名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.06.30

不動産会社の管理マンだって大変なんです!

 おはようございます。名古屋の遺品整理専門の第八行政書士事務所の谷です。
今日の名古屋は快晴ですよ気づいた6月も今日で最後、今年も前半戦が終了する事になりますね、、、、、速!
しかし、遺品整理業務の繁忙期はまさにこれからです。無いにこしたことはありませんが、どうしても夏場は孤独死などの緊急の依頼が増えてきますので、こちらも倒れないように体調を整えていかなければいけません。
皆さんも水分と塩分とそして、しっかりとした休息を取ることを心がけてこの夏を乗り切りましょう!

さて、夏になると増えてくる孤立死・孤独死(以下、孤独死)ですが、賃貸物件の入居者の方が孤独死されると困るのはご遺族だけではありません。隣室や階下の住人そして大家さんや管理会社の管理マンもその対応におおわらわとなります。

まず、隣室や階下の住人は死臭やハエなどの害虫、そして遺体の腐敗が酷い場合は血液などが漏れてくるといった被害が出る場合があります。

以前、私が担当した現場ではありませんが上の階の住人が亡くなり、その方の血液や体液がフローリングを突き抜け、その下のモルタル類に溜まり。そしてそれらのクラックから染み込んだのか、下の階の住人の照明器具の配線を伝っていき、下の階の天上から血や体液がポタポタと落ちてきたという事案がありました。まさか、気密性の高い最近の住宅でそんな事になるなんてと、その話しを聞いてかなりびっくりしました。

ですので、賃貸物件で孤独死などが起きると、状況によってはそこに住み続けるのが難しくなる場合があります。それは臭いや害虫の被害などの物理的なものもありますが、一番の理由は心理的な物かもしれません。

しかし、住人の方に出られてしまっては困るのが大家さんや管理会社です。賃貸物件などで多いサブリース契約。これは、大家さんにマンションを建ててもらい、それを不動産会社が一括で借り上げて10年や30年の家賃を保証しますといった内容の契約です。

つまり、大家さんにはマンションを建設するお金を出してもらい、その代わりその後のマンション運営や家賃は管理会社が保証しますよといった内容ですね。ですので、管理会社は大家さんから賃貸物件を全室借り上げている事になりますので、たとえ空室があろうとも、満室の家賃を大家さんに支払わなければいけません。

そんな中で孤独死などの事故物件が発生してしまうと、その事故物件のお部屋はもちろん、まわりのお部屋の入居者も退去してしまう可能性があり、そうなったら管理会社は大損となってしまいます。

ですので、不動産会社の管理マンも必死になって問題の解決に向かって動きます。
まずはともかく苦情の元になっている部屋の片付けをご遺族に依頼し、その後は他の入居者からの苦情に対応し、大家さんにも状況の説明をしなければなりません。

そして最後は遺族の方へも原状回復費用の請求をしていかなければならないですので、体力的にも精神的にもつらい仕事の連続となります。

これが理解のある大家さんならまだいいのですが、大家さんの中には自分の持ち物のマンションを汚されたと憤慨し、遺族の方へ必要以上の原状回復費を請求するように管理マンに依頼することがあります。管理マンも大家さんの指示ならその意向はご遺族の方へ伝えないといけないでしょうから、憔悴しきったご遺族の方へお金の話しをするのは管理マンの性格にもよるでしょうがとても大変だろうと思います。

管理マンの苦悩はこれだけでは終わりません。部屋が片付き、リフォームも終了。原状回復やその費用についてもなんとか目処がたったとしても、次はその事故のあったお部屋に次の入居者をいれなければならないからです。

皆さんも聞いたことがあるとは思いますが、事故物件の場合その物件の立地条件や設備にもよりますが、大半は家賃を減額して入居者を付きやすくして募集がされていることがほとんどです。

これは、事故のあったお部屋を契約する際は入居希望者に重要事項の説明として、どういった事故がその部屋であったかを説明する義務が不動産会社側には課せられているからです。
(自殺の場合は必ず、孤独死の場合は自然死扱いなので遺体の状況にもよりしない場合もある)周りと同じ家賃で事故のあった部屋に入りたいと思う人は少ないですからしょうがないですね。

また、たまに聞く重要事項の説明をしなくてすむように、知り合いを3ヶ月程、住まわせて直ぐに退去させれば、入居者の入れ替わりがあったから次の入居者の募集の時にはもう事故の件は説明しなくてもいいといった重要事項回避の方法は認められていません。

法律で何年間は重要事項の説明として入居者に説明しなさいといった規定はありませんが、自殺の場合の過去の判例をみるとだいた2~4年位は重要事項の説明はしなければならないとされていますし、実務ではそれより長く説明されている不動産会社もありますから、一度事故が起きてしまうと相当の長期に渡って影響が出てくるのは事実ですね。

こんな感じで、不動産の管理マンも大変なんです。中には情の欠片もないような不動産会社の社員もいるかもしれませんが、結構大変なんですよということを元不動産会社管理マンの私からお伝えしたかったというのが今回のお話しです。

名古屋の遺品整理専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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