口座凍結に関する疑問

遺品整理の現場では口座が凍結されてしまう前にお金を下しておこうという話しは良く聞きます。しかし、相続人やご親族の関係によっては反対に口座を凍結した方が安全という場合がございます。

例えば下記のような事例などは想像しやすいのではないでしょうか。
例）
お父様が亡くなり、現在は母と長男が実家で同居。妹の私は結婚して他県に在住。

こういったご家族は多いと思いますが、お父様が亡くなった後は何かとバタバタとしており遺産分割の話し合い等はまた後日、日を改めてとなる事もしばしばです。

そういった際にお父様の銀行口座の通帳やキャッシュカード、印鑑などは高齢の母親ではなくお兄様が保管していることも珍しくはありません。

また、父親の葬儀費用や医療費の支払いに必要だからとの理由で、銀行にはお父様の死亡を知らせずに口座を凍結されないようにしてお兄様がお金を下していくという事も珍しくはないでしょう。

しかし、遺産分割が終わらない内に、お兄様が必要経費を越えて、自分の生活費や遊興費、はたまた自分の借金の返済にとお父様の口座のお金を使用しないとも限りません。

もちろん勝手に使用したお兄様には返還請求は出来るでしょうが、無い袖は触れないのと一緒で一度消費されたお金は簡単には戻ってはきません。

相続人やご遺族の間でそういった心配があるようなら、あえて銀行の口座を凍結させるのも一つの手段です。口座の凍結自体は銀行に口座名義人の死亡を伝えればいいだけですのでとっても簡単。

口座が凍結される事により、口座の凍結が解除されるまでは引き出しも入金も出来なくなりますが、勝手に使用されて口座の残高がどんどん減っていくという事体は防ぐ事ができます。

相続争いは無いに越した事はありませんが、自衛手段の一つとして知っておいて損はありませんよ。

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