名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2023.01.11

引取り手のないご遺骨を永代供養した話し

おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。本年もよろしくお願いいたします。

正月休みも終わり、そろそろ本格的に動かないとですね。皆さんはお正月ゆっくり休めたでしょうか?私の方は年末年始に結構ばたばたしており、正月?なにそれ?って感じでしたが今年も頑張っていく所存です。

さてさて、今回はちょっと遺品整理や死後事務の本筋とは異なりますが、いざ直面してしまうと本当に困ってしまうという話題となります。

相続や遺品整理といった誰もが経験するような内容ではないのでかなりニッチな話しになると思いますが、大家さんなどの施設管理者には関係してくる可能性があります。

今回は昨年末に実際に賃貸物件の大家さんより頂いた事案を例にご紹介していきたいと思います。

(事 例)
築古の賃貸物件を解体しようと思ったら、解体を決めてから長年誰も住んでいなかった部屋に骨壺が残されていた。元住人は死去しており、その相続人や関係者の連絡先は何十年も前のことでどこにも残っておらず、この遺骨はどうしたらいいのでしょうか?

こうした事案は滅多にあることではありませんが、ゼロという訳でもありません。また、大家さんに限らず疎遠だった親族が亡くなり、親戚の方が仕方なく遺品整理を行おうとしたら、部屋に故人の配偶者の分骨が残っていたなんてこともあったりします。いくら親戚とはいえ、他人のお骨をどのようにしたらいいのかなんてわかりませんよね。

親族が遺品整理に見つけた遺骨等の場合でしたら他の親族へ連絡を取ってもともとのお墓などを見つけ出し、そこへ埋葬するという方法が取れますが、大家さんの場合ですとこれは難しですよね。

ですので、大家さんがこうしたケースに直面した場合は基本的には下記の流れになるかと思います。

➀入居者の親族へ連絡して引き取ってもらう。
②親族がいない、または連絡先が不明な場合は役場に相談したうえで相続人調査を行う
③相続人調査の結果判明した親族へ遺骨の引取りを依頼
④遺骨の引取りを断られた際は念のため役場等へも再度相談
➄役場の判断なども交えて最終的に大家負担で合祀等を行う

遺骨自体は相続財産とは異なる祭祀財産となるため、基本的には故人(ご遺骨になっている方)の祭祀(お墓や家系図など)を承継している方が管理すべきものと考えられています。

ですので、室内に放置されていたからといって大家さんが勝手にその他の家財なんかと一緒にゴミとして処分してはいけません。極端な話し、遺骨を捨てる行為は死体損壊・遺棄罪に該当してしまいます。

悪質な遺品整理業者の場合ですと、「誰も引取り手がないなら追加費用を頂ければゴミと一緒に処分しておきますよ」と言ってくるケースもあるようですが、安易な言葉には乗らないようにしましょう。

まず、放置されていた遺骨といっても勝手に処分してはいけない。これが大前提となります。

では、どうすればいいのか?というとまずは、役場へ相談したうえで相続人を調査することになります。

前述した通り、遺骨は相続財産ではありませんが、基本的に祭祀財産は相続人が管理しているケースがほとんどですから、遺骨の処分に関しても相続人に確認するのが基本となるでしょう。

では、上の事例のように相続人の有無や連絡先がわからない場合はどうすればいいのか?

こうした場合は、役場の判断も影響してきますが、相続人の調査を大家さん自身で行い、相続人の住所等を確認する方法があります。

難しい場合はお近くの相続を専門とする士業の先生に相談すると調査を代行して行ってくれるケースもありますので、ご自身で手続きが難しい場合は相談してみてくださいね。

相続人調査の具体的な方法
相続人調査の具体的な方法としては、戸籍調査となります。戸籍は当然個人情報の塊ですので他人が勝手に取得することはできません。

ですので、いきなり役場の窓口にいって、元入居者の相続人を知りたいから戸籍を見せてくれといっても「第三者には開示できません」と門前払いされて終わりです。

大家さんが役場の窓口で元入居者の戸籍等を取得する際は「第三者請求」という方法を採ることになります。これは、第三者であっても正当な理由があるなら他人であっても戸籍を取得できるというものです。

ですので、今回のケースで言えば、
・昔部屋を貸していた方の残置物の中に遺骨があった。
・遺骨はゴミとして処分することができないので、相続人に引渡しをしたい。
・相続人の有無や連絡先がわからないので、戸籍を確認して相続人有無と相続人の所在を確認したい。

この三つの問題を解決するにあたって戸籍の調査が必要ということが正当な理由となります。

ただ、いくら正当な理由があったとしても役場の担当者にはそれが本当かどうかの判断はつきませんので、正当な理由があることを証明するための資料も併せて持っていく必要があります。

今回のケースで言えば「賃貸契約書」となるでしょう。その他の資料として、大家であることを証明できる大家さん自身の免許証なども要求されると思われます。

こうした事情を説明しても恐らく、窓口の担当者としては戸籍の開示請求に難色を示すかと思われます。むしろ「それでも戸籍は出せません!」と言われてしまった方が大家さんにとってはチャンス!となります。

相続人の所在がわからないのになんでチャンスなの?と思われるかもしれません。それは、大家さんとしては、遺骨の処分を適正にできるなら相続人へ渡すのも、その他の方法で納骨堂等へ納めるのも変わらないからです。

相続人の調査を行った結果、相続人の所在がわかったとしても、その後に手紙等でのやりとりを通して、遺骨をどうするのか?というのを決めていかなければいかなくなり、結構な時間と手間がかかります。

そうした手間や時間をかけたくないといった場合、多少の費用は負担してでもすぐに遺骨をどこかに納めてしまいたいという事情もあるかと思います。

そうした場合は、役場の窓口で相続人の調査を断られた方が、大家さんとしては遺骨を相続人へ渡す努力したが役場の判断で相続人への連絡を取る方法が無くなったという大義名分ができることになります。

ですので、万が一遺骨をどこかの合祀墓へ納めた後に遺族から苦情がきたとしても、大家さんとしてできる事はしたけど、役場の判断で連絡を取ることができなかった。文句なら役場へ言ってくれと言えるようになる訳ですね。

もちろん、役場で相続人調査を断られたという状況を残すためにも、戸籍の発行請求の申請書に役場の担当者の署名と発行できない理由を一筆を貰っておくことを忘れずに。

※一筆書いてくれというと、役場側も責任問題になりかねないので、その時点で戸籍の発行請求に応じるケースも多々ありますが(笑)

役場にて故人の戸籍を取得の際のポイント
相続人を調査する上で、故人の戸籍を取る必要がありますが、戸籍を取るにあたっては故人の「本籍地」を知っていなければそもそも申請先が分からず申請書を書くことができません。

ただ、他人である大家さんが故人の本籍地などを知っている訳もありませんので、その場合は故人の住民票の除票を本籍地入りで取得しましょう。(住民票の除票は故人が最後に住んでいた住所で取れます)

住民票(住民票の除票)には、本人の本籍地を入れるかどうかを選択できるようになっており、本籍地を入れるように☑を入れておくと、故人の本籍地の載った住民票の除票を発行してもらえます。

その住民票の除票に記載されている本籍地を足掛かりに故人の相続人を調査していくことになります。

故人の相続人調査は必ずしも一箇所の役場で判明するわけではありませんので、相続人を調査している過程で遠方の役場へ申請が必要となったりと一般の方には難しいケースも出てくるかと思われます。その場合は、先ほど述べた通り専門家に依頼してみると良いでしょう。

戸籍調査の結果相続人がいることが判明した場合は、相続人の方の本籍地で相続人の方の「戸籍の附票」を発行してもらうことで相続人の所在が判明します。

相続人の方の本籍地が必ずしも住所地となっている訳でありません。そうした場合は転出・転入届の履歴が載っている戸籍の附票を取得することで、相続人の方の現在の住所を知ることができます。

相続人の住所が判明すればその住所へ手紙等で遺骨があるけどどうする?といった内容の手紙を郵送して遺骨の処遇について確認していくことになります。

故人の相続人や親族が遺骨を引き取ってくれるなら万事解決ですし、そこまで手を尽くしたけれど誰も引き取ってくれないというなら、役場と相談したうえで、大家さんがお付き合いのあるお寺の合祀墓等へ埋葬するという方法もあります。

今回、私の事務所で受けた事案では引取り手のない遺骨について親族調査や役場での相談を行ったうえで最終的に私の方で遺骨を合祀墓へと納めさせて頂きました。

まとめ
引取り手の無い遺骨の問題に遭遇したら、勝手に処分してしまうのではなく、役場への相談や相続人調査など大家側でできる範囲の事を行ったうえで遺骨の処遇を決めていきましょう。

やれる事をやらずに安易にゴミとして処分してしまったりすると、大家さん自身が罰則を受けたり、遺族側からの苦情で大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。

困った場合は当事務所など、相続を専門に扱う士業に相談してみてくださいね。

引取り手のないご遺骨の手続き承ります。

第八行政書士事務所では上記の事案のような引取り手の無いご遺骨の手続きを代行しております。
詳しくは下記のページをご参照ください。

引取り手のないご遺骨でお困りなら

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