法定相続情報証明制度って何?
出生~死亡までの戸籍がこれ一枚でOK!
故人の出生~死亡までの戸籍ってなんで必要なの?
相続が開始した際にまず必要となるのが、故人の出生~死亡までの戸籍となります。銀行等の各機関では、相続人が誰であるのかを確認する為に必ずこの故人の出生から死亡までの戸籍を用意してくださいと言ってきます。
故人の出生~死亡までの戸籍を揃えることによって、故人が生まれてから死亡するまでの身分関係に関する出来事が戸籍には記載されていきますので、当然、お子さんが生まれている場合はその事実が記載されますし、反対にお子様がいない場合は結婚していない事や結婚していてもお子様がいないことが、その戸籍を確認することでわかることとなります。
また、婚姻間のお子様でない認知によって相続人になっている方やお子様がいない場合に誰が相続人になっているのかなどは全てこの故人の出生~死亡までの戸籍(お子様以外の方が相続人になっている場合はその方の戸籍も含む)で判断されます。
ですので、相続が開始した際には必ずと言っていいほどこの故人の出生~死亡までの戸籍が必要となるのですが、故人の家族関係や本籍地の移動(転籍)などによっては、相続人を全て洗い出すまでに膨大な数の戸籍を集める必要が出てきます。
出生~死亡までの戸籍の束を一枚にまとめたのが法定相続情報一覧図
故人の生まれやこれまでの相続手続きの状況によっては必要となる戸籍が膨大な量となったりします。
これまでは銀行などで故人の凍結された口座の解約手続きをする際などには毎回この膨大な量の戸籍を提出していました。
しかし、平成29年に開始された「法定相続情報証明制度」によって、これらの手続きに新たな方法が用意されました。
この法定相続情報証明制度は、故人の出生~死亡までの戸籍を集めて、管轄の法務局へ申請書と一緒に提出することによって、法務局にて故人の相続人の状況を確認してくれ、申請書と一緒に提出した相続人の一覧図に間違いがないことに御墨付きをくれるというものです。
つまり、一度は故人の出生~死亡までの戸籍を集める必要はありますが、その後は法務局から貰った一覧図があれば、これまでのように戸籍の束を何度も銀行に持っていく必要がなくなるというわけです。
故人の相続財産が多岐に渡るような場合に便利な法定相続情報証明制度
一度は故人の出生~死亡までの戸籍を集めなければいけないなら、手間としては何も変わらないんじゃないの?と思われるかもしれません。
確かに、故人の相続財産が銀行2~3行だけという場合なら、わざわざ申請書類を作成して法務局で手続きをする法定相続情報一覧図はいらないかもしれません。法定相続情報一覧図ではなく、集めた戸籍を銀行に持っていけば手続きは問題なくできる訳ですからね。
しかし、故人の相続財産が土地などの不動産や多数の預貯金口座、株の取引など多岐に渡るような場合ですと、各機関に戸籍の束をいちいち提出するのは非常に手間と時間が掛かります。
銀行によっては東京にある「相続センター」のような部署で一括して相続手続きを行っている銀行もありますので、一度戸籍関係の書類を送ってしまうと、その銀行の手続きが終わるまでは戸籍が返却されず、他の銀行の解約手続きを進めることができなくなってしまったりします。
これまでは、そうした場合には同じ戸籍を複数取得して対応していた訳ですが、戸籍を役場で取得するのも一枚450円~750円とお金が掛かりますので、戸籍を複数用意するだけで人によってはかなりの金額を支払うケースもあり、非常にもったいないことになっていました。
こうした相続財産が多岐に渡るような場合に費用と手間と時間を短縮できるのが「法定相続情報証明制度」という訳です。
法定相続情報証明制度を使うと何が変わる?
では、法定相続情報証明制度を実際に利用した場合、何が変わるのでしょうか?
①各金融機関等で必要とされる故人の戸籍に関して法務局でチェックしてくれる。
故人の出生~死亡までの戸籍を集めろと言われても一般の方には「これで合ってるの?」と疑問に思われることは多々あると思われますが、法定相続情報証明制度を利用する場合は金融機関などに提出するまえに法務局でチェックしてくれるので安心です。
②法定相続情報証明一覧図は無料で発行してもらえる。
法定相続情報証明制度を利用する際は申請書と一緒に戸籍を提出する必要がありますが、その後、銀行等で利用できる法務局から発行される法定相続情報証明一覧図は無料で発行してもらえます。
③必要数に応じて何枚でも無料で発行してもらえる。
法定相続情報一覧図は必要な枚数を無料で発行してもらえます。したがって、複数の銀行に提出する必要がある場合はその銀行の数だけ発行してもらうこともできますので、これまでのように銀行から戸籍の返却を待って次ぎの銀行の手続きを進めるといった無駄な時間を減らすことが可能です。必要な枚数を発行してもらい、各銀行で同時に手続きを進めることが出来るようになります。
④銀行での確認作業がスピードUP!
これまでは、銀行の窓口に相続関係の書類を持参すると行員の方が相続人の確認や全ての書類をコピーするなどで、ひとつの銀行で数時間待たされることも普通でした。しかし、法定相続情報証明一覧図を持参した場合は、相続人関係は既に法務局でチェック済みな訳ですから、各銀行で改めてチェックする必要はなく、またコピーする枚数も戸籍関係では一覧図だけですので、非常にスーピーディーに手続きが進むことになります。
⑤後から追加で発行してもらうことも可能
法定相続情報一覧図は最初の申請の際に必要数を書いて発行してもらいますが、その後に別途必要となった場合は、改めて発行してもらう事も可能です。
相続財産の多寡に関わらず、法定相続情報証明一覧図を作成しておくと何かと便利
基本的には相続財産を多数所有している方の相続に便利な法定相続情報証明制度ですが、相続手続きに不慣れな場合はどこで戸籍が必要となるか分からないこともしばしばあります。
そうした場合は相続財産の多寡に関わらず、法定相続情報証明一覧図を作成しておけば「あっ、戸籍関係を提出してしまって手続きが進められない、、、」なんて事を防ぐことができますので、相続が発生したら相続情報証明一覧図の作成を検討してみてくださいね。
法定相続情報証明一覧図の作成・申請・受取の代行をいたします。
第八行政書士事務所では法定相続情報証明制度を利用した一覧図の作成(相続関係図作成)の代行を致します。
依頼の内容としては、
①故人の出生~死亡までの戸籍の代行取得
②法務局へ提出する申請書・一覧図の作成
③法務局への申請書・一覧図の提出、受取りの代行
となります。
法定相続情報証明制度に関する申請書類作成の費用について
業務内容 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
法定相続情報証明一覧図作成代行 | 22,000円 | 申請・受取含む |
戸籍の代行取得 | 11,000円 | 相続人が兄弟姉妹の場合は加算あり |
そ の 他 | 実 費 | 戸籍の発行手数料等必要な実費 |
金融機関等の解約手続きの代行いたします
法定相続情報一覧図を作成し利用する目的の主な物が「不動産の名義変更」「預貯金の解約」「税務申告」となります。第八行政書士事務所では、提携の司法書士及び税理士によって不動産の名義変更や税務申告そして、預貯金の解約の手続の代行も行っております。
法定相続情報一覧図を作成するついでに、それらを利用した各種手続きの相談も一緒にしてしまいたいという場合はいつでもご相談くださいね。
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