名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.09.12

高齢者の住環境について

おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日事務所のＦＡＸがジジジジっと吐き出した紙に先日研修を終えたコスモス成年サポートセンターの入会説明会の案内が記載されていました。

あれ、最終日の考査の結果をまだ聞いていないんだけど？と思いつつよくよく読んでみるとどうやら合格かくしているみたいです。この合格してて当たり前という文面からして先日の考査は落とすためのものではなかった事がわかりますね
なにはともあれ次のステップに進めそうで良かったです。

さて、成年後見制度について学ぶにつけて遺品整理や生前整理とも関係が深いことがわかってきます。先日も福祉整理（生前整理）の需要が増えてきているといったニュースを拝見しましたが、超高齢社会の日本では高齢者の住環境というのは生死に関わってくる問題だと言えます。

以前のブログにもゴミ屋敷にしてしまったお母様は実は認知症だったのでは？という内容で書いた事がありますが、ゴミ屋敷での孤独死（孤立死）の現場で遭遇する部屋の状況というのは一般の方が想像する以上に残酷なものがあります。

認知症や腰痛、その他のご病気などでゴミを溜めてしまったような方のお部屋は非常に不衛生であり、体力的に弱くなってきている高齢者にとっては早急に対処が必要であり、ご本人ではどうすることが出来ないような場合にこそ市町村を始め、地域の協力そして成年後見制度といった法的な制度を併せて対応していく必要があると思われます。

過去に経験した現場でこのような事例があります。その現場は郊外にあり整理するご自宅も竹林の中にあるという状況でした。現場のお宅へ行くには細い通路を何度も折り返して坂を上り、竹林の一番奥にあるといった場所であり非常に作業も困難を極めることが予想される状況です。

幸い現場のお宅に行くまでにある家々の皆さんが非常に親切で道路を封鎖するようにトラックを停めてもいいとまで言って下さり、かなり運び出し距離は短くなりました。それでも200メートルくらいは離れていますので大変な事には変わりません。

作業の当日はあいにくの雨で外への搬出を担当しているスタッフは合羽を着ていてもずぶ濡れ状態です。しかし、困難な状況はそれだけではなく、家屋の中も大変な事になっていました。

作業現場のお宅は半分崩れかけているような状況で、実際に家屋の前に建っていただろう小屋は瓦の重さに耐え切れなかったのか完全に潰れてしまっていました。

同じ年代頃に建てられただろう母屋も相当にガタがきており雨漏りなどもしており、大きな地震がきたらまず間違いなく潰れるだろうことが予想できるような状況です。

そんな古いお宅ですので住んでいらしたのも高齢者で良くひとりで生活していたものだなとある意味感心していましたが、実際にはもはや限界に来ていたのでしょう、部屋の中は物が散乱し清掃もここ数年はされていなかったのでしょう。そもそも雨漏りなどもひどく床などはいつ抜けてもおかしくないくらフワフワと頼りない感触を返してきています。

また、特に酷いのがトイレ周りの汚れで、トイレがすでに排泄物で溢れており、部屋の中に散乱している状況でした。ここに住んでいた高齢者はご依頼者のお父様だったようですが、久々に様子を見にきた娘さんがその状況をみて、これはいけないとすぐにお父様を引き取ったそうです。

お父様はかなりそのご自宅を離れるのを嫌がったそうですが、実際問題すでに人が住める状況では無くなっている為、娘様も根気強く説得してお住まいを移されたそうです。

現場で作業していた私も相当注意をして作業をしてはいましたが何度も床を踏み抜いてしまうほど建物も脆くなっていましたし、高齢者がおひとりで住める状況ではとてもではありません。

トイレ周りの状況を見ても汲み取りの依頼も出来なくなっていたようですし、介護サービスなども利用されていた形跡もありませんでした。

今回はギリギリでご家族による状況の打開が間に合いましたが、身寄りの無い方だったら完全に孤立していたことでしょう。建物の立地からしたらもしかしたら孤独死したとして数ヶ月は誰にも気づかれないことになっていたかもしれません。

成年後見制度は着実に利用者が増えてきてはいますが、全体で見ると成年後見制度を利用するべき人の数に対してまったく追いついていないそうです。

上記の事例に見るように成年後見制度のような支援を必要としている高齢者というのはこれからもますます増えていくことでしょうから、亡くなった後の片付けばかりではなく、生前整理などを通して高齢者の住環境を守る、そんなお手伝いができたらなと考えています。

まずは今月末のコスモス成年後見サポートセンターへの入会説明会ですかね。