名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2019.08.27
警察のいけず
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門の第八行政書士事務所の谷です。まだ8月ですが最近涼しくなった気がしませんか?風がさらっとしていて秋の気配を感じます。
とはいえ、真夏は過ぎたようですがまだまだ暑い日もあるでしょうかから熱中症対策には気を抜かずに取り組んでくださいね。
私の知り合いは仕事の関係もあるのでしょうが今年は立て続けに熱中症になりかけたといって、しばらくダウンしていましたので油断は禁物です。
さてさて、連日酷暑が続いた7月終わりから8月にかけて孤独死の相談や遺品整理のご依頼が立て続けに入っていました。
うちの事務所は他の遺品整理業者さんとは異なり、格安で1日で作業を終わらせるというような作業内容ではないので、必然的に依頼者の傾向というのは偏ってはきます。
今回ご依頼頂いた方もかなりの遠方からお越しの方でご兄弟の遺品整理のご依頼です。しかしながら遠方からお越しになっている関係上、遺品整理にじっくりと時間をかけることができません。
一般的な遺品整理であれば、簡単に室内の状況を確認して後は遺品整理業者さんに廃棄をしてをいて貰い、後日確認くるという手段も取れますが、今回のお部屋に関しては故人のお仕事の関係などもあり、重要な書類や財産状況の確認などで必要な書類などを丁寧に仕分けをしないといけない状況でした。
こうした室内の貴重品捜索や重要書類の捜索は当事務所の得意とするところであり、一般の格安遺品整理業者さんのように、短時間で早く遺品整理を済ませるという業者さんは苦手するところでもあります。
どちらが良い遺品遺品整理業者なのかという話しではなく、遺品整理現場の状況に応じて利用する遺品整理業者を選ぶ必要があるというだけの話しであり、適材適所ということですね。
そうした貴重品捜索をしているなかで見つかる物のなかにスマートフォンやノートPCなどの電子機器がみつかることも多くあります。
特に最近は株やFX、仮想通貨といった取引をスマートフォンでされている方も多くいらっしゃるので、非常に重要な物品となります。
孤独死などが起きた場合は警察が室内を確認した際にご遺体と一緒に貴重品関係を警察署に持ち帰り、後日ご遺体と一緒にご家族に返却されるという流れになります。
この際に警察が引き上げていく貴重品には「現金」や「通帳」、「印鑑」などはもちろん、ブランド物の高価な時計やスマートフォンなども同時に引き上げていきます。警察ってかなりブランド物には詳しいですよね。
そして、引き上げたスマホなどに関しては、故人がいつ亡くなったのか、そして何か事件に巻き込まれたのではないのかを確認する為に携帯の通話履歴やLINEなどのSNSもチェックするそうです。
以前、私がご遺体の引渡しにご家族と同行した際にも警察の方が、携帯の通話履歴を確認して最後に話しをされた方にどんな話しをしたのかを確認したような事をおっしゃていましたので、事件性の有無を確認する上で大事な作業となりますよね。
ただ、ここでちょっと疑問に思うのがスマートフォンなどには他人が勝手に覗き見できないように「ロック」が掛かっていることも多いはずです。最近は生体認証で「指紋」でロックの開閉をしたりもして高性能になっています。
生体認証とはいかないまでも普通の4桁のパスワードだけでも、本人以外にはなかなか分からない番号が設定されていることは珍しくはありませんが、警察はパスワードが掛かっているスマホなどはどうしているのでしょうね?と思いません?
私もご依頼者の方から聞いた話しではあるのですが、警察はそうしたパスワードを外すことができるそうです。そうでもしないと捜査に影響するでしょうから、考えてみれば出来て当たり前でもありますよね。
ですので、孤独死現場などで発見されたスマートフォンなどはロックが掛かっていたとしても警察はそれを解除して事件性の有無を確認した後にご遺族に返却してくれることになります。
あっ、だったら故人がパスワードを掛けていたとしても警察で解除してくれるならスマホの中身も家族で確認できるじゃない、良かった良かった!と思うところなのですが、実はそうではなく遺族に返却される際には原状復旧されているらしく、スマホもロックが掛かった状態で返却されるそうです。
え~、せっかくスマホのロック外したのなら外したまま返却してくれればいいのにと思わないでもないですよね。(警察のパスワード解除がパスワードを探してあてるのか、それともパソコン上でスマホの内容が確認できるようになるだけで、パスワードはそのままなのかはわかりませんが、、、)
家族としてはスマホにどんなデータ、特にスマホで株やFXなどの取引をしていたような場合は日々市場は動いているわけで時間が経てば経つほど状況が変わります。
財産が増える方向で変動していれば良いですが、マイナス方向に動いている可能性だってあるわけで、それはスマホを確認してみないと分からないということになったらご家族にとっても相続における一大事ということになりかねません。
もちろん警察はパスワードを解除するための機関ではないですから、無茶なお願いはできませんが、せめて返却する際に解除したままで返却するかしないかのご家族の意向を確認した上で対応してくれると家族の方も困らなくて済むのにと、ちょっと警察のいけずと思わなくもありません。(笑)
今後ますますこうしたデジタル遺品と呼ばれる分野は複雑になってくると思われますので、一般企業のサービスだけでなく公的機関での対応もお願いしたいところですね。