名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2019.07.13
相続税の支払いにも活用!相続預貯金払戻制度
おはようございます。名古屋の遺品整理・遺産整理専門第八行政書士事務所の谷です。
なんか涼しいですね!ここ数日はエアコンを稼動していなくても扇風機だけでぐっすりです。エアコンつけると寒いくらいですし。今年の夏は冷夏なのかな?
さてさて、先日少し書かせて頂いた「遺産分割前の相続預貯金払戻し制度」について、制度自体が7月開始とまだ始まったばかりで手探り感満載なのですが、この制度は一般的には故人の口座が凍結されてしまっているようば場合に「葬儀費用」や「当面の生活費」に遺族が困窮しないようにと定められた制度です。
通常、相続が発生した段階で故人の預貯金口座は凍結され、遺言書や遺産分割協議書、または銀行所定の用紙に相続人全員が署名捺印などしない限りは、凍結が解除されることはありません。
ですので、よく病院で容態が悪化してような時に「葬儀費用を先に降ろしておがないと!」という話しが出てくるわけですね。
銀行などは相続が開始した事を銀行側が把握した段階で口座を凍結することとなりますが、反対に言うならば、銀行側も相続が発生した事を知らない限りは口座を凍結することはありません。ですので、凍結されない以上はATMなどから家族が暗証番号を利用して降ろすこともできてしまうわけです。
ただ、いくから家族だからと言って、他人名義の口座からお金を降ろすことに問題がないわけではありません。銀行側も窓口で故人の口座からお金を降ろそうと家族が来店したら当然、正規の手続を経てない限りは凍結したままで引き出しに応じることはありません。
このように口座が凍結してしまって、「当面の生活費が!」「葬儀の支払いが!」となってしまったような場合に故人の口座から一定額までは相続人の単独の手続で預貯金の払戻しが受けられるというのがこの「遺産分割前の相続預貯金の払戻し制度」というわけです。
これと似たような取り扱いとして、これまでは各銀行において個別に葬儀費用などの小額に関しては凍結口座であっても引き出しに応じていたケースはあります。
しかし、これには基本的には相続人全員の同意がいりましたし、なにより各銀行の独自のサービスであって、金融機関の一律の取り決めではありませんでしたので、あの銀行ではできたけど、この銀行では応じてもらえなかったということもあったかと思われます。
この制度で払戻しを受けるお金については「使用制限」がありません。ですので、「葬儀費用」や「当面の生活費」というのが使用例として挙がってはいますが、実際には遊行費に使用してしまっても問題はないこととなります。
この間、この話しを税理士の先生にしたところ、「相続税の支払いにも活用できる」という話しを聞きました。これが何かというと、相続税を支払う必要がある場合は、相続開始から10ヶ月以内に相続税を納めないといけません。
相続税は原則現金払いですので、どうしてもまとまったお金が必要となります。もし、相続財産に預貯金があったとしても遺産分割がまとまらず、口座の凍結が解除できないような場合ですと、相続財産ではなく、自己資金から相続税を支払わないといけなくなり、人によっては相続が発生したがために日常生活に支障が出てしまうということもありました。
しかし、遺産分割前の預貯金の払戻し制度が始まったことにより、こうした相続税の支払いの場面でも、一定額までは故人の口座から払戻しを受けることが可能となりましたので、自己資金を減らすことなく相続税の支払いを完了できることも増えることとなります。
こうしてみると、「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」はいろいろと活用のシーンが見いだせそうな制度ですよね。
第八行政書士事務所では、遺産分割前の預貯金の払戻し制度を依頼者の方に代わって手続を行っております。
仕事で忙しく手続が出来ない!遠方の銀行でなかなか行くことができない等、手続でお困りでしたらご相談くださいね。
詳しくは「遺産分割前の相続預貯金の払い戻し制度について」をご確認ください。ご連絡お待ちしておりま~す!