名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2019.09.06
ゆうちょ銀行の相続手続についての小ネタ
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清清掃専門第八行政書士事務所の谷です。京急とトラックの事故が大変になことになっていますね。これ以上被害が大きくならないことを願っています。
今はそれほどでもないですが、以前、遺品整理専門会社に勤めていた際はほぼ毎日トラックを運転していました。遺品整理では資材の搬入や買取品の回収などで必ずトラックを使用していましたので、こうした事故を目の当たりにすると自分も注意をしなければと思います。
トラックを運転する立場から見ると、あの狭い路地から左折、右折どちらにもいけないという状況はかなり焦る状況かと思います。トラックの後ろから別の車がきていたとしたら、もう泣きたい状況ですよね。
後続車がいなければロングバックという手段もありますが、遺品整理の現場のように助手席に誰か乗ってくれているような状況なら、誘導もしてもらえると思いますが、配送業務のようにひとりドライバーだとそれも難しいですから、ロングバックはかなり神経が擦り減ることでしょう。
今回の事故ではドライバーの方が亡くなってしまわれたようで、ご冥福をお祈りいたします。トラック以外の車を運転される方も踏み切り近辺では注意して走行するようにしましょうね。
さてさて、本日は遺品整理ではなく、遺産整理の小ネタをひとつ自分の業務の備忘録も兼ねて書いておこうと思います。
相続が発生した際にまっさきに確認するのが、故人の預貯金かと思います。各種銀行口座やゆうちょ銀行などですね。この中でゆうちょ銀行はちょっと手続が他と違うという話し。
先日のブログでも書きましたが、ゆうちょ銀行では取り扱い窓口によって対応が変わったり、大きな窓口ならすんなり受け付けて貰えた相続手続が、小さな局だとまったく受け付けてもらえないなんて事もあり、他の銀行さんみたいに対応が統一されていなかったりします。
そんなゆうちょ銀行で故人の口座の解約を代理で行わせて頂くことがありますが、その際に確認するのが払戻しの方法です。
一般の銀行の場合ですと故人の解約したお金を相続人が所有する指定の口座へ振り込んでもらうことが可能です。例えば、故人がUFJ銀行に口座を持っていて、相続人が三井住友の口座を有している場合は故人の相続財産たるUFJ銀行にある残高を相続人の所有する三井住友の口座へ直接振り込んでもらうことができます。これは、銀行から銀行だけでなく、銀行からゆうちょ銀行へも基本的には可能です。
こうすれば、多額の現金を持って歩く必要もありませんし、相続財産の移動も口座間ではっきりしていますので、どういった形で相続財産が移動したのかがわかりやすくなります。
相続手続によっては、代理人の士業がいったん解約金を専用の口座に移したり、相続人の代表者が他の相続人が受け取る分も併せて一括で受け取ることもありますから、金額がはっきりと通帳で確認できる事には大きな意味が出てきます。
ただ、ゆうちょ銀行の場合、故人の通常貯金や定額貯金を相続人が受け取る場合、相続人もゆうちょ銀行を持っていないと振込みでは対応してもらえません。
つまり、相続人がゆうちょ銀行ではなく、UFJや三井住友のような一般の銀行しか口座を持っていない場合は、銀行への振込みは行ってもらえないということです。めんどうですよね(笑)
銀行→ゆうちょ銀行は○
ゆうちょ銀行→ゆうちょ銀行以外の銀行へは×
では、相続人が一般の銀行口座しかもっていない場合はどうなるのかというと、相続による解約金はゆうちょ銀行から金券という形で郵送され、それを窓口へ持っていくと換金してもらるという流れになります。
ですので、遺産整理業務としての手続としては、相続人がゆうちょ銀行を持っていればそこへ振り込んでもらい、持っていないようなら金券での手続となるの二通りというわけですね。
では、こんな場合はどうでしょう。故人がゆうちょ銀行に「通常貯金」の口座を持っており、相続人が二人いたとします。相続人はそれぞれゆうちょ銀行を持っていた場合、相続による解約金は相続人それぞれのゆうちょ口座へ振り込んで貰う事ができるのか?
答えは、出来ない。です。
ゆうちょ銀行の相続担当の方へ問い合わせをしたところ、ひとつの口座を複数人で分けるようなケースの場合は、たとえ相続人の方々がゆうちょ銀行に口座を持っていたとしても振込み対応ではなく、金券発行による対応になるとのことです。めんどくさいですね(笑)
では、さらに突っ込んで聞いたことも載せておきますが、故人がゆうちょ銀行に「通常貯金」と「定額貯金」の二つを持っていた場合に、相続人Aが「通常貯金」、相続人Bが「定額貯金」を相続するとなったら、ゆうちょ銀行は相続人のゆうちょ口座へ振り込みで解約金を入れてくれるのか?
答えは、振込み対応可です。
この場合はそれぞれ別口座を別々の方が相続するということになりますので、解約時に指定すれば相続人のゆうちょ口座へ直接振り込みによって、故人のゆうちょ口座から解約金を入れてもらうことができるということです。
これは、担保定額貯金のように、通常貯金と定額貯金がひとつの通帳で管理されているようなケースでも同様の扱いになりますので、ゆうちょ銀行の通帳に通常貯金と定額貯金がセットになっている通帳(総合口座通帳)の場合でも当てはまるそうです。よければご参考にしてください。
今回のゆうちょ銀行の相続の際の小ネタでした。ゆうちょ銀行の担当の方から聞いた内容なので、もし解釈等間違ってる部分があればご指摘頂けると助かります。ではでは~。
ゆうちょ銀行解約に関する追記
解約金を相続人代表者が受け取る場合
郵貯銀行の解約金を相続人の代表が一括で受け取る場合はゆうちょ銀行の申請書にその他の相続人の実印の押印が必要。
代表で受け取るのではなく、金券でも良い場合は各相続人がそれぞれ窓口で申請すれば遺産分割協議書に従った形で金券が各相続人の住所に郵送される。
※代表で手続をする場合は相続人でも士業でも金券はまとめた金額で送られてくる。
士業が代理人として受け取る場合
相続人全員から受領に関する権限の記載のある委任状を貰った上、代理人として受領することは可能。代理人がゆうちょ銀行を持っていればその口座に入金してもらう事も可能。
代理人がゆうちょ銀行を持っていない場合は金券が代理人へ郵送されてくる。この際は遺産分割協議書に従った金券が分けて送られてくるのではなく、解約金をまとめた金券が送られてくるので、代理人はその金券を窓口へ持っていき、換金した後、それぞれの相続人へと分配する必要がある。
ゆうちょ銀行「貯金払戻証書」(金券)
ゆうちょ銀行の解約の際に解約金をゆうちょ銀行の口座へ振込む方法を取らなかった場合は、画像のような「貯金払戻証書」が送られてくることになります。
ご家族の代表者が手続きをされている場合は宛名が代表者になっていると思われますので、身分証明書と認印を持って郵便局の窓口へ行けば換金してもらえます。
※ 金額が大きい場合は事前に窓口に電話連絡してからいくとスムーズです。
士業が代理で貯金の解約手続きをしている場合は画像のように「〇〇様(故人氏名) 遺産整理受任者 〇〇(士業氏名)」のように、宛名が作成されて送られてくると思われます。
士業が解約金の受け取りも代行で行う場合は、窓口へ身分証明書と認印を持って窓口へ行けばいいですが、依頼者の方に払戻証書を渡して、依頼者自身で換金手続きをする場合は、裏面に裏書をする必要があります。
裏面には実際に窓口へ行かれる方の名前と、委任者としての士業の署名捺印(認印可)が必要となります。
士業の署名としては、宛名通りに「〇〇(故人氏名)遺産整理受任者〇〇(士業氏名)」のように記載することとなります。
※表面の署名捺印欄は窓口で受取人の方が署名捺印する箇所となります。
裏書の書き方については、お近くの大きな郵便局かまたはゆうちょ銀行の相続窓口へ電話で確認してみてくださいね。