第八ブログ

2020.09.11

事故物件で必要となる合意書についての解説

おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

まだまだ残暑が厳しいですが、来週くらいからはだいぶ秋の気配も出てくるようで朝晩は涼しくなってきそうですね。ついつい、いつもの癖でエアコンをつけっぱなしで寝てしまいまうこともあるでしょうが、寝冷えしないように気をつけていきましょう~。

さてさて、本日のお題は「賃貸物件での事故が起きた際の合意書の作成について」です。そもそも合意書って何?と疑問に思われるかとおもいますが、簡単に言うと当事者の口約束を書面にした物となります。

合意書は契約書と違って、取引以外の場面でも作成されるもので、契約書ほど事細かな決め事をしないようなケースや契約書に記載のないことを後から追加するような場合に使用されたりします。

こうした当事者同士の約束を比較的簡易な形で書面でしたのが合意書となりますが、この合意書が近年問題になっている「賃貸物件で発生した孤独死や自殺」といった、一般的に「事故物件」と呼ばれる状況の解決に一役買っています。

「事故物件」と聞くと、最近は亀梨くんの主演の映画を思い浮かべる方もいるかと思いますが、一般的な定義としては、自殺や殺人といった、人が忌避するような事件が起きた不動産となります。

私の専門でもある遺品整理の現場においても、賃貸物件で起きた孤独死や自殺、殺人、火災現場などは一般的には事故物件とされるケースが多いでしょう。

賃貸物件で事故が発生した場合は、部屋を片付ければ「はい、終了!」とはならず、遺品整理などを行った後も、大家や管理会社と遺族間では様々な問題を処理していかなければいけません。
典型的な問題をあげるなら、次のようなものになるでしょうか、
・原状回復の範囲や負担を誰が負うのか
・逸失利益等の損害賠償は遺族に請求できるのか
・隣室や階下からの苦情の対応はどうするのか
・相続人が相続放棄してしまったらどうなるのか

など、賃貸物件で孤独死や自殺といった問題が起きてしまうと、大家にとっては非常に頭が痛い問題ともなります。

反対に遺族側としても、大家から多額の原状回復費や損害賠償といった請求が来てしまうという問題で頭を悩ますことになります。

こうした問題は何もここ数年で生じた問題ではなく、何十年も前から起きている問題ではあるのですが、20~30年前に比べて、少子高齢化、単身世帯の増加、賃貸借契約の契約形態の変更などが主な要因となって、近年その問題が顕在化してきたとも言えます。

少子高齢化、単身世帯の増加が孤独死の増加に繋がるというのは過去にも何度も説明してきたところですが、今回は合意書の需要増加について関係性が深い賃貸借契約の契約形態の変更についても少し触れておきたいと思います。

少し前の賃貸借契約は、大家と借主が賃貸借契約を結び、その契約の保証人として、親族などが連帯保証人として大家と連帯保証契約を結ぶというのが一般的でした。

そうした場合、借主である本人が自殺などした場合は、賃貸物件に生じた汚損や損害等の弁償については連帯保証人が大家に対して責任を負うことになっていました。

遺品整理のケースで過去に何度となく取り扱ったケースで言えば、新社会人がひとり暮らしをするために賃貸契約を結び、その連帯保証人に父親がなっているといったケースでしょうか。

こうした場合、新社会人であるお子さんが借りている部屋で自殺してしまうと、それによって発生する損害は親であり、相続人でもある父親が負担する責任があるということになります。

これは、相続で良くきく「相続放棄」をしたとしても、親御さんは大家との間で「連帯保証契約」を結んでいる為、相続放棄によって相続人としての責任は負わなくなっても、連帯保証人として責任を負わなければいけないということになります。

ただ、最近の賃貸借契約の7~8割近くは上のような、連帯保証人がいる契約ではなく、家賃の保証会社を使用した契約が主なものとなってきているのが実情です。

連帯保証人ではなく家賃の保証会社が契約主体になるとどう変わるかというと、多くの場合は賃貸借契約において「連帯保証人」がいらなくなります。

なぜなら、家賃の不払いなどに備えて家賃の保証会社を入れているわけで、そうであるならあえて、連帯保証人を設定する必要がないし、連帯保証人を付けられない人にとってはそちらの方が契約がしやすいからです。

そうした、家賃の保証会社を使用し、連帯保証人がいない契約が増えてくるとどうなるのかというと、万が一事故が起きた際に、家賃以外で発生した損害を誰が負担するのか?という問題が発生してきます。

家賃の保証会社にも種類がいくつもありますし、万一室内で孤独死や自殺が起きた際に使用できる保険などもありますので、一概には言えませんが、一般的な話しをするなら、未払い家賃については保証会社が負担し、それ以外の部分については相続人が負担するということになります。

ただ、上で書いている通り、家賃の保証会社を利用した賃貸借契約では基本的に家族などの相続人は連帯保証人にはなっておらず、最悪「相続放棄」をすることで全ての責任を回避することが可能となります。

つまり家賃の保証会社の範囲が家賃だけであり、事故に備えた保険等に加入していない大家さんとしては、相続人全員に相続放棄されてしまうと、孤独死や自殺で発生した損害を誰にも請求できなくなってしまうという訳です。

こうなってしまうと大家さんとしては、所有物件の価値は下がるは、その損害の補填はしてもらえないはで、まさに泣きっ面に蜂状態です。

ただ、そうした状況であっても、必ずしも全てのケースで相続人が相続放棄するとは限りません。日本人の性質とでもいいましょうか、こうした事故が起きたようなケースであっても「なるべく大家さんには迷惑をかけないように」と考えている遺族の方は非常に多く、「相続放棄したから後は知りません!」という方は意外と少なかったりします。

もちろん、故人と遺族の間の関係もありますので、何十年も会っていない叔父や叔母の遺品整理だったり、子供の頃に離婚した両親の遺品整理などでは、疎遠な関係や長年積もった感情などから「一切関わりあいたくない!」と相続放棄で終了してしまうケースもありますが、、、

そうした、なるべく大家さんに迷惑を掛けたくないという状況では、どのように遺品整理などを進めていけばいいのか?ということになるのですが、ここで活躍するのが「合意書」となるわけです。

なんか前置きがやたらと長くなってしまいましたが、賃貸物件で起きた孤独死や自殺といった事故の場合、遺族が取れる手段としては、

①相続をした上で遺品整理を行う
②相続放棄をして一切関わらない
③相続放棄をした上で遺品整理も行う

という主に3つの選択肢になってきます。

相続した上で遺品整理を行うなら、故人の財産を受け取った上で、原状回復費なども支払っていくという相続の一般的な流れとなります。

相続放棄をして一切関わらないとするなら、故人のプラスの財産は一切貰うことはできなくなりますが、原状回復費や損害賠償といった負債も一切負わなくて済むので、故人が借金などの負債を抱えているようなら、この方法が一番安全とも言えます。

相続放棄をした上で遺品整理も行うというのは、一見矛盾しているようにも感じるのですが、相続放棄をしたからといって遺品整理をしてはいけないというわけではないですので、なるべく大家さんに迷惑をかけたくない、故人が住んでいた部屋だけは家族の責任で片付けをしておきたいといった場合に取られる方法です。

合意書が活用されるのは主に①と③の場合で遺品整理を行う場合です。

事故物件で遺品整理を行う際の注意点としては、遺品整理後に予想される大家との話し合いで予想外の事態に巻き込まれないようにすることです。

事故物件での遺品整理では最初にも述べた通り、様々な問題が大家と遺族の間で発生いたします。

原状回復の問題ひとつとっても、どこからどこまでが今回の事故に関係する部分なのか、大家は遺族にどれだけの部分を請求するのか、遺族はどこからどこまでの負担をすれば解決となるのかなど、問題は多岐に渡って出て
きます。

連帯保証人がいる契約なら大家としても大きく出る事ができますが、最近主流の連帯保証人がいない契約では大家があまり大きくでてしまうと、相続人が面倒を嫌って「相続放棄」をしてしまうということも十分考えられます。

ですので、大家としては、相続放棄されない範囲でなるべく相続人側にも負担してもらいたいと考えますし、遺族側としても、なるべく大家側に迷惑をかけたくないとの思いから、出来る限り協力したい、けど自分達の生活に影響が出てしまうのも困ると考えています。

また、相続人側の問題として、「相続放棄」をしてしまうとプラスの財産も貰えなくなってしまうという点もあります。

以前は孤独死や自殺といった事故が発生した場合、故人は生活保護を受けていたり、借金で首が回らなくなっているなど財産的にはあまり余裕がない方が事故の主体となっていることがほとんどでした。

しかし、最近はそうした生活苦や借金苦などで亡くなったケース以外にも、裕福な方がひとり暮らしを楽しんでいて、結果的に孤独死してしまったということも珍しくなくなってきました。(芸能人ですら孤独死する時代ですしね)

そうした場合、相続人としても「相続放棄」をしてしまうと故人の財産を引き継げなくなってしまうため、相続放棄は出来ればしたくないと考えます。

ただ、大家側からの請求も無制限に応じる程の余裕はなく、故人から引き継ぐ財産の範囲で収まるなら、その範囲で原状回復費等の支払いをすませておきたいと考えるのは自然なことでしょう。

では、どうすれないいのか?というと。本日のお題でもある「合意書」を作成すれば安心ですよということです。

合意書は最初にも述べた通り、当事者間の口約束を書面にした物となります。賃貸物件でいうなら、大家と相続人の間での話し合いの結果を書面にしたものとなります。

例えば、事故が発生した物件の大家と遺族の間で、原状回復の範囲や費用を事前に話し合って、遺族側は大家に〇円支払えば、大家はそれ以上の請求は一切しませんという約束をしておき、それを書面で残しておくということです。

合意書それ自体には何かを強制する力はありませんが、もし合意した内容と違う事を相手方が主張してきた場合には、強力な証拠能力を発揮することとなります。

つまり、裁判などで第三者が仲介する場合にどちらの主張が正しいのかを判断する上で強力な一手となるわけですね。

賃貸物件での事故の場合は、他の訴訟と違い大家も遺族側も相手にギャフン!と言わせたいなどどは考えておらず、できる限り穏便に解決したいと考えているケースがほとんどです。

ですので、本来は口約束でも十分な問題を念の為にと合意書を作成するケースも多くありますが、やはり、書面という形で目に見える形で残っていることが当事者の安心に繋がりますし、なにより合意書に署名捺印した以上はその内容を守ろうとする意識が働きますので、お互いが問題の解決に向けて進んでいるという実感が沸いてきます。

また、合意書の効果として注目したいのが、相手方がどれだけ真剣に約束を守ろうとしているかの判断材料となるということ。

私たちのような士業が合意書を作成する場合は、今後発生する様々な問題を予測して、そうした問題が出てきても対応できるような項目を合意書に盛り込んで作成いたします。

ですので、当事者同士の口約束では簡単に了解が取れていたのに、いざ文章にしてみたら「いや、そういうつもりではなかった、、、」という事が出てきたりします。

そうした場合に、再度お互いに話し合いをして話がまとまるならいいのですが、細かく話しを詰めた結果、話しがまとまらないということも当然でてきます。

つまり、口約束ではお互いが「たぶん相手はこういうつもりだろう」とふんわりと考えていた部分が書面でカチッとした形で表現されることで、思い違いをしていたことに気づくということです。

そうした思い違いに気づいた結果、合意書は結べなかったということも起きてきますが、それはそれで、お互いが譲れない部分を不明瞭な状態にしたままで、手続きを進めなくて済んだということになります。

つまり、合意書には合意書が無事作成できたことによってもたらされる効果と、合意書が結べなかった事による問題部分を発見するといった両方の意味で作成する意義があるということになります。

特に賃貸物件で起きる事故については、大家との間に管理会社が入っていたりするケースもありますので、管理会社はこう考えていたけど、大家はそう考えていなかったなんて事もあります。

そうした、意識のズレを修正する上でも、事故物件の当事者となってしまわれた方には当事者間で話し合いがまとまった段階での合意書の作成をお勧めいたします。


遺品整理や合意書の作成に関するご相談はいつでもお受けしております。

合意書の作成支援について

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