名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2018.10.21

分譲マンションで隣人が孤独死するとどうなる?

 おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

なんやかんやで忙しく久々のブログとなりますが、気づいたらもう11月も終盤、年末の足音がヒタヒタと聞こえてくるようです。

さてさて、先日受けた電話相談でこんなご相談がありました。いつもは賃貸物件で孤独死が!や賃貸物件で自殺が!のように、賃貸物件で起きる事件や事故について書くことが多いのですが、今回のご相談は分譲マンションで起きた孤独死についてです。

賃貸物件だろうが分譲マンションだろうが独居の高齢者や単身者が生活している以上は孤独死が発生する可能性というのは必ずあります。ではもし自分が住んでいる分譲マンションの隣室の方が孤独死されたらどうなるのか?

今回はこの点について少しお話しておこうかと思います。普段は賃貸物件で孤独死が起きたら家主とのトラブルにどう備えればいいのか?という視点で解説していますが、分譲マンションの場合は家主とのトラブルということは発生いたしません。

ですので、原状回復や逸失利益といった損害賠償の問題で頭を悩ます必要はないのですが、ご家族の関係性やこれまでの事情といったものから、孤独死をされた部屋に住んでいた方の遺族が相続放棄をしてしまうというケースがままあります。

では、住人が孤独死して、死臭やハエなどの害虫が発生している状況で遺族が全員相続放棄をしてしまったらどうなるのでしょうか?

隣室に住んでいる方としては、一刻でも早く遺品整理などを行ってもらい、平穏な生活に戻りたいと思っているのに、相続人が全員相続放棄したとしたら、いったい誰が孤独死現場の清掃を行ってくれるのか?という問題です。

これが賃貸物件ということなら、大家や管理会社が必ずいますので、問い合わせや遺族との対応などは家主側で行い、孤独死現場が放置されるということはまずありません。

しかし、分譲マンションとなると、基本的には個人の所有物であり、住人が亡くなったとなればその相続人が所有者として遺品整理などを行っていくことになりますので、他人がとやかく言うのは憚られますよね。

では、相続人が相続放棄を予定しているとして全く室内の整理や特殊清掃を行ってくれない、遺族などに連絡しても「相続放棄するので、私たちは一切関知しない」と言われてしまったらどうなるのか?こうなってしまうと非常に困ったこととなります。

分譲マンションの価値にもよりますが、故人に借金などがなければ分譲マンションを売却すれば多少なりとも金銭が手に入りますので、その売却代金を遺品整理などに充てられるので、遺族の方も相続放棄をせずに遺品整理を実行してくれることもありますが、故人が多額の借金をしていたり、団信の更新をしておらずローンが残ってしまっていたりすると、マイナスの財産の方が多くなってしまい、遺族としても相続放棄をせざる負えない状況ということもあります。

では、こうした事情などで孤独死をされた方の遺族が室内の整理や特殊清掃をしてくれないとなったらどうすればいいのか?

お住まいの分譲マンションが管理会社と契約しているなら、管理会社に一任でも大丈夫ですが、管理会社などとは契約しておらず、自主管理のような場合ですと、自治会によって解決を図っていくこととなるでしょう。

自治会や自治会長名義で遺族側に連絡して、相続放棄に影響のでない範囲で遺品整理や特殊清掃を行ってもらったり、最悪、費用は自治会費から工面するので、死臭や害虫の元となっている部分だけでも特殊清掃を行う許可をもらえれば、近隣住民への被害だけは治めることができることとなります。

遺族としては相続放棄をする以上は室内の物品については一切手をつけてはいけないと考えていらっしゃると思いますし、それは間違ってはおりません。

相続放棄をする以上は故人の財産を処分をしてはいけないのが原則ですが、しかし、この「故人の財産」には無価値物は入っておりません。

つまり、価値のないゴミについては処分してしまったとしても相続放棄には影響がないこととなります。

ですので、死臭や害虫の元となっている体液だったり、体液などが染みついてしまった布団や衣類などは当然市場価値などありませんので、処分してしまったとしても、遺族の相続放棄には影響はでないこととなります。

遺族側として孤独死現場の整理をしない理由としては、「相続放棄に影響があるから」「費用が掛かるから」「近隣の住民から苦情を言われたり、謝罪をしないといけないといったトラブルに巻き込まれたくないから」というのが心理面で大きな要因となっています。

この点を自治会や自治会長さんなどを中心に遺族側へと説明し、被害がこれ以上広がらないように協力を要請していくことになるかと思われます。

超高齢社会、多死社会、無縁社会と孤独死の発生する件数は今後も増えていくことと思われます。

これまでは主に賃貸物件で問題となっていたこうした問題も分譲マンションで起きる可能性も増えてきますので、自治会などでも事前に協議を行っておかないと、いざという時に慌ててしまうことになりますので、今の内に勉強会などを行っておくといいかもしれませんね。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

第八行政書士事務所は名古屋を中心に遺品整理・死後事務のご相談を受け付けております。

その他の地域にお住まいの方でも遺品整理や生前整理、相続相談、死後事務に関するご相談は随時お受け致しておりますのでお気軽にご相談くださいね。

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