香典に関する疑問
香典とは本来どのようなものなのか?
香典は相続財産?それとも喪主がもらってもいいもの?
最近は家族葬や近親者だけでの小さな葬儀も人気があり、あらかじめ香典不要とされて通夜や告別式が開かれていたりします。しかし、依然として通夜や告別式の時に香典や故人が好きだったお菓子などを持参してお見舞いにいくことも多いでしょ。
では、この「香典」とはいったいどのようなものなのでしょう。
香典とは仏式等の葬儀で、死者の霊前等に供える金品を指します。弔問客が香典を贈る趣旨は、死者を供養しあるいは遺族の悲しみを慰めるという意味もありますが、その本来の意味として遺族らが葬儀費用などを出費することに対する負担を軽くする為に贈る相互扶助の精神がその根底にはあります。
ですので、この相互扶助の考えから行くなら、香典は故人に対して贈られたものではなく、その故人の為に葬儀をあげる遺族の負担を減らす為に贈られたものと考えられますので、原則「相続財産」には当たらないとされています。
では、、実際のところ香典は誰が受け取るべきものなのか?
香典は遺族らの負担を減らすべく贈られていますので、葬儀を主宰する喪主に対して贈与されたものと考えられています。
ですので、葬儀を終えた後に香典が余ったとしても喪主はそれを他の相続人に分配したり、相続財産に持ち戻しをしたりする必要はありません。
相続財産とされる可能性のある香典や弔慰金などもあります。
上記で述べたように、香典は原則喪主に対して贈与されたお金と考えられます。
しかし、香典や弔慰金の中には喪主に対しての贈与ではないとされるものがあります。
たとえば、香典として渡されたとしても、香典を持ってきた人(贈与者)が、喪主に対してではなく、故人の残した未成年の子供や家族全体の今後の生活費にあてて欲しいといった、はっきりとした使途を決めて香典を贈ったような場合はもはや喪主に対して贈ったとは考えられませんので、その場合は贈与者の意思に従った個別の扱いをする必要があるでしょう。
また、弔慰金との名目で支払われた会社からのお金が、実際には故人の勤続年数などを加味して算出されているような場合は、それは「退職金」と考えられますので、先ほどと同様に喪主に対して贈られたものとは限りません。
したがって、その弔慰金の扱いは会社内で定められている方に贈られたものと考えるべきでしょう。
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