名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2018.05.08

同性パートナーの方々が法律婚と同様の結果を得るにはどうすればいいのか?

 おはよございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門の第八行政書士事務所の谷です。

G・Wも終わり夏へと突入しそうな天気ですが、その前に梅雨があるんですよね、、、、。夏は嫌いじゃないですが、梅雨は苦手です。気温の寒暖差もありますので、体調管理には気をつけてくださいね。

さてさて、先日こんなニュースを見ました。同性パートナーの遺産を巡って故人の親族に対して慰謝料を請求する裁判のニュースです。

昨今は同性婚に限らず、事実婚やLGBTの方々の問題といった従来の民法では法律婚のような権利や保護が認められない問題がでてきています。

また、今回の問題のように同性パートナーの場合ですと、親族との間での揉め事、例えば入院中のパートナーの御見舞いに行こうとしても親族に面会を拒否されたり、葬儀への参列を拒否、パートナー死亡後にパートナーと築きあげてきた財産が相続人ではないとして全て故人の親族へと行ってしまうなど、故人が望んでいたであろう状況とはかけ離れた結果になってしまっていることがあります。

これらの問題は婚姻は男女間で行うものという従来の考えに基づいて民法が制定されているのはもちろんですが、まだまだ、同性カップルやパートナーといった方々が少数派であり、周りの多数に圧倒されてしまい声をあげづらい環境である為かと思われます。

そんな中で同性婚の是非を巡っての裁判というのは問題提起としては非常に重要であり、その思い切った選択をされた原告の方には頑張っていただきたいと思わずにはいられません。

では、同性カップルやパートナーといった方々の今後については裁判を見守ることとして、実際問題としてどのようにしておけばよかったのか?裁判を起こさなくても済む方法はなかったのか?ということを考えてみたいと思います。

法律婚という壁
現在の日本では男女間での結婚である法律婚が一般的であり、同性婚や事実婚にはまだまだ理解が乏しく、また法整備も諸外国のようには進んではいません。

ですので、いざ何か問題起きたとしても病院では「家族以外にはお話しできません」と言われたり、世間体を気にして家族からは入院中の面会や葬儀への参加を拒否されてしまうといったことが起きてしまいます。でも、当人同士、とりわけ故人となった方の意思はどうだったでしょうか?

もちろん家族間の愛情もあったと思われますが、故人の望みとしては長年連れ添ってきたパートナーに最後をお願いしたいと考えるのは男女のパートナーであろうと同性のパートナーであろうと違いはないはずです。

ただ、今の日本では法整備が追いついておらず、法律婚という婚姻届という紙を出しているかいないかの違いで扱いが大きく変わってしまう結果となっているわけです。では、こういった問題に何か対策はないのでしょうか?

事前の準備で法律婚と変わらない状況を作ることは可能

婚姻届というものは凄いもので紙切れ一枚ですが、それを提出することで「他人」が「家族」になるという効果が表れます。

あたり前のことのように感じますし、これまで連綿と続いてきた制度ですのでなんら疑問に感じることもないかもしれませんが、日本の制度は「家族」という単位を基本に色々な制度が作られているので、同性カップルやパートナーにはこのあたり前の制度が大きな壁として立ちはだかっているわけです。

では、同性のカップルやパートーナーでも婚姻届と同じ効果を得られる代替手段はないのでしょうか?結論からいうとあります。

ただ、婚姻届のようなオールインワンの手段ではないので、いくつかの書面を作ることで結果的に婚姻届と同等な効果を期待できるという方法です。

例えば、生前の問題として、様々な法律的な手続きや入院だったり、財産の管理といった場面では手続きに応じて委任状を作成したり、また、包括的な財産管理委任契約をお互いに結んでおくことで対応できますし、万が一認知症などになる恐れを心配されるのでしたら、パートナーを受任者とした任意後見契約を結んでおくことで対応は可能です。

また、死後の問題、特に財産の承継については遺言書、葬儀や遺品整理といった財産以外の問題については死後事務委任契約を結んでおくことで対処可能となります。

いずれも、契約書や遺言書といった形で書面に残すこととなり、婚姻届のように自動的に全ての権限が認められるという訳にはいきませんが、事前の準備は可能ということですね。

遺言書や各種委任契約は本人の意思で自由にその内容を決めることができますので、パートーナーに求めることを形にしておくことで、自分の想いと、そしてパートナーの今後の生活を守ることにも繋がりますので、同性パートナーや事実婚で生じる問題でお悩みの場合は準備しておくに越したことはないでしょう。

任意後見契約や遺言書などでは公正証書でないとダメなものや、公正証書か自筆証書かで効果が変わってくる物がありますので、婚姻届のように役場でサラサラと書けるものではありません。

もし、今後の二人について真剣に考える際には専門家にご相談の上で準備をしていくことをお勧めします。

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