口座凍結の際のお金の引出しに関する疑問
口座が凍結されると一切お金は引き出せなくなる?
口座が凍結された場合でも引き出す事ができる場合があります。
故人の口座が凍結されると困るのが「葬儀費用」「当面の生活費」「公共料金の引落とし」ですね。
長期入院の末に亡くなった場合などは事前に当面必要と思われる費用を下しておくことも出来るでしょうがそうそう準備できる場合ばかりではありません。
この点を考慮して、令和元年7月1日より新しい制度が始まりました。この制度は「遺産分割前の相続預貯金払戻し制度」といい、口座が凍結してしまっているような場合であっても、相続人の単独の申出だけで銀行等に対して故人の預貯金の一定額の払戻しを請求できるという制度です。
相続人の単独の申出だけで手続が可能ですので、例えば遺産分割協議がまとまらかったり、相続人同士が疎遠で協力を得られないようなケースであっても、相続人のおひとりからの申出で手続を進めることができ、葬儀費用や当面の生活費といったある程度まとまったお金の払戻しを受けることが可能となりました。
この制度に利用にあたっては払戻しできる限度額や一定の書類を集める必要があります。当事務所では、依頼者の方に代わり手続の代行を行っておりますので、詳しく「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」をご確認ください。
銀行で提出を求められる書類の一般的なものは下記の通りです。その他の書類については各銀行に事前にご確認ください。
銀行預金の場合
1、故人の除籍謄本又は戸籍謄本(法定相続人がわかるものが必要)
2、法定相続人全員の戸籍謄本
3、故人の預金通帳・届出印・キャッシュカード
4、手続きされる方の身分証明書
5、手続される方の印鑑証明書
※1~2は法定相続情報一覧図でも可
注意が必要なのは公共料金やクレジットカードなどの自動引き落としになっているものです。口座が凍結されてしまえば、自動引き落としにしてある公共料金も支払われなくなりますので、そのまま放置すると最悪、電気停止、水道停止などになりかねません。
凍結された口座が公共料金の自動引き落としで使用している口座ならなるべく早期に各公共料金の支払い通知書に記載されている窓口へ連絡して支払先の変更の依頼をしましょう。
また、クレジットカードなども放置すれば延滞料金などが発生してきますので、こちらもなるべく早く各カード会社へ連絡して手続きを取るようにしてください。
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