名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2023.04.25
一般廃棄物許可業者のいない地域での遺品整理の話し
おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。
4月も後半戦に入り非常に過ごしやすい時期になりましたね。花粉や黄砂でいろいろ大変ではありますが、忙しい日々が続いております。
さてさて、そんな中での話しなのですが、今回は初心に戻って遺品整理の話しをしていきたいと思います。遺品整理を行う際には地域の一般廃棄物収集運搬の許可を持っている企業に協力を依頼して、家屋から搬出した家財等の運搬や廃棄をお願いすることになります。
簡単に言えば、室内の貴重品捜索や分別梱包を遺品整理業者が担当して、室外から出した家財の処理を自治体の許可を持っている企業等に適正処分を依頼する形ですね。
一般廃棄物収集運搬の許可を持っていない遺品整理業者が遺品整理で出るような家庭内の廃棄物を回収する行為は基本的に違法回収となってしまいます。
ですので、遺品整理を行う地域毎に遺品の回収を手伝ってくれる一般廃棄物の許可業者というのは非常に頼りとするところとなります。
今回私の事務所にご依頼を頂いたのが愛知県知多市での遺品整理のご依頼でした。知多市では昨年も特殊清掃を含む遺品整理を行っていたのですが、その際は3DKのお部屋ではありましたが荷物も少なかったこともあり、知多市が行っている戸別収集のサービスを利用して遺品整理を行いました。
知多市に限らず自治体によっては、引っ越しゴミのような一時的に大量に出る家財の回収を行ってくれるサービスを行っている自治体もあり、回収費用もかなりお値打ちとなっていることがほとんどです。
知多市の戸別回収を前回利用した際は2t車詰み切りで処分費込みで1万円(税別)と処分費込みの値段と考えるなら非常にリーズナブルな値段だったと記憶していました。
昨年利用した際は特殊清掃案件でしたが家財の量は少なく1車で十分乗る量でもあったので依頼者の方から委任状を貰って戸別の回収の予約から当日の立ち合い等全て行わせて頂きました。
今回も同じ地区での遺品整理ではあったのですが、前回利用した際とは状況が異なっており、家財の量が家屋三軒分+納屋と一般の家財もそうですが、地域柄か漁業や農具も大量にある状況です。
まずは知多市に相談してみようと廃棄物の受付担当となる知多市リサイクルプラザに状況を説明して戸別回収の利用ができるかを確認してみました。
知多市の回答としては、戸別回収は可能だが、1度に予約できるのは1日2台で合計4台まで、後は応相談というものでした。つまり、どれだけ家財の量が多くても回収の手配ができるのは1日に2台までで、事前に予約できるのは2日分の4台までということです。
2tトラック4台ならそれなりに積めるのでは?と思われるかもしれませんが、箱車ではなく落下防止用の網などもかけないため、ギリギリまでは積んではくれません。
ですので、実際には軽トラック2台分位しか積めないので、今回の現場の家財を全て市の戸別回収を利用して搬出しようと思うと概算で12台位は手配が必要になる計算でした。
それでも、2tトラック1台1万円(処分費込み)と考えれば費用的には安いわけですが、しかし、いかんせん12台もの回収手配をしていると車両の予約可能数からして1ヶ月以上掛かってしまう計算になってしまいます。
それはさすがに、時間が掛かりすぎるということで、多少費用は掛かっても一般廃棄物の許可業者に応援をお願いしようと思い、市の担当者の方に「一般廃棄物の許可業者を教えてください」と頼んだところ、帰ってきた答えが「知多市では一般廃棄物の許可を出していません」というものでした。
えっ!許可業者ゼロなの!と正直びっくりしました。一般廃棄物収集運搬の許可はなかなか取れないものではありますが、知多市ではそもそも許可を出していない。つまり、市で出た家庭内のゴミはすべて市で回収しているということになります。
となると、一般廃棄物の許可業者に大型トラックで来てもらい一度に回収という方法は取れなくなってしまいます。
市の担当の方に大量の廃棄物が出る場合はどうしているのかを聞いてみると、戸別回収を利用して時間を掛けて片付けるか、事情を勘案して特別な許可を出し場合のみ、依頼者がトラックに同乗してきてくれれば搬入を認めるというものでした。
ただし、依頼者同乗での搬入許可は必ず出る訳ではないようでこれまた応相談ということらしく、出来るのか出来ないのかが判然としません。
とは言え、依頼を受けた以上片付けをしなければいけませんので、なんとか市の戸別回収を利用してでも整理を終えなければいけません。
そこからはもう、市の担当者の方とも打ち合わせをさせて頂き、市で回収してもらう物や解体時に撤去する物、買い取りやリサイクル家電など細かく分類していき、市の戸別回収の手配台数をなんとか半分まで減らしてなんとか10日程(実作業日)で完了することができました。
まさか一般廃棄物の許可業者がゼロとは思ってもおらず、思わぬ誤算で久々にタイトな日程で焦った現場ではありましたが、なんとかスタッフの頑張りと市の担当者の丁寧な対応で乗り切ることができました。
しかし、これから遺品整理のような案件はどこの地域でも増えてくると思われますが、知多市のように一般廃棄物収集運搬の許可を出していない地域では、他の地域のように許可業者が遺品整理業を担うということもできませんので、結構大変なのではないかと思わずにはいられませんでしたね。(遺品整理業者が自社トラックに遺品を積み込んでいれば基本的に違反業者となるので違反業者かどうかの見分けは付けやすですが、、、)
知多市で遺品整理を行う方は上記の理由から日程には余裕をもって始めましょう~。当事務所でもご相談に応じております。