名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.06.21

遺品整理と原状回復(5)

 今日もすでに暑い名古屋です。
おはようございます。
名古屋の遺品整理専門第八行政書士事務所の谷です。昨日法令関係の書籍で有名な新日本法規出版㈱の地域担当の方が見えられました。
良く弁護士の先生とかがテレビに出演されている際に後ろにずらっと並んでるあの分厚い辞書みたいなのを取り扱ってる出版社ですね。仕事向けにちょうどいいのがあったので3冊?(冊というには分厚すぎますが)購入。
後日請求書とともに送られてくるようです。ついでに支払日を聞いてみたら「8ヶ月以内でお願いします」
え!!?8ヶ月以内?そんなのんびりでいいの?お客が基本士業の方々だから未払いが発生しないのか、はたまた大きな出版社としての余裕なのか、支払い期限が半年以上先というのは凄いですね。こちらとしては別に困ることじゃないのですが、あんまり長いと逆に忘れそうで怖い、、、、

さて、長かった原状回復とガイドラインの解説もいよいよ大詰め!本日は退去時に入居者が負う修繕義務の負担単位のお話しです。
簡単に言うと、クロスに小さな傷を付けてしまったら、その箇所だけ部分的に補修するのか、それとも最小の施工単位や㎡単位で張替えるのか、壁1面までは負担するか、小さな傷であっても柄や色合わせで部屋全体に張替えを負担しなければいけないのか?
クロスに傷を付けたのは確かに入居者だけど、その修繕の範囲はどこまで負担しなければダメなの?って内容です。

ガイドラインでは別表2として「賃借人の原状回復義務等負担一覧表」として代表的な部分を載せています。これを見てみるとだいたいは工事施工の最小の範囲を入居者の負担とするが、状況によっては範囲を拡大して入居者に費用を負担してもらうのも有りとしています。

賃貸物件の退去時に一般的な使用をしていて修繕の対象となるのは恐らく「クロス(壁紙)」「畳・フローリング・クッションフロワー・カーペット」「襖」と言った所でしょう。
※クッションフロワー(通称:CF)とは、トイレの床や洗面所などの水気の多い場所の床に使用されているビニール素材の床材。最近はフローリングの物件が多いですが、部屋の床材全てがクッションフロワーの所も珍しくはありません。フローリングに比べて張替えが簡単なので汚れたり傷がついてもすぐに新品に交換ができます。

ガイドラインでは上記の箇所の入居者負担を次のように定めています。
クロス・・・・・・・・㎡単位が望ましいが入居者が傷をつけた箇所を含む1面までは入居者
           の負担としてもやむなし
畳・・・・・・・・・・原則1枚単位
クッションフロワー・・毀損等が複数個所にわたる場合は当該居室全体
(カーペット)
フローリング・・・・・原則㎡単位、毀損が複数個所にわたる場合は当該居室全体
襖・・・・・・・・・・1枚単位

上記で示されているように入居者が負担する修繕箇所というのはほぼ最低限の工事箇所に抑えられていると思われます。
クロスなどのように傷を付けた箇所だけを部分的に張替えたのでは反対に目立ってしまうような素材は1面までは入居者の負担を認めているのも仕方のないことですね。

家主側としては、クロスを1面だけ張替えてもらっても、他3面が元のままなら部屋全体でみればやはり違和感が出てくるので結局は他3面も含めて全体の張替えを行うことになるのでしょうが、その部分は入居者が負担するのではなく、家主が負担するべきものとしているわけですね。つまり、ガイドライン上では他3面の張替えは次の入居者を募集する為に家主が行うグレードアップ工事であると考えられているわけです。

さらに、入居者が負う修繕費用ではこの負担範囲に加えて、前回お話しした経過年数による各設備がもつ残存価値についても考慮されますので、入居期間によっては入居者の修繕費用負担は0ということもありえます。
具体的に言うと
クロスに10cm程の傷を付けてしまった入居者がいたとして、クロス1面の張替えが下のようになったとします。
壁1面(7㎡)×クロス張替え単価(1200円)=8400円

入居期間3年だとすると
壁1面(7㎡)×クロス張替え単価(1200円)×入居期間3年(50%)=4200円

入居期間6年以上だとすると
クロスの残存価値は1円になるので、たとえ入居者の過失であっても全額の負担ではなく工事の手間賃などの費用の一部となるとするのが妥当。(残存価値が1円であっても過失がある場合は全く費用負担がなくなるというわけではありません)

ただし、フローリングや襖などの経過年数を考慮しない設備というものがあります。
ですので、襖を子供が破ってしまったとして、入居期間が長いから襖の張替え費用は支払わなくて良いだ!とは考えないでください。
普通に使用していて汚れた部分は大丈夫ですが、破いてしまった場合のように入居者の過失の場合はたとえ入居期間が長くてもその襖の張替え費用は全額入居者の負担となります。

特に、フローリングなどは張替え工事にかなりのお金が掛かりますので、1箇所くらいの傷でしたら補修材でなんとかなるかもしれませんが、キャスターで動き回って傷だらけにしたとか、タバコの焦げ跡が至る所にあるなどになってくるとその部屋全体のフローリングの張替え費用を全額負担(経過年数の考慮がないため)しなければならなくなりますので注意が必要です。
また、例えクロスなどの経過年数を考慮するものであっても、残存価値が1円なのだから、子供に落書きさせちゃえ!なんて事は絶対にしないでください。いくら残存価値が1円でもそのような悪質な行為をした場合は工事費用の一部を負担させられる場合があります。

このように、襖やフローリングなどの経過年数を考慮しない設備が一部ありますが、賃貸物件というのは他人の物を借りているんだという意識をもって丁寧に利用していれば、退去の際にかかるお金というのは少なくて済みます。

ですので、退去時に敷金のほとんどが引かれてしまったという場合はまず、借りていた部屋を定期的に掃除などして綺麗に使用していたか?、タバコや無断ペットの飼育など入居者の過失と取られるような事をしていなかったかなどを考え、次に契約条項に有効な「特約」が記載されていないかを確認し、「特約」があるならその内容と修繕の範囲を確認する。

その後、家主から送られてきた退去費用明細を確認して、どこの部分の修繕にどれだけ負担を負ったのかを確認して、上記の経過年数と負担範囲と照らし合わせた上で、疑問な箇所があれば家主に問い合わせをしましょう。

一番いけないのが、自分使用状況や契約内容を確認せずにただ敷金が引かれたとの一事をもって、家主側に文句を言ってしまうことです。家主側は家主側で修繕に関する決まりのようなものに従って動いていますので、もし、その家主側の修繕見積もりがおかしいのなら、おかしいと思われる部分を「ガイドラインでは入居者の負担範囲はこの部分となっているのに、そちらの見積もりでは修繕範囲が大き過ぎるんじゃないですか?」といった感じで指摘した上で話し合いをしましょうね。

あと、家主側が送ってくる退去明細などには
クロス○㎡、CF○㎡、襖張替え1式等、○㎡ってどんだけ?とか1式ってどこまでの事?と普通の人にはなじみの無い単位で退去明細を送ってくることがありますので、後日、不明な箇所を問い合わせるためにも退去立会い時に修繕が必要と言われ箇所くらいは自分でメジャーをもって㎡数を計っておくのも自衛方法の一つです。

部屋の㎡は縦×横ででますので、例えば壁1面の張替えが必要だと言われたなら
メジャーを持ってその壁の天井から床までと壁の長さを測ればいいのですから
縦2.5m×横(壁の長さ)5mとすれば㎡は12.5㎡ということです。簡単ですね

ふ~、長々と続いてしまった、原状回復とガイドラインの解説もこれで終わりです。
もっと詳細が知りたいという方はさらに細かく説明している
原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを超解」をご参照ください。
ガイドラインなどDL先もここに載せてありますし、ブログでは説明を省いた「ダメージマトリクス」についても簡単に解説しています。
ご質問があればお気軽に問い合わせフォームにてご質問ください。

名古屋の遺品整理専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

第八行政書士事務所は名古屋を中心に愛知・岐阜・三重での遺品整理・特殊清掃のご依頼を承っております。
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