名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2019.07.11
銀行の窓口で法定相続情報一覧図が使えない!?
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。
最近そーめんばかり食べているのですが、そーめんより蕎麦の方が太りにくいと聞いて、蕎麦に切り替えるか悩み中です。蕎麦よりそーめんの方が好きなんですよね~
さてさて、麺論議は置いとくとして、この間のブログにも書きましたが今年の7月1日より改正民法が動きはじめて、実務家としても新しい知識を入れなければとやっきになっているところではありますが、今回は少し前に始まった「法定相続情報一覧図」について。
法定相続情報一覧図の制度は平成29年の5月から開始された制度、この制度を利用して作成した一覧図と呼ばれる故人の相続関係図が様々な手続きで利用できるというものです。
一覧図の使い道の主な物としては、「不動産登記」、「預貯金の相続手続」、「相続税の申告」となりますが、故人と相続人の相続関係を示すのに非常に役に立つ制度であります。
私も相続業務を受注して相続関係を確認する場合は基本的に法定相続情報一覧図の作成までまず行うようにしています。
法定相続情報一覧図は必要書類を準備して法務局に申し出れば必要枚数を無料で発行してもらえますし、発行も1~2日ほどでしてもらえますので、依頼者の方の負担も少ないですし、なにより、その後の手続きが非常にスムーズになります。
そんな訳で先日ご依頼頂いた九州地方の相続案件でもこの法定相続情報一覧図の作成を行ったのですが、そのご依頼、名古屋にお住まいの相続人の方から遺産分割協議書の作成をはじめとする相続案件であり、これに先立って一覧図の作成を行った次第です。
戸籍収集を行い、法務局へ提出する申出書と一覧図などを作成し問題なく完成。それを使用して故人の預貯金の残高証明を取得しようと、九州のとある銀行に電話した際のことです。
いつも通り、残高証明に必要な書類について確認すると「亡くなられた方の出生~死亡までの戸籍を、、、」と、これまたいつも通りの返答かきます。
ですので、こちらも「戸籍関係は一覧図があればいいですよね?」と確認すると、いつもなら「あっ、一覧図があるなら大丈夫です!」とちょっと喜ばれる感じでの返答がくると思っていました。
法定相続情報一覧図は既に法務局で相続人の確認が終わっており、言ってみれば相続関係はこの一覧図に記載されている通りで間違いないと国の機関からお墨付きがついているような状況です。
ですので、銀行側としても戸籍を一から確認して相続関係を確認したり、何十枚にも及ぶ戸籍などを全てをコピーするといった手間が省けることになりますから、銀行側の負担もかなり減るわけです。
そうした意味もあり、基本的に銀行関係には一覧図を提出するようにしているのですが、その時の返事は「いえ、一覧図ではなく、戸籍の原本を全てご用意してください。」という回答。
「え?、一覧図ダメなんですか?」、「はい、こちらで戸籍を全て辿って相続人を確認しますので、、、、」という予想外の返事。
確かに法定相続情報一覧図の開始当初は銀行によって対応が変わることもあると注意喚起されていましたが、既に開始から2年以上も経っていますので、一覧図がダメっというのはちょっと考えにくい。
もしかして、「一覧図」が士業が作成した家族関係図か何かと勘違いしているのかもと思い。「法定相続情報一覧図なんですけど、ダメですが?」と正式名称で伝えてみるも。「はい、こちらで相続人の調査をさせて頂きますので、、、、」と同じ回答。
いや、でも、相続人の調査に間違いないことは既に法務局でされてるし、あえて銀行側が調査する必要性を感じないんだけども!と思い、「え、でも、相続人の調査は既に法務局でされていますし、法務局で相続人に間違いがないことを確認しているからこそ一覧図が発行されているわけですけど」と、ここまで言うと「あ、えっ、ちょっと一覧図が使用できるかどうかは本部に確認してみます」という回答に変わりました。
ちなみに私が確認の電話をかけたのがその銀行の本店なわけですけどね、、、、。これは窓口業務の方が法定相続情報一覧図について知らなかったのか、もしくはその銀行ではあまり相続案件で一覧図を使用することがなかったのかのどちらかがと思いますが、折り返し掛かってきた電話では「一覧図で大丈夫です!」という回答。ですよね~。
と、これまで一覧図ではダメと言われたことがなかった為、ちょっとびっくりした出来事でした。銀行によっては法定相続情報一覧図が浸透してないところもあるのかなと思わせる出来事でしたね。
いずれにしても、法定相続情報一覧図は非常に使い勝手が良いものですので、銀行や不動産登記など相続に関する手続きが3件以上ありそうな場合は戸籍の収集のついでに作成しておくと何かと便利かと思われます。
一覧図の作成には「戸籍の収集」「一覧図の作成」「申出書の作成」といくつか準備が必要となります。詳細は法務局の「法定相続情報証明制度について」をご確認頂ければ詳しく書かれています。
もし、家族で作成する時間がなかったり、戸籍の収集の仕方が良く分からないということがあれば、当事務所で代行して法定相続情報一覧図を作成しますのでいつでもご相談くださいね。
一覧図作成代行に関する詳細や費用については「法定相続情報証明制度って何?」をご確認ください。
ご相談は他府県の方でも大歓迎ですので、お気軽にご相談くださいね、ご連絡お待ちしておりま~す。
追記:都道府県県民共済で法定相続情報一覧図が使えない!?
2020年1月に追記
先日、死後事務手続きで「都道府県県民共済」に問い合わせをしてみました。基本的に保険関係は相続人や受取人にしか詳細には答えてくれないケースがほとんで、県民共済も同様です。
ですので、相続人の方へ県民共済の加入番号等が分かる資料一式を故人の自宅から探し出してお渡しをして、直接問い合わせをして頂いたところ、「戸籍の提出が必ず必要と言われました」と少々困惑されてお電話が入りました。
もともと、相続手続きに必要な戸籍関係一式はこちらで準備しているところで、相続人の方に委任を頂き、一覧図の作成の準備に入っていました。
そして、出来上がった一覧図を後日お渡ししますから、保険関係で戸籍が必要と言われれば一覧図を出して頂ければ基本的には大丈夫とお伝えてしてあったのですが、県民共済の電話口では必要書類として戸籍の一点張りで、一覧図での受付はできないという回答だったようです。
ええぇ~またですか!と上で述べた銀行での窓口対応が思い出されます。一般の方では一覧図の詳しい説明は難しいと考え、直接自分で県民共済に電話で問い合わせをいたしました。
電話で請求に必要な戸籍の代わりに一覧図が使用できないかを聞いてみたところ、相続人の方がおっしゃる通り、「こちらで戸籍を全て確認させて頂きますので、出生から死亡までの戸籍を出して頂いております。」「一覧図はでなく、戸籍をお願いしています」という回答。
以前の銀行と全く同じ対応なので、これは引き下がれないと思い「念の為、担当部署に確認してもらってもよろしいですか?」と、お願いしてみます。
その段階で電話応対されている方もこちらが引かない事を理解されたようで、「確認して折り返しご連絡いたします」となりました。
請求担当の部署からの折り返しの電話の結果はもちろん、「法定相続情報一覧図の原本なら問題ありません」というものです。ですよね~。
銀行に限らず、派遣スタッフなどが窓口業務や電話応対しているケースも最近は多く、必ずしも問い合わせに全て正確に答えられる訳ではありません。
しかし、一般の方からの問い合わせとなると、一般の方も法定相続情報証明制度がどんな制度でどの程度利用できる物なのか、またそれを利用することでどういったメリットがあるのかなどは分からないのが普通です。
ですから、電話や窓口で「一覧図でいいですか?」と聞いてみて、「一覧図ではなく、戸籍を出してください」と言われたら、「そういうものか」と納得してしまいますよね。
私たちのように普段から一覧図を使用している相続専門の士業でしたら「いやいや、一覧図あるのにわざわざ戸籍を出すのはおかしくない?」疑問に感じて、もう一歩踏み込んで質問をすることもできます。
銀行に引き続き県民共済でも同じような対応があったので参考までに追記しておきました。