも看取られず」といった感じでネガティブなイメージが強かったと思います。
ただ、最近はひとり暮らしの方の増加を受けて社会での考え方が少しづつ変わってきているのではないかと思います。例えば最近増えてきている「孤独死は悪くない」といった論調の書籍やニュースサイトの記事など、孤独は悪くない、孤独死は寂しいことではないという考え方。
こうした、孤独や孤独死といった状況をただ極端に恐れるのではなく、前向きに捉える姿勢は非常に大切だと思います。
実際問題として、少子高齢化が極まっている日本では、抜本的な改革がなされない限り、孤独死は減ることはなく、今後も増え続けるのは確実です。
そうした中で、孤独死を悲観的に捉えるばかりではなく、楽しく人生を謳歌した後のいきつく先としての「死」の一態様というだけ、という考え方が出てくるのは自然の流れですよね。
ひと昔前は「独身貴族」という言葉があったかと思います。最近は聞かなくなりましたが、必ずしも「独り(ひとり)」が悪いことではないというイメージの言葉ですよね。
「独身貴族」=「悠々自適なシングルライフ」のように、ひとりであることを肯定的に捉える考え方。
当時は若者の間で結婚しない、または敢えてひとりでの生活を楽しむという感じかと思いますが、こうした考え方が高齢者のひとり暮らしを指す「おひとりさま」などと合致し、その流れで「孤独死」することは必ずしも悪いことではないという、風潮が出てきたのではと考えています。
確かに、私自身多くの遺品整理の現場でおひとり暮らしの方のお部屋を片付けてきて、それが例え「孤独死」の現場であったとしても、お部屋の状況から、「ああ。楽しい人生を歩んでこられたのだな」と思える遺品整理の現場はたくさんありました。
しかし、そうした孤独死であっても幸せと思えるような現場は「孤独死」と呼ばれる形で発見された状況のほんの一握りのことです。
孤独死、特に遺体の発見が遅れたような状況での遺体の回収や遺品整理は壮絶な状況でもあり、どれだけ精神論で「孤独死」を綺麗に飾り立てたとしても、相続人や大家、ご近所の方々に与える影響は大きいものがあります。
その結果として、家族からは「本人はひとり満足して死んでいったかもしれないが、残された家族や周りの人にとっては、迷惑でしかない!」と言われるような状況で家族からは恨まれながらの最後となってしまうケースもあります。
当然、そんな最後は普通の感覚からは嫌なわけですけども、最近見かける「孤独死」を前向きに捉える考え方には、本人の気持ちの持ち方で、ひとり生活も素晴らしい物になるといった精神論だけで片づけているような物が散見されます。
上でも少し触れましたが、孤独死であっても幸せな最期と思える遺品整理(遺体の発見が遅れてしまった場合も含めて)では、決して故人は自由気ままに生きてきただけではありません。
家族や周りの方との関係は保った上でひとり暮らしを楽しんでいた方、または家族とは疎遠だったかもしれないけど、自分の死後の事をきちんと準備していた方など、共通してあるのは自由気ままではあるけれど、周りへ迷惑をかけない最後となるように配慮もしていた方々です。
配慮といっても様々で、「家族やご近所との関係が良好」「自分にもしもの事があったらどうして欲しいのかという希望がはっきりわかるようになっている」「葬儀や遺品整理に掛かる費用が残っている」など、人によって異なりますが、なにがしらの準備や蓄えがあるといったことです。
孤独死が起きた場合であっても、故人にそれなりの資産があれば遺族としては葬儀や遺品整理は行いやすいですが、そうした資産もないとなると遺族としても多額の持ち出しは勘弁して欲しいとなり「相続放棄」ということになります。
ただ、相続放棄の手続きも司法書士などの専門家に頼めば費用は掛かりますし、相続放棄したら全て片付くかというと、そうではなく、今度は賃貸物件なら大家さんや管理会社が、分譲マンションなどなら自治会がその後の遺品整理で頭を悩ますこととなり、結局は責任や問題を順送りしていくだけで様々な人へと迷惑を掛けてしまうこととになります。
また、例え資産が残っていたとしても実際に遺品整理を担当する遺族が受け取れるようになっていないような場合では、結局は相続人間のトラブルに繋がってしまうことになりますので、やはり事前の準備が大切だなとこの仕事を通して実感させられるところでもあります。
最近は「終活」という言葉が浸透することにより、以前はどちらかというとタブーとされてきた死後の話題も気軽に話しあえる雰囲気ができてきています。
そうした中で財産の承継については、「遺言」や「信託」といった方法、遺品整理を代表とする死後の手続きについては「死後事務委任契約」など、精神論だけではなく、法律の規定に則り準備をしようとする方も増えてきています。
遺品整理や死後の手続きで家族や周りの方への負担を減らしたいとお考えの場合は、当事務所でご相談に応じております。ご相談はメールでもお電話でも大丈夫ですので、お気軽にご相談くださいね。
死後事務委任契約って何?
死後事務委任契約とは死後に必要とされる手続き、たとえば、葬儀、納骨、役所の手続き、未払いの入院費用の清算、遺品整理等、一般的にはこれまで親族が行ってきた手続きを信頼できる第三者にお願いしておくという契約です。
死後事務委任契約について詳しく知りたい方は「死後事務委任契約について」をご参照ください。