名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2018.11.18
法定相続情報証明制度を銀行で利用してみた
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門の第八行政書士事務所の谷です。
昼間は気温も高くこの時期としては比較的過ごしやすい名古屋ですが、先日部屋の掃除のついでにコタツの設置を完了してきました。冬はエアコンもいいですが、コタツに入ってダラリとするのも冬の醍醐味ですよね。
さてさて、たまには遺品整理以外の仕事もしていますよということで、先日、いつもお世話になっている税理士の先生より故人の相続関係図の作成の依頼と法定相続情報証明制度の一覧図の作成および故人の所有する各銀行で残高証明の取得のご依頼を頂きました。
お客様より委任状をもらい、さっそく戸籍の収集と法定相続情報証明制度利用の申請書と一覧図を作成して名古屋法務局の熱田出張所へ提出。特に補正などもなく二日程で一覧図もできあがり、出来上がった一覧図を持って各金融機関へと向かいました。
平成29年に法定相続情報証明制度が開始しましたが、開始当初は金融機関等での取り扱いについては各銀行でご確認くださいといった感じで、制度開始当初は一覧図を受け付けてくれるか心配だったと記憶しており、今回はどうかな?と思いつつ念の為、故人の出生~死亡までの戸籍も持参していきました。
今回は都銀、地銀、信用金庫、ゆうちょ銀行と併せて9行ほどありましたので、法定相続情報一覧図も法務局で9枚発行してもらいました。
法定相続情報証明一覧図は必要枚数なら無料で発行してもらえますので、相続手続きを郵送で行う場合でも他の銀行の解約手続きなども同時に出来ますので非常に便利ですよね。
最初はゆうちょ銀行にて法定相続情報一覧図を提示、戸籍の確認なども必要なく一覧図だけで受付してくれました。
次ぎに信用金庫に一覧図を提示、これも問題なく受付完了。最後に都銀と地銀の各銀行に一覧図で申請。これまた問題なく受付してくれました。
結果として、今回伺った金融機関ではどこも「法定相続情報証明一覧図」だけで受付をして頂け、特に別途故人の出生~死亡までの戸籍を提出して欲しいとは言われませんでした。
こうして見ると法定相続情報証明制度も浸透しているのだなと実感するところであります。むしろ、出生から死亡までの戸籍ではなく、一覧図で提出した方が銀行の窓口では喜ばれたような感じさえします。
法定相続情報証明制度が開始されるまでは、銀行の窓口で相続人の確認書類として、故人の出生~死亡までの戸籍の提出が必ずといっていいほど必要となっていました。
ただ、故人の出生~死亡までの戸籍と一口で言っても、相続人の状況や本籍地の移動(転籍)の状況によっては、集める戸籍の数は結構な量に及ぶこともしばしばあります。
この故人の出生~死亡までの戸籍を集めるのは慣れない遺族にとっては結構大変な作業であり、戸籍を揃えるだけでも一苦労するのものです。
そしてこれらの書類を確認する銀行サイドとしても、古い手書きの戸籍を読み解き相続人を確認し、証拠資料として全ての戸籍をコピーしてと確認作業でもまた一苦労発生するという、手間の掛かるもので、ひとつ銀行の解約手続きだけでも窓口で数時間待たされるということも珍しくありません。
しかし、法定相続情報証明制度を利用することで、相続人の調査は法務局で既にチェック済みで、それを証明する一覧図には法務局の印が押されてあり、相続人の確定については法務局の御墨付き状態です。
ですので、銀行サイドとしては一覧図に書かれている相続関係を信用すればよく、またこれまで何十枚にも及ぶ戸籍をコピーするのに掛かっていた時間も一覧図をコピーするだけですので、銀行側の業務も激減して作業も非常にスピーディーになります。
そうした事を考えれば窓口に戸籍の束を持っていくよりも、法定相続情報証明制度を利用した一覧図を用意して持っていった方が銀行としても確認が楽に早く処理できますので戸籍の束を渡すより一覧図だけを渡す方が喜ばれるのも頷けます。
なにより、銀行側の確認が早く終わるということは、依頼者側の待機時間も短くなるということですから、まさにWIN-WINな状態ですよね。
ただ、法定相続情報証明制度の利用で注意して欲しいのが、法定相続情報証明制度を利用すれば故人の出生~死亡までの戸籍を集めなくても良くなるという訳ではないということです。
法定相続情報証明制度については「法定相続情報証明制度って何?」で詳しく解説していますが、この制度を利用して法務局から相続人の関係図が書かれた一覧図を取得するには、故人の出生~死亡までの戸籍を一度は集めて、それを法務局へ申請書と作成した一覧図と共に提出する必要があります。
つまり、相続人が一度は故人の出生~死亡までの戸籍など、相続人の確認に必要な戸籍を全て集めて、相続人側で相続関係を示した一覧図を作成し、その戸籍と一覧図を法務局へ申請書と一緒に提出する作業が必要となる訳です。
ですので、相続が開始したからと言って、法務局で「銀行等で利用できる相続関係を示した一覧図を下さい!」と言っても、貰えるものではないということです。
一覧図を貰う為には、戸籍を集めて、ご自分で又は行政書士などの専門家に依頼して一覧図と申請書を作成し、法務局へ提出。
法務局側で提出された戸籍と一覧図を確認して問題なければ、それに法務局で確認していることを示す印鑑が押されるという流れですね。
(一覧図)
ですので、故人の相続財産が銀行2~3行分しかないといったケースの場合ですと、わざわざ一覧図を作成しなくても、これまでどおり戸籍を銀行に持参して手続きをしてしまった方が法務局での手続きをしなくて済む分、早く済むことも十分ありえますので、手続きで悩んだ場合はお近くの専門家にご相談してみてくださいね。
名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂
第八行政書士事務所は名古屋を中心に遺品整理・死後事務のご相談を受け付けております。
その他の地域にお住まいの方でも遺品整理や生前整理、相続相談、死後事務に関するご相談は随時お受け致しておりますのでお気軽にご相談くださいね。
法定相続情報証明一覧図の作成のお手伝いをいたします。
第八行政書士事務所では法定相続情報証明制度を利用した一覧図の作成(相続関係図作成)の代行を致します。
依頼の内容としては、
①故人の出生~死亡までの戸籍の代行取得
②法務局へ提出する申請書・一覧図の作成
③法務局への申請書・一覧図の提出、受取りの代行
となります。
※仕事の関係で平日に役所へと赴くことが出来ない場合など、戸籍の取得から法務協への申請まで全てご依頼者に代わって行います。
法定相続情報証明制度一覧図作成に関する報酬について
手 続 き 内 容 | 料 金 | 備 考 |
---|---|---|
法定相続情報証明一覧図作成代行 | 20,000円 | 申請・受取含む |
戸籍の代行取得 | 10,000円 | 相続人が兄弟姉妹の場合は加算あり |
そ の 他 | 実 費 | 戸籍の発行手数料等必要な実費 |
金融機関等の解約手続代行いたします
法定相続情報一覧図を作成し利用する目的の主な物が「不動産の名義変更」「預貯金の解約」「税務申告」となります。第八行政書士事務所では、提携の司法書士及び税理士によって不動産の名義変更や税務申告そして、預貯金の解約の手続の代行も行っております。
法定相続情報一覧図を作成するついでに、それらを利用した各種手続きの相談も一緒にしてしまいたいという場合はいつでもご相談くださいね。