名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2025.01.10
県民共済って自分の相続分だけ請求できるの?
おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。
あっという間に年も明けて、寒い日が続きますね。今日の名古屋は朝起きたら一面真っ白の雪景色でびっくりしましたが、酷く積もるような事はなさそうなので安心しました。豪雪地帯では被害も深刻のようですので、これ以上被害が拡大しないことを願っています。
さて、今年も張り切っていこうと想いを新たにするところではありますが、昨年の仕事の中で興味深い手続があったのでそれを簡単に紹介しておこうと思います。
あるご家族の方より、余命僅かなご兄弟の死後事務のご相談を頂き、死亡後に葬儀の手配やその後の行政手続、遺品整理等などを行っていた際の話です。
葬儀や遺品整理についても問題なく終わり、ひと段落ついた頃に依頼者の方より、県民共済の申請手続についてご相談を頂きました。
なんでも故人様は県民共済に加入しており、死亡と入院日数に応じた給付金が出るとのことで、その申請を代わりに行って欲しいというものです。
今回の件での相続人は当事務所への依頼者を含めて3人となり、全員故人のご兄妹となります。
ただ、依頼者を除いたおふたりに関しては、1名は認知症、1名は音信不通で生死すら不明といったご様子で、出来る限り他の相続人の関与はない形で申請を進めて欲しいとのご相談です。
はて?県民共済の申請って代理で行う場合に相続人全員の印鑑証明書はいらないのか?と思い、分からないことは確認するしかないと、県民共済の事務局へと電話で確認をすることに。
話しを聞いたところ、県民共済の給付金の申請にあたり、印鑑証明書等の書類が揃わない相続人がいる場合は、書類が揃う相続人の方だけでも申請はできるようで、ただし、受け取れる給付金は書類の揃っている相続人の相続分だけになるとのことでした。
つまり、今回の件で言えば、認知症や生死不明の相続人の協力がなくても、依頼者の分の申請書類だけ提出すれば、依頼者の相続分割合の給付金は受け取れるということです。
へぇ~、意外と融通が利くんですね。と思いつつ、そうであるなら早速申請の準備とばかり故人が生前にかかっていた3つの病院全てに赴いて、申請に必要な診療明細書を全て発行してもらい、法定相続情報一覧図と依頼者の印鑑証明書、委任状等を添付して、県民共済へと送付っと。
申請書送付後に無事に給付金が振り込まれたと依頼者からご連絡を頂き、無事業務完了となりました。
ただ、気になるのが残りの2名分の給付金はどうなるの?ということなのですが、県民共済の担当者へと聞いてみたところ、後日別の相続人から申請があれば改めて申請書を出してもうら必要はあるけれど、給付金の申請は受け付けるとのことでした。
ただ、給付金の申請には申請期限があるので、申請期限が切れた案件については申請が遅れた事情等を考慮して対応するとのことで、出来るなら相続人全員がまとめて申請できるのが理想ではあるようです。
今回は、県民共済の死亡や入院給付金を相続分だけ申請できるかという問題で、手続的には相続分だけの申請もOKというお話しでした。
最後になりましたが、本年も遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所をよろしくお願いいたしま~す。