名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2020.10.15

遺言で遺留分を廃除できる?

おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。

台風も過ぎ去り名古屋は快晴が続いておりますが、ちょっと暑く感じることも。気温の乱高下で血圧もジェットコースターになってしまい体調を崩される方もいるかと思います。お気をつけくださいね。

さてさて、本日は死後事務委任でよくある相談の話しです。

死後事務委任契約をご利用される方の多くが、自分の死後の手続きを任せられる親族がいない、またはいても「頼れない」、「頼りたくない」、「迷惑をかけたくない」といった状況にある方々です。

最近は「終活」の影響もあり、別段家族間の仲が悪いわけではないけれども、遺される家族にできるだけ負担をかけないようにという「心遣い」から敢えて死後事務委任契約の利用を検討される方も増えてきています。

ただ、そうした家族仲が良好でも、死後の面倒な手続きは第三者へという方が増える一方、過去の相続トラブルなどで親族間に亀裂が入ってしまい、死後の手続きでも頼りたくないからといった方々も依然と多い状況かと思われます。

特に最近は権利意識の高まりから、「長男相続」や「嫁に出た女子は相続権を主張しない」といった数十年前は当たり前に感じてきたような考え方もすたれてきていますので、自分の相続分は確保する!

場合によってはご主人の両親の相続に嫁が口出しをして「争族」へ発展してしまった!なんてケースも最近は珍しくはないですよね。

そうした状況下で、死後事務委任契約を考えていらっしゃらる方からの相談で多いのが「あいつには財産を渡したくないのですが、なんとかなりませんか?」というご相談。

つまり、仲が悪い相続人へは自分が築きあげてきた財産は渡したくない。財産を渡さない以上は自分の死後の手続きを任せても嫌々されるだろうから、文句を言われながら葬儀の手配などされる位なら自分の死後の手続きは信頼できる専門家へ事前にお願いしておき、後腐れなく旅経ちたいという考えです。

もちろん、死後事務委任契約はこうした親族以外が死後の手続きを進めるために事前に準備しておく契約ですので、信頼できるご友人や専門家と事前に契約を結んでおくこで、ご自身が望む通りの方法で死後の手続きを完了させることができます。

ただ、「財産を一切渡さない!」これができるかどうかは、誰が相続人になるのかによって状況は異なります。

最近増えている兄妹相続。故人は未婚でお子さんもおらず、両親も既に他界、相続人としては兄妹がいるだけという状況でしたら「遺言書」を用意しておけば、ご自身の財産は自由に処分できますし、後から他の兄妹から「遺留分(相続人として最低限保証されるべき相続分)」を請求されることもありません。

しかし、相続人が「配偶者」、「子」、「両親」といった場合は相続人は「遺留分」と呼ばれる相続人として最低限受け取ることのできる相続分が法律によって保証されており、たとえ「赤十字へ全額寄付する」という内容の遺言書を作成していたとしても、相続発生後に相続人が遺留分を主張した場合は、遺留分の額だけは取り戻されてしまう可能性があります。

ですので、「あいつには財産を渡したくない!」と考えていたとしても、渡したくない相手が誰なのかによって、対策を考えないといけなくなるといわけです。ただ遺留分はかなり強力な制度でもありますので、その対策は容易ではありません。

ひとつの方法としては、「推定相続人の廃除」という方法があります。これは、生前でも遺言でもできる対策のひとつではありますが、上で述べた最低限の相続分割合(遺留分)を有する相続人を相続人から廃除するというものです。

つまり、推定相続人の廃除が認められれば、「あいつには財産をわたしたくない!」の相手方が例え遺留分を有する相続人であっても、そもそも相続人では無い(相続人の廃除)
ということになりますから遺留分も主張できなくなるというわけです。

「え、そんな便利な方法があるなら是非利用したい!」となりそうなものですが、先ほども述べた通り遺留分はかなり強力な権利でもありますので、「あいつを推定相続人から廃除する!」と宣言するだけでは認められません。

推定相続人を廃除するには、推定相続人の廃除を家庭裁判所へ請求する必要があります。この請求は、生前でなくても遺言で行うことも可能ですので、遺言で財産を渡したくない相手を推定相続人から廃除する意思を記載して、遺言執行者を指定しおくことで、自分の死後に推定相続人廃除の手続きを進めることも可能です。

ですので、生前に推定相続人の廃除の手続きをすると相手方から嫌がらせや報復を受けるという心配があるのなら、遺言でしておくという方法も取れるわけです。

では、遺言に推定相続人廃除の意思を記載しておけば必ずその相手方を相続人から廃除できるのか?というと必ずしもそうではありません。

推定相続人の廃除を家庭裁判所が認めるにあたり、下記のような要件があります。
・遺言者に対する虐待
・遺言者に対する重大な侮辱
・推定相続人本人に著しい非行

たとえば、遺言者に対して度々暴力を振るったり、遺言者を精神的追い詰めるような発言を繰り返したり、窃盗などの犯罪行為を繰り返して遺言者がその被害を補填していたなど、相続財産を受け取る人間としてはあるまじき行為をしているような事を度々しているような場合に「推定相続人の廃除」が認められることとなります。

つまり、「過去の相続でトラブルになって疎遠になった」、「病気で入院しているのにお見舞いにすらこないなんてけしからん!」といった程度のことでは「推定相続人の廃除」は認められないという訳ですね。

ただ、人によっては「夫婦間で日常的に家庭内暴力があった」「放蕩息子がギャンブルにはまり金の無心を繰り返した」「暴走族になって他人に迷惑を掛けていた」などといったケースもあるでしょう。

推定相続人の廃除が家庭裁判所で認められるにはハードルは高いかと思われますが、廃除するのも致し方なしとなるような理由がある場合は、生前または遺言で「推定相続人の廃除」を検討しておくのも「遺留分」対策のひとつの方法かもしれません。

当事務所では死後事務委任契約のお手伝いをさせて頂く場合は遺言書もセットで死後事務委任契約を考えていきますので、こうしたご相談もお受けしております。

死後事務、遺言でのご相談があれば第八行政書士事務所までお気軽にご相談くださいね。

死後事務委任契約って何?

死後事務委任契約とは死後に必要とされる手続き、たとえば、葬儀、納骨、役所の手続き、未払いの入院費用の清算、遺品整理等、一般的にはこれまで親族が行ってきた手続きを信頼できる第三者にお願いしておくという契約です。

死後事務委任契約について詳しく知りたい方は「
死後事務委任契約について」をご参照ください。

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