名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2025.05.28

借金調査が相続税の相談へ変わった話し

おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。
東海地方はまだ梅雨には入っていないはずなのですが、梅雨のようなはっきりしない天気が続いております。

さてさて、本日は孤独死や自殺現場などのいわゆる事故物件現場での財産調査の話しです。

いわゆる事故物件と呼ばれるような現場は、孤独死や自殺といった事故が起きた現場であり、亡くなったのが夏場のような暑い時期の場合は遺体の腐乱等も激しく、遺族が自分たちで遺品整理を行えるような状況ではありません。

そのため、そうした現場を専門に扱う遺品整理会社や特殊清掃会社といったところが、家財処分や清掃を行っていくことがほとんどです。

通常の遺品整理の現場であれば、遺族の方が立会をしながら遺品整理会社のスタッフとともに貴重品等の仕分けを行っっていくということも可能ですが、特殊清掃が必要とされるような現場では、遺体が回収された後であっても遺体が腐乱したことで発生する体液や死臭が充満していたり、ウジ虫やハエといった害虫なども多く、とてもではありませんが、親族が遺品整理に立ち会えるような状況ではないことがほとんどです。

そのため、事故物件現場で行われる故人の財産調査としては、遺品整理会社のスタッフが遺品整理時に見つけた貴重品を作業完了後に受け取ることがほとんどであり、遺品整理を担当したスタッフの技量によって故人の財産調査の成否が別れてしまうことになります。

遺品整理会社のスタッフは基本的に遺品整理の専門家であって、士業のような相続の専門家ではありません。

ですので、故人の部屋を整理する際でも、現金や預貯金通帳、貴金属といった誰がみても貴重品とわかるものは処分せずに引き渡してくれますが、それ以外の物については担当したスタッフの知識に左右されてしまうことになります。

依頼現場の家財が多い様な場合は遺品整理会社のスタッフだけでは人手が足りず、派遣会社やスキマバイトアプリでアルバイトを雇っている遺品整理会社もあり、いってみれば素人が故人の遺品整理や財産調査に関わっていることもあります。

もちろん、遺品整理会社によってはアルバイトスタッフ等は室内に入れずに家財の搬出等の作業だけに充てるといった形で対応しているところもありますので、一概には言えませんが故人の財産調査を行うという意味では不安は拭えません。

先日、当事務所にて行った遺品整理の現場の話になりますが、疎遠だった親族が孤独死したので、遺品整理と借金調査をして欲しいという依頼がありました。

依頼者の方は故人の弟にあたる方でしたが、長年音信不通だった為、兄がどのような生活をしていたのかが全くわからず、借金が多いようなら相続放棄も視野にいれているといったご相談から始まった依頼です。

長年疎遠な親族が孤独死した様なケースでは、故人がどのような生活を送ってきており、またどのような資産又は借金のような負債を抱えているのかが分からず面倒な事に巻き込まれるくらいなら最初から相続放棄をしてしまおうと考えている方も多くいます。

相続放棄をしてしまえば、故人のプラスの財産を引き継ぐことはできなくなりますが、借金等のマイナスの財産も負わずに済み、また賃貸物件で孤独死等の事故が起きたような場合は、遺品整理後に行う賃貸人との原状回復の金額交渉等に頭を悩ます必要もなくなります。

今回のご依頼もそうした状況ではあったのですが、依頼者の方は大家さんには迷惑をかけたくないので取り合えず遺品整理だけは先行して行って欲しいという要望であり、併せて借金等を示す資料がないかを確認して欲しいというご依頼でした。

依頼者の方から鍵を預かり現場の状況を確認しに行ってみたところ、現場はご遺体の発見が遅れたこともあり、かなり強めな死臭が充満している状況でした。

私自身はもともと特殊清掃を専門に行う遺品整理会社に長年従事していた経緯があるためそうした状況は、ほぼ日常生活の一部となっているため、あまり気になりませんが一般の方がこの死臭が充満する中で財産調査を行うのは大変な作業かと思われます。

この現場も遺品整理の見積もりを行いつつ、貴重品が残されていそうな箇所や書類、手帳の中身などを確認していったのですが、確認を進めていくにつれて「あれ、この方は結構な資産を残されているのでは?」と思えてきました。

借金の有無については、集合ポストや郵便物の状況からして、多重債務者のような兆候は見られません。実際には、信用情報機関へと照会を掛けてみないとわかりませんが、恐らく借金はないだろうというのは現場の状況からして推測できました。

反対にプラスの財産を示す資料として、日記などを付けていた手帳に証券会社や銀行口座の口座番号やお客様番号の控えが残されており、その時点での概算金額なども簡単に記載されていました。

また、生命保険や医療保険の保険証券も見つかりましたし、遺体発見時に警察が気づかなっただろうと思われる預貯金通帳も出てきたため、手帳に残されていた情報の信憑性が格段にあがることになりました。

これらの情報を基に、銀行や証券会社へ残高証明(現存照会)を請求をしてみたところ、当初は想像してもいなかった相続財産が残っていることが判明して依頼者としては予想もしていない状況で報告に上がった際には目を白黒させるような感じで驚いていました。

生命保険については、親族から確認してもらう必要があることから、こちらは依頼者の方が電話をされる際に横についてアドバイスをしながら契約情報を確認してもらいます。

照会の結果、生命保険も受け取ることができることが判明して、預貯金と併せるとかなりの額となり、相続放棄の心配ではなく、相続税の申告をしなくてはいけないのではないかという状況になってきました。

相続税の申告なら提携している相続専門の税理士がいるので、そちらに相談すれば問題ないのですが、一点気になるのが「遺言書」の有無です。

故人は結婚されておらず、配偶者も子供もいないため、相続人としては兄弟である依頼者しかいない状況です。長年疎遠だったこともあり、兄弟間の仲は決して良好であったとは言えない状況です。

死後事務委任の専門家として、おひとり様の死後事務委任契約や遺言書の作成を行うことも多く、資産を有しているおひとり様が兄弟姉妹に財産がいかないように遺言書の作成を依頼されるケースについても良く知っているため、今回のケースでも故人が遺言書を残されているのではないかと心配になりました。

仮に故人が遺言書を作成していたとなると、生命保険以外については遺言書に従って、遺言書に指定された受取人が故人の財産を相続することになります。

ですので、遺言書が残されている場合は相続財産を必ずしも依頼者が相続できるとは限りませんので、遺言書の有無も調査をしておく必要があります。

遺言書の有無については、遺言書の形式によって調査方法が変わります。

遺言書が自筆証書遺言の場合
遺言書が自筆証書遺言(遺言書を故人が自筆で作成している遺言書)なら基本的には室内をくまなく調べて、遺言書が残されていないかを確認することになります。故人が生前に弁護士等の士業と付き合いのある方でしたら、士業が遺言書を保管している可能性もありますので、関わりのあった士業の事務所へと確認する必要もあります。

遺言書が自筆証書遺言でかつ法務局の保管制度を利用している場合
自筆証書遺言を法務局で保管してもらう制度があるため、故人が遺言書を作成しているかの確認をする場合は法務局の保管制度を利用していないかを確認しておく必要があります。

遺言書が公正証書遺言の場合
遺言書を故人が自分で作成するのではなく、公証人に作成してもらうのが公正証書遺言となります。高額な資産を有している方の場合は多少費用が掛かっても間違いのない遺言書を作成したいと考えることから、自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言を作成していることも多く、こちらについても照会をかけて確認する必要があります。

法務局の保管制度を利用した遺言書及び公正証書遺言については、法務局及び公証人役場へと照会をかければ、故人が遺言書を残しているかどうかは判明します。

今回のケースでは、室内の調査及び遺品整理は私が行っていますので、室内には自筆証書遺言がないことははっきりしていますので、追加で法務局の保管制度及び公証役場での遺言の有無の照会を掛けて確認します。(保管制度利用については依頼者自身に行ってもらいます)

幸いと言っていいのかどうかはわかりませんが、照会の結果遺言書は残されていませんでしたので、通常通り依頼者の方を相続人として手続きを進めることができることになりました。

当初は、賃貸物件の原状回復費用の心配や場合によっては相続放棄も検討していた事案ではありましたが、結果的に故人が遺しておいてくれた遺産によって全ての清算が可能となり、依頼者の方も、ほっと胸をなでおろす結果となりました。

事故物件現場での財産調査は、大事な書類が腐乱した体組織や血液、害虫やその糞等で汚れていたり死臭が染みついてしまっている事から、遺品整理に携わったスタッフによっては汚物として処分してしまうケースがあります。

ただでさえ、過酷な状況下での遺品整理現場で細かな文字を読んだり、たくさんある手帳の中身や封筒ひとつひとつを確認していくというのは、遺品整理の作業としては非常に効率が悪く、片付けだけなら1日で終わる作業が2日や3日とかかったりすることもあります。

近年は遺品整理業者の数も多く、遺品整理業者同士で価格競争となっていることもありますが、早くて安い遺品整理業者としては、こうした丁寧な財産調査にまでは手が回らないのが実情ですので、故人のプラスの財産はもちろん、負債等のマイナスの財産を心配するようなケースは、実績のある専門知識を有した遺品整理会社へ依頼するようにしましょう。名古屋市及びその近郊であれば当事務所へお任せください。

遺品整理と相続のご相談は名古屋の第八行政書士事務所までどうぞ。
ご連絡お待ちしております。

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