名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2021.10.11

宅地建物取引業者により人の死の告知に関するガイドライン 策定

おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。なんか10月だってのに暑いですね!

そろそろソーメンの時期も終わりかなと思っていましたが、買い増しすることとなりました(笑)。10月に言うのもなんですが、秋バテに注意していきましょう!

さて、先日国土交通省より「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」策定の発表がありました。以前にもお知らせしたパブリックコメントにて意見募集されていた内容のものですね。

詳細は国土交通省のページ(
「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました)をご確認ください。

はじめて知ったという方もいるかもしれませんので、これはいったい何かというと、これまで不動産取引上あいまいになっていた、一般的に「事故物件」と呼ばれる不動産取引(売買・賃貸)の取扱いに関する一定の指針と呼べるものです。

国土交通省では、賃貸物件の退去の際のガイドライン「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も出していますが、これとは異なる物となります。

事故物件とは、一般的に「自殺」「他殺」「火事(焼死)」「孤独死」など、普通の方々がその家を買ったり、借りたりする場合に、気持ち的に「ちょっと気持ち悪いな、、」(心理的瑕疵)と思うような事故や事件が起きた不動産のことを指します。

一般の方としたら、事故があった部屋と何も起きてない部屋ふたつがあった場合に、両方とも家賃の値段が同じなら、事故の起きていない部屋を選ぶのが普通ですよね。

そうした、不動産取引において、事故などの心理的瑕疵(気持ち悪いと思うような出来事)がある物件は他の何も起きていない部屋と比べて当然、商品価値が落ちることとなり、これは売り主や貸主にとっては経済的負担に直結することとなります。

そうした場合に、出来るだけ事故が起きたということを隠して売ったり、貸したりしたくなるのが売主や貸主の立場となりますが、反面、買主や借主としては、「そうした事情があるなら買わなかった(借りなかった)」といったように、不動産取引大きな影響を与える事情となります。

そのため、過去には事故が発生していたのに、買主や売主にその事実を告げずに(告知せず)取引を行い、後からその事実を知った買主等とトラブルに発展したということも起きています。

ただ、上でも述べた通り、事故物件の取扱いについてはこれまで統一的な見解や指針(ガイドライン)等が無く、不動産取引業者としても、伝えるべきなのか伝えなくても良いことなのかがはっきりとしていませんでした。

また、心理的瑕疵については、買主や借主の気持ちに左右され部分も大きく、人によっては気持ち悪く感じる事情も、他の人にとってはなんてこともない事情だったりと、画一的に処理することができるものではないことも、事故物件の取扱いを複雑にしている部分でもありました。

それらの絡み合った事情に対して過去の判例などを基にある程度の方向性をつけたのが、今回のガイドラインとなり、特に不動産取引業者にとってはバイブルともなりえるものとなるかもしれません。

一方で私がよく取り扱う賃貸物件で発生した事故に対してどの程度の影響があるかというと、告知義務が発生する事故がどうかのひとつの判断基準が示された部分としては大変大きいですが、貸主側と遺族側との原状回復に関するトラブル(金額的な面での交渉事案としての指針)としては、大きな進展はないといったところでしょうか。

告知の有無に関しては国土交通省の資料として下のような資料が発表されています。

ガイドライン1
ガイドライン2

基本的に、人の死に関する事案が発生している場合は告知する必要はあるとしつつも、例外として告知しなくても良い場合を今回のガイドラインでは定めています。

これまでは、室内で人が亡くなった場合は、それが病死のような自然死であっても、室内で人が亡くなったという事情を理由に多くの不動産会社では「事故物件」として、告知してきました。

これは上でも述べたように、心理的瑕疵というのは受け手側の気持ちに大きく左右される部分でもあり、少しでもトラブルの危険性があるようなら、告知する必要はないと思われる事案であっても「念のため」告知しておき、事前にトラブルの発生を防ぎたいという不動産会社の考えもあったかと思われます。

その意味では、明らかに事件性のない自然死や日常生活上の不慮の事故などは告知の必要はないとしたのは大きな目安となるかと思われます。

ですので、遺品整理の受付や相談電話などで聞くような、「家族の様子を見に行ったら亡くなっていた」「週に3回伺っているヘルパーさんが、亡くなっているのを発見した」などの、早期発見のような場合は告知は不要ということになります。

問題となるのは、遺体が腐乱してしまったようなケース。当然その部屋を再度募集できるようにするためには、大規模な修繕や特殊清掃が必要なケースも出てきます。

ガイドラインでは、自然死や不慮の事故の場合は原則告知は必要ないとしていますが、特殊清掃が必要となるほどの状況があった場合は3年程度の告知は必要としています。

では、特殊清掃とは何か?という部分が大きな問題となりますが、ガイドラインの中では「特殊清掃とは」の定義付けまではされていません。

私自身も特殊清掃は過去に何百件と行ってきていますが、特殊清掃は行う遺品整理会社それぞれで内容や範囲は異なり統一的な定義は存在しません。

血液の清掃をしたら特殊清掃、腐乱した遺体の後を処理したら特殊清掃、汚れなどはないけどオゾン消臭機などで死臭を除去するのが特殊清掃など、いろいろな考えがあると思われます。

そうした事情の中、どういった作業を特殊清掃と考えるかは事案の積み上げが必要となってくると思われますが、この点は遺品整理を行う業者としても注意を払っておく必要があります。

特に仲介業者さんから質問された際などに、安易に「特殊清掃を行った」と言ってしまうと、その一言で、その部屋は3年間程度の告知が必要となる事故物件とされてしまう可能性があります。

3年間の告知が必要となれば、貸主としては当然、賃料の減額等しなければならなくなり、大きな損害を受けることとなりますし、借主側の遺族としても、場合によってはその3年間分の損害を貸主側に補填しなければいけなくなる可能性が出てきます。

これまでは、見積書の中に特殊清掃という項目を作って見積りを作ってきたかと思われますが、今後はその作業内容をよく見極めて「特殊清掃」という言葉を使用しなければ、思わぬトラブルに巻き込まれることになるかもしれませんね。

遺品整理会社としても無関心ではいられない部分かと思われます。

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