名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2014.06.20
遺品整理と原状回復(4.5)
おはようございます。いつもカフェイン中毒気味なくらいコーヒーを飲んでるのですが、最近ホットからアイスに変えた所、消費量がさらにドン!と増えみるみるストックが無くなっていく名古屋の遺品整理専門第八行政書士事務所の谷です。美味しいですよねアイスコーヒー
さて、当初の予定よりどんどん長くなって収まりがきかなくなってきてる原状回復についての解説を諦めずに続けたいと思います。
昨日の続きでまずはこの図ですね。 ドン!
なんか二本線が引かれてるだけですが、この図は簡単に言うと、クロスや畳などの床材がもっている価値がどれくらい時間が経過すると1円まで下っちゃうのかというグラフです。
クロス(耐用年数6年)を例に取ってみると、入居時には張替えたばかりで100%の価値があったクロスも3年経過すると50%(半額)まで価値が下がり、張替えから6年経つとそのクロスが持っている価値は1円ですよって事ですね。
簡単ですね。算数が嫌いな私でもこのグラフの意味は理解できます
時間の経過とともにクロス等の建物設備の価値が減っていくという事はどういうことかというと、クロスや床材などの設備は時間が経つにつれ劣化(経年劣化)していき、入居者が住んでいてもいなくても劣化することには変わりないということです。
つまり、入居尾者の使用によって劣化した分部もあるだろうけど、そこには時間の経過とともに劣化した部分も含まれるのだから、そこはちゃんと区別して退去清算しなさいよとガイドラインは言っているわけですね。
もっと単純に言うなら、入居者は長く住めば住む程、修繕費用の負担は少なくなるという事です!
具体例で言うと、退去清算の際に家主側がクロスを全部張替えないといけないと言ってきたとします。入居者は喫煙者で入居期間3年でタバコを吸い続けてクロスは確かに入居者の責任で黄色くなっていたとします。そして家主側が提示した張替え費用が次の通り
ワンルームの居室部分全面張替え(壁・天井)28㎡ クロスの張替え単価 1200円 張替え費用 28㎡×1200円=33600円
特に問題ない金額のようにも思えますが、ガイドラインでの適正数字はこうなります。
ワンルームの居室部分全面張替え(壁・天井)28㎡ クロスの張替え単価 1200円 張替え費用 28㎡×1200円×50%(入居3年)=16800円
おわかりでしょうか?家主側が提示した金額はクロスを全面張替えした際にかかる費用に違いはありませんが、それは経年劣化により減ったクロスの残存価値を考慮していないものになります。つまり、家主側のクロス張替え費用には本来家主が負担すべき経年劣化で減った価値の分も入っており、入居者の負担が多くなってしまいます。
※この事例はあくまで一例で実際には入居者の居住形態や生活スタイルによって、グラフ
通りにきっちりと分けて考えられない場合もあります。
本来、経年劣化で減る分の価値については家主側は「家賃」で回収していると考えられていますので、これでは家賃で回収した修繕費用を退去時にも請求する二重取りになってしまうという事ですね。そこをガイドラインは上の図を示すことで妥当な請求ラインを導こうとしているわけです。
なんとなくおわかり頂けましたでしょうか。クロスの張替えについてはわかった!だけど他の部分は?という方は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを超解説」でその他の設備箇所としてガイドラインの別表2として掲載していますのでそちらをご参照ください。
ここで、前回の話しにやっと戻れます。経過年数による建物設備の価値の減少については今述べた通りですが、前回の家主負担なのか、入居者の負担なのか微妙なラインの原状回復について退去立会いの時にどうするか?という話しに戻りましょう。
前回あげたタバコの微妙な汚れ、洗浄したら落ちるかもしれないし、落ちないかもしれないといった汚れの場合、退去立会いの時にはその場で判断がつかないものがあります。実際には洗浄してみないとわかりませんから、「そんなもの不動産のプロなんだからわかるだろう!?」と退去立会いを担当する不動産会社の社員や大家さんを責めないあげてください。ほんと難しいんです、、、
では、そんな場合はどうするのか。クロスの張替えの例で言うと家主側としては張替え費用を全額支払ってもらえるのが一番ですが、入居者としては洗浄で落ちるかもしれない汚れにクロスの張替え費用を負担するのは納得できないでしょう。そんな時にも使えるのが、先ほどの経過年数と負担割合を示したグラフです。
ここから先の記事は決してガイドラインでこのようにしなさいと示されているわけではない事にご注意ください。あくまで、退去立会いを円滑に進めるための方法の一つと考えて頂き、退去立会いを担当する不動産会社の管理マンの方が理解してくれると無駄なトラブルが減るかなっといった内容となります。
とはいってもそんな難しい話ではありません。修繕費用を家主側か入居者のどちらが負担すべきか悩む部分というのは、ある程度入居者にも責任があるのでは?と考えられる部分です。
例えばタバコを吸ってたり、掃除をさぼって汚れが増えてしまったり、お香なんかを焚きすぎて臭いがついていたりと何がしか入居者にも責任があるかもと思われる部分で悩むことになりますから、退去立会い時に担当の方がきちんと説明すれば入居者側にもある程度の「やっちゃったかな?」と思い至る場面が多いはずです。
ですので、先ほどの経過年数と負担割合の図を基に入居期間を考慮した場合の金額を入居者に請求してしまうと、入居者も納得しないでしょうが、その負担割合よりも少ない割合で話し合ってみてください。入居者側にもある程度責任があると思われ、そのことについてちゃんと説明しているなら、入居者の理解も得られやすいでしょう。
この方法については「現状回復と敷金清算入門4訂版」にダメージマトリクスの考え方とともに詳細が記載されていますので、不動産会社の方は必見です。イラストは古ぼったいですが、内容は最新でとてもわかりやすい
ガイドラインはなにも入居者ばかりを保護するものではありません、上のグラフを使用することによって、
「お客様は何年この部屋をご利用頂いており、そして使用状況はこういった感じで、この部分とこの部分は家主の負担ですが、この部分についてはお客様の負担となります。そして、ガイドライン上では負担割合はこのようになっておりますので、修繕費用は入居期間に伴う経年劣化を考慮して、この金額になります。」
といった具合に入居者(お客様)の方に修繕金額を納得して頂くツールとしても利用できます。こんな便利な物を国のお墨付きで提供されているのですから使わない手はないですね。
さて、ようやく終わりの見えてきた原状回復とガイドラインについて、次回は修繕単位」について「大家さん、その部分まで入居者の修繕範囲に含めたら、原状回復ではなくグレードUP工事になってしまいやずぜ、チッチッチッ」という話です。
意味がわかりませんね
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