名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2023.08.01

孤独死発生後の一般的な流れと初期の対応方法について

おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。連日の猛暑日でエアコンを付けていても寝苦しい夜がありますが、こんな暑い時期でも高齢者の方の中にはエアコンを使用せず扇風機だけで過ごしている方もいます。

歳を取ると暑さ寒さを感じる機能が衰えて本人は暑くないと感じてしまうことがあるようですが、実際には体は暑さで疲労困憊しているのが実情であり、気付いた時には熱中症で手遅れになっていたということもこの時期は珍しくはありません。

そんな高齢者の孤独死が発生しやすい時期に多い相談が、「親族が孤独死したのだか何をどうすればいいのかが分からない」という相談です。

今回は、この時期に増加する孤独死と孤独死発生後の流れと初期の対応方法について簡単に解説していきたいと思います。

※筆者のこれまでの経験に基づいて記載しているため、実際の対応と異なる部分もあるかと思います。ご留意のうえご利用ください。

ご近所からの通報等で孤独死の遺体が発見される

独死の遺体が発見されるケースはいろいろとありますが、比較的多いのがご近所の方からの通報での発見です。

真夏の孤独死では、遺体の腐敗の進行も早く、また冬季に比べて死臭の強さやハエ等の害虫の発生量も多い傾向にあります。

ですので、マンションの隣室や戸建でもご近所の方などが現場の近くを通った時に経験したことのないような臭いや、窓に大量に蠢いている尋常ではない数のハエを目撃して管理会社や警察へ連絡して発見されるというケースが多くなります。

では、こうした状況下で遺体が発見された後はどのような流れで遺体は処理されていくのでしょうか?

警察が事件性の調査と貴重品の確保を行う

訪問看護等の適切な医師の管理下にない方が、孤独死のような誰にも看取られていない状況で遺体が発見されたような場合は、まずは警察によって遺体発見現場の捜査が行われることとなります。

孤独死のような誰にも看取られていない状況下では、本人の死亡が熱中症などの体調不良から来るものなのか、もともと持っていた持病から死亡したのか、はたまた誰かに意図的に殺されたのかはわからない状況のため、まずは警察によって事件性の有無を調査されることとなります。

また、事件性の調査などと併せて室内に残されている貴重品、財布や通帳、貴金属、保険証券や年金手帳、携帯電話など現場の警察官によって簡単に調査できる範囲にある貴重品はこの時に警察署に保管するために確保されることになります。

警察の判断によっては、この時にスマホ等に記録されているLINEやショートメッセージなどの内容も警察に確認され、死亡時期の確定や事件性のあるメールのやり取りが無かった等も調査されることになります。

孤独死の疑いがある場合は、警察の他に消防も動いていることが多く、場合によっては窓を破壊して室内に入ることもあり、警察の調査が終わった後に全くの第三者が室内を物色して現金等を持ち出さないとも限りませんから、こうした警察による貴重品の回収は大事な仕事となりますね。

DNA鑑定と親族への連絡

真夏の孤独死のような場合は、死亡から遺体の発見までに時間が掛かってしまうと遺体の腐乱が進み、遺体発見時には本人確認が難しいといった事もあります。

そうした場合に本人確認を行う手段としては歯医者への照会やDNA鑑定があります。死亡した本人に歯の治療履歴があれば歯医者へ照会をかけることで、本人の特定に繋がることがあります。

歯医者での照会ができない場合は、警察にて戸籍調査を行い親族へと連絡をいれてDNA鑑定への協力依頼が入ることになります。孤独死の遺体が発見された際に親族へ連絡がいくのがこのタイミングではないかと思われます。

故人と連絡を受けた親族の関係によっては、面倒事に巻き込まれたくないといった事もあるでしょうから、相続放棄はもちろんのこと、遺体の引取りやDNA鑑定の拒否といった選択もありますし、DNA鑑定には協力するがその後の遺体の引取りは断りたいということもあるでしょうから、ご家庭の事情によって警察と相談のうえ、決めていきましょう。

遺体の引取りと死体検案書の取得

DNA鑑定が終わり、本人確認が取れたら警察より遺体の引取りと貴重品の引渡しについての連絡が親族に入ります。日程調整のうえで、警察へと訪問して現地で回収された遺留品を確認してサインをすれば手続きは終了となります。

遺留品は親族がそのまま持ち帰れば良いのですが、遺体をそのまま親族が引き取ることは現実的には無理でしょうから、警察に行く日に合わせて葬儀業者に事前に連絡を入れておき、遺体の引取りをお願いすることになります。

ただ、親族と故人のお住まいの地域が近くの場合でしたら、こうした方法でも問題ありませんが、離れた地域で暮らしていたような場合ですと、警察へ行く日と遺体の引取りを同日にしてしまうと、その後に死亡届の提出や火葬の為の準備といったことで時間を取られてしまうことになり、仕事で忙し人にとってはかなりの負担となってしまいます。

そうした場合は、事前に葬儀業者などに相談することで、親族が警察に行くより前に遺体の引取りや死体検案書の受け取り、死亡届の提出を葬儀業者側で行ってくれるケースもあります。

私の事務所では、遠方のご家族からの相談を良く受けますのでこうした形で親族が来られる前に火葬できる準備まで事前に行っておき、親族が来られたらすぐに斎場にて火葬できるように段取りをしておくといったお手伝いをしています。(詳しくは、
「孤独死された方の葬儀のあげかた」をご確認ください。)

孤独死のようなケースですと、入院や高齢者施設等での死亡と異なり、「死亡診断書」ではなく「死体検案書」という物が作成されます。

実際には同じ用紙でタイトルが変わるだけなのですが、死体検案書は死亡診断書と異なり、発行手数料がもの凄く高くなります。

病院等で死亡した場合に「死亡診断書」を発行してもらうと文書料として数千円を支払うことになると思います。しかし、孤独死等のような場合に警察から委託を受けた医師が作成する「死体検案書」は3万円~10万円と発行してもらうのにかなりの高額な費用を支払う必要があり遺族にとっては大きな負担となります。

また、死体検案書は委託を受けた医師によって作成されるため、遺族が作成費用の安い病院を選ぶといったことは出来ませんし、役場に火葬許可証を発行してもらうには死体検案書を提出しないといけないことから、死体検案書を発行しないで手続きを進めることもできません。

死体検案書の費用は警察に聞けば概算金額を教えてくれますので、病院へ死体検案書を取りに行く場合は事前に費用を確認しておくと「持ち合わせがない!」といった事態を防げるでしょう。

行政機関への届出

人が亡くなった場合は、死亡届はもちろんのこと、その他の手続きについて行政機関への届出が必要となります。中には期間の制限がある手続きもあるので忘れずに行っておきましょう。下記は、死亡時に必要となる手続きの代表的な手続きの一例となります。

まずは、14日以内までに必要な手続きを終えておくことで、期間制限の厳しい手続きはなくなりますので、孤独死等で遺体が発見されたようなケースでは、DNA鑑定後の葬儀の手配と併せて、ひとまずここまでの手続きを終えることを目標とすると良いでしょう。

その後の手続きについては、財産調査や相続手続き等も絡んできますので、その他の親族との打ち合わせや必要であれば各種士業の力も借りながら進めていくこととなります。

7日以内 死亡届・火葬埋葬許可証の受け取り
14日以内 健康保険、介護保険の資格喪失手続き、年金受給権者の死亡届、世帯主の変更手続
2年以内 葬祭費の支給申請、高額療養費・高額介護サービス費の支給申請
5年以内 未支給年金・遺族年金等の請求

行政機関への届出(2)

行政機関への届出に際しては保険証や介護保険証等の返却が必要となるケースがあります。孤独死のケースでは、警察が財布等の貴重品を回収していますので、場合によってはそうした警察から返却された貴重品の中に保険証等があるかもしれません。

しかし、保険証などは自宅に保管しているということもありますし、保険証は財布に入ってたけど、介護保険証は自宅に保管しているということもあるでしょう。そうした場合は、故人の自宅を捜索して発見したうえで返却する必要が出てきます。

しかし、孤独死現場は遺体が腐乱した状況で発見される事も珍しくはなく、室内は体液や血液で足の踏み場も無い状況で、近所へ迷惑をかけないようにと目張り等で死臭が漏れないように対策されていたことで、室内には死臭が充満し、ハエや蛆が大量に残っているといった、一般の方には厳しい状況になっていることも珍しくはありません。

そうした過酷な状況の室内でどこに保管されているかわからない書類を探すのは非常に大変で、もしかしたら本人が紛失しており、探しても見つからなかったということもあるかもしれません。

ですので、孤独死で発見されたような場合は、保険証などの返却は遺品整理で見つけ次第返却するとしておき、まずは死亡の事実だけを窓口に伝えるようにしましょう。

健康保険や介護保険の資格喪失届出は、保険番号など必要情報を記載するのですが、、保険証が無いと遺族には正確な情報がわからず記載できません。

しかし、窓口の担当者の方に事情を説明して故人の氏名、生年月日、住所等を伝えて、自分との関係を示す書類(戸籍)等を提示することで、保険番号等は役場の方で確認してもらうことができます。

保険証などの返却物がすぐに用意できない場合であっても、まずは窓口で死亡の事実を伝えるようにしておくと安心です。

遺体引取りの手配から行政機関への届出まで代行可能です。

名古屋市やその近郊で親族が亡くなった場合において、遠方にお住まいの親族が地元の葬儀業者を手配したり、期間内に市役所等へ届出を行うことは土地勘や移動手段等から難しい事もあるかと思います。

そうした場合は、第八行政書士事務所へご相談ください。遺品整理・死後事務専門の行政書士が親族に代わって警察署への遺体の引取りの手配や行政機関への届出の代行を行います。

また、葬儀や行政機関への届出後の遺品整理や相続手続きについても専門的に取り扱っていますので、忙しい遺族に代わって煩雑な手続きを代行いたします。

ご相談はお電話または「
問い合わせフォーム」より」ご連絡ください。

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