相続放棄と遺品整理は慌てずに
相続放棄をされる方は遺品整理を行う際には特に注意が必要です!
今、遺品整理をお考えの相続人の方で、相続は放棄する予定の方はまずここのページをじっくりと読んで頂いてから遺品整理を進めるようにしてください。
◆家主から高額な原状回復費用や損害賠償を請求される恐れがある場合、または今現在されて困っているという方は「賃貸物件で孤独死・自殺をされた方のご遺族や連帯保証人が取るべき方法」をご参照ください。
◆相続放棄の手続き代行をご希望の方は「相続放棄手続きの代行業務について」をご確認ください。
相続放棄を予定されている方が故人の遺品を処分してしまった場合、後日その相続放棄が否定される場合がありますので注意が必要です。
民法上では、相続放棄をした者は初めから相続人ではなかったとされますので、相続放棄をした相続人には、故人の財産を処分する権利がないと考えられています。
したがって、権利の無い者があえて、故人の財産を処分する行為を行うと、相続の意思があるものとされ、放棄したはずの相続が後日否定され、相続したものとみなされる場合があります。(法定単純承認)
※単純承認とはプラスの財産もマイナスの財産もそのまま故人から相続することです。
遺品整理の場面で言うなら、故人の部屋の荷物片付けて市場価値のあるものまで処分したり、リサクルショップに高く売れそうな物を売ったりする行為はこれに該当する場合がありますのでご注意ください。
しかし、そうは言っても実際の現場では急いで遺品整理を行わなければならない事情があります。例えば、
◆孤立死(孤独死)や自殺の場合
◆ゴミや腐敗臭などの異臭や虫などの苦情が近隣から出ている場合
◆賃貸物件の為そのままにしておくと未払い家賃がどんどん溜まってしまう場合
◆遠方に住んでおり、遺品整理の時間を何度も取れない場合
など、相続放棄を考えていたとしても、なんとかして遺品整理を進めなければいけない状況というのは必ず出てきます。
※孤独死や自殺の場合の過去の判例は「自死・孤立死賃貸物件判例集」をご参照下さい。
相続放棄を予定されている相続人の方でも出来る遺品整理の方法はあります。しかし、その作業範囲や作業の進め方は専門家でもなければ判断の難しいところもございますので、まずはご相談ください。
特に、賃貸物件での孤独死や自殺などでお困りのご遺族の方々はもしかしたら今現在、臭いや虫の苦情で近隣住人や家主の方から「すぐになんとかしてくれ!」と連日のように催促をされているかもしれません。
近隣の住人の方や家主を安心させたくても、相続放棄を予定している為、遺品整理を行うことが出来ない。そんな状況で非常にお困りかもしれません。でもご安心下さい。
そういった状況でも相続放棄に影響がでない範囲で作業を進めていき臭いや虫などの近隣からの苦情を解消していくことが可能です。
近隣住人や家主からの苦情が無くなりさえすれば、時間と心のゆとりも出てきますので、その後の相続放棄後の手続きについても当事務所及び提携の士業の先生方で全力でサポートし致しますので安心してお任せください。
解決策はあるという事を知って頂き、慌てず、焦らず、まずはご相談ください。
相続放棄の効果が否定されると実際どのような問題が生じるのか
相続放棄は多額の借金を抱えていた故人の相続人にとってはその借金を引き継がなくてよくなる非常にありがたい制度です。しかし、反対に債権者(お金を貸した人など)からすれば、貸したお金が返ってこなくなるのですから法律で定められているとはいえ、なんとか取り戻したいと思うのは当然でしょう。
ですので、そういった状況では故人やその相続人の意思とは関係なく、債権者は相続放棄の無効を主張してくることがあります。
過去の判例では母親が自分が引き取らなければ全て廃棄されてしまい、しのびないからといった親の心情から引き取った遺品の中に市場価値のある品があった為に裁判で相続放棄の効果を否定された事例があります。
これは単純な形見分けまでもが法定単純承認の事由にあたるとした訳ではありませんが、債権者からしたら相続人の相続放棄の効果を否定できる事情があれば必死にそこを裁判で指摘して、相続放棄の効果を否定し、相続人に支払いを求めようとしてきます。
これはなにも借金に限った事ではありません。賃貸物件における遺品整理の現場では退去時の原状回復費用が問題になる事がありますが、相続放棄をした場合は本来、この原状回復費用の支払いについて相続人は責任を負いません。
つまり、孤独死や自殺などが起きた部屋の状況がどれだけ酷かったとしても家主側は相続人には支払いを請求できないということです。
そうすると家主側としては多額のリフォーム費用が発生してきますので、それをなんとか相続人に支払ってもらう為に相続人が行った遺品整理を理由に法定単純承認に該当するとして相続放棄の無効を主張してくる可能性があります。
したがって、相続放棄を予定している場合の遺品整理は手順を踏んでしっかりと進めていく必要があります。
相続放棄と遺品整理はどのようにすれば安全で確実なのか?
遺品整理の現場で相続人がした行為が法定単純承認とされてしまう行為としては、相続人が故人の財産の全部または一部を処分してしまうことがこれにあたります。
この規定は何も部屋の整理を全面的に禁止している訳ではなく、相続財産の中でも市場価値のあるものを相続人が処分した場合は相続放棄を認めないとする規定と考えられています。
つまり、故人の持ち物であっても市場価値のない物でしたら処分してしまっても相続放棄には影響はないということです。
ただし、市場価値が無いからといってただ処分しただけでは後日、債権者などから訴えられえた際に市場価値の無い物しか処分していない事を証明することができません。
相続放棄を予定されているご家族が遺品整理をする際はその点にご注意ください。もし、作業に不安がある場合は当事務所にご相談ください。
連帯保証人になられている方へ
故人が賃貸物件の契約を結ぶ際にご家族の誰かが連帯保証人になられており、相続人の地位と連帯保証人の地位の二つの立場をお持ちのご遺族の方は多いと思われます。
そのように、連帯保証人の地位を持っている方は例え相続放棄をしたとしても、連帯保証人としての責任は依然として残ったままとなります。
遺品整理の現場に当てはめて考えるなら、相続人が相続放棄をしたとしても、連帯保証人になっている方には賃貸物件の原状回復費用や損害賠償の責任は依然と残っており、故人が家主に与えた損害は連帯保証人でもある遺族が支払っていかなければなりません。
昨今増加している、孤立死(孤独死)による退去時の原状回復費用の問題では、遺体発見時の状況によっては、かなり大規模な修繕になる事が多く、高額な原状回復費用を請求されて困っているご遺族の方が多数みえられます。
孤立死(孤独死)は自殺の場合とは異なり、自然死の扱いですから、結果だけみれば自殺の場合と同じようなリフォームが必要であったとしても、その費用を貸主、連帯保証人のどちらが負担するのか、また、その負担する範囲はどこまでなのかは孤立死(孤独死)と自殺の場合では大きく異なってきます。
これらの問題はかなり細かな法律知識が必要となりますので、不動産会社の社員が本来家主側が負うべき負担をそうとは知らずに、リフォームに掛かった費用の全てを連帯保証人へと請求している場合がありますので注意が必要です。
本来賠償の責任の無いはずの費用までをも孤立死(孤独死)といった特殊な状況を理由に請求されてしまい、また、連帯保証人やご遺族も家主に迷惑をかけているという負い目から、金額には目をつむりそのまま支払っているケースも見受けられます。
無理をせずに支払いが難しい場合はまずはご相談ください。
遺品整理専門の行政書士が相談に応じます。
第八行政書士事務所では賃貸物件で自殺や孤独死が発生した場合の対応方法についてご相談に応じております。
一般的なご相談から具体的な個別案件に関しての相談・アドバイスなど行っており、また、行政書士の職分を超える場合は無料で弁護士等をご紹介しておりますので、ご利用ください。
※ 他府県からのご相談にも応じています。また、他府県で出張相談をご希望の場合は別途交通費が発生いたします。
弁護士紹介制度について
弁護士紹介制度 (既に相手方ともめてしまっている方へ)
賃貸物件での自殺や孤独死の問題は借主側、家主側双方にとって大きな問題となります。また、法律で画一的に解決手段が決まっている訳ではないことからどうしても当事者双方の協議を重ねて解決へ向かっていく姿勢が重要となってきます。
第八行政書士事務所では当事者双方の協議を円滑に進める為に依頼者の方に親身になって相談に乗って頂ける弁護士を紹介しておりますので、どうしても相手方との折り合いが付かない、または話しを聞いてもらえないといった状況でお困りの場合は頼りになる弁護士の先生をご紹介いたしますのでご相談ください。
ご紹介する弁護士の先生は当事務所所在地が名古屋にあることから、名古屋に事務所を構えている弁護士の先生が中心となります。
弁護士の先生への相談(初回相談は無料対応有り)につきましては、相談時間を有効に利用する為にも当事務所にておおまかな内容の聞き取りを行い、その内容を弁護士の先生へお伝えした上で、相談に臨んで頂く方式を取っておりますので、最初のご相談は当事務所へとご連絡をお願い致します。(弁護士の先生の事務所へ行く際はお申し出があれば付き添いも行います。)
また、名古屋在住の方でなくても弁護士の先生の事務所へとご来店頂ける方につきましてはサービス対応の範囲内となっておりますので、自宅は県外だが名古屋の部屋を整理したい方や近くで良い先生がみつからないような場合はご相談ください。
費用について
弁護士紹介制度は賃貸物件での事故で悩まれているご家族の為に用意しておりますので、弁護士の先生のご紹介に関しては費用は発生いたしません。また、当事務所への相談も無料で行っております。
※当事務所スタッフが弁護士の先生の事務所への付き添うサービスについては費用が1万(税抜)が掛かりますが、遠方からこられて名古屋の地理が分からないような場合は送迎もいたします。(送迎は無料です。)
弁護士の先生へ実際に依頼する場合の費用については、事情をお伺いした上で掛かる費用を弁護士の先生よりご提示していただきますので、依頼されるかどうかはじっくり検討されてからご返事頂ければ大丈夫です。
他府県の方でもお気軽にご相談ください。
第八行政書士事務所では地域を問わず全国からの相談を受け付けております。ご相談は電話またはメールでご連絡頂ければ担当者よりお返事いたします。
また、第八行政書士事務所では自殺や孤独死が起きた際にご遺族や連帯保証人の方向けの各種手続きの補助や合意書の書類作成を行っておりますのでご利用ください。
詳しくは下記参考ページをご覧ください。
◆「賃貸物件で孤独死・自殺をされた方のご遺族や連帯保証人が取るべき方法」
◆「賃貸物件で自殺が起きた際の損害賠償等の質問」
◆「相続放棄手続きの代行業務について」
◆「自死・孤立死賃貸物件判例集」
◆「相続放棄をする前に」
◆「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを超解説」