名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.09.02

孤独死現場と大家さんの苦悩

 おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日の名古屋は雨でちょっと肌寒いくらいでしたね。これからどんどん涼しくそして寒くなっていくんでしょうね。冬に向けてしっかり栄養を取らねばいけませんね!

さて、本日のブログは私の私見を書いているものだとご理解頂いてお読み下さい。特に判例の検証をした結果とか、条文にこう書かれているからとかいったものではなく、あくまでこういった事例はどうなるの?という私の私見を書いたものとなりますので予めご了解願います。

8月も終わり、涼しくなるにつれて孤独死を原因とした緊急依頼は少なくなっていきます。孤独死された方のお部屋を片付ける際にご依頼者や家主側で心配になるのが遺品整理の費用や原状回復費用についてでしょう。

遺品整理は遺族や保証人がいた場合はその方たちが行いますし、相続放棄をされたり、保証人が既に亡くなっている場合などは家主側の持ち出しになるだろうというのは過去に何度も書いてきた通りです。

何度も孤独死現場の遺品整理をお手伝いさせて頂き、ご遺族や大家さんのご相談を受けるにつけて今後考えていかなければいけない問題点というのに気づきました。それは「孤独死」の場合の原状回復の取り扱いについてです。

そんな事はもう何度となく議論されているだろうとはお思いでしょうが、議論されているだけで明文の規定にはなっていません。

ちょうど先日民法の大改正がされるとのニュースが流れ、賃貸物件の敷金返還ルールについても明文化される見通しではありますが、これは国交省のガイドラインの規定を踏襲している形と思われますので孤独死した場合のような細かい事例にまでは定めてはいないと思われます。

それでも、経年変化の部分については家主側の負担と明文化されるのは、これまで争いが多かった敷金返還問題については大きな前進と言えるでしょうが、では孤独死した場合の原状回復についてはどのようになっていくのでしょうか?

具体的に言えば、孤独死した現場で遺体が腐乱したことによってフローリングに人型が残ってしまった場合や死臭が酷くクロスを全面張替えしなくてはいけなくなった場合などです。

現在の一般的な考え方からいくと、孤独死はあくまで「自然死」という扱いになりますので、自殺のように故意に部屋を汚してしまったような場合にはあたりません。

ですので、病死や老衰が原因で賃貸物件のお部屋で亡くなったとしても故人(入居者)には故意も過失もありませんので、損害賠償の請求をする事はできないと考えられています。その代わり自然死の場合は家主側も次の入居者への告知義務などは生じないことになります。

では、病死や老衰が原因だった場合だとしても発見までにかなりの時間が経過して遺体の腐乱による汚損や死臭、害虫の発生といった実際の被害がと呼べるようなものが出ている場合はどうでしょうか?

先ほど述べたフローリングやクロスの問題の他、死臭や害虫の被害で隣室や階下の住人が退去してしまったなどの被害が出る事も十分にありえますし、そうした場合家主側としては自殺の場合と同様に次の入居者への告知をしたり、リフォーム費用を負担しなければばらなくなったりするかもしれません。

こうした損害や次の入居者が決まるまでの逸失利益を「自然死」だからの一言で全て家主側が負担しなければいけないのか?という疑問があります。

と、なんだかんだ書いているのですがここまでは前段階で本来書きたかったことは「ゆるやかな自殺」は自然死か?ということについて書いてみたかったのですが、長くなりそうなので一旦切らせて頂き次回に続けたいと思います。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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