名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.09.25

祭祀財産を承継したくない!

 おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日の名古屋は久しぶりの雨で少し肌寒かったですね。

さて、遺品整理の現場でご遺族の方が困るものとして、家系図や仏壇、神棚、そしてご遺骨などの祭祀財産と呼ばれるものがあります。以前のブログでも「
ご遺骨は誰のもの?
」と題して遺骨の所有権は誰にあるのかを書きましたが、実際の遺品整理の現場では祭祀財産を引き受けたくないという方もたくさんみえられます。

家系図や仏壇、お墓などは祭祀財産と呼ばれ、土地や現金等の一般的な相続財産とは別に取り扱われます。(ご遺骨に関しては判例上祭祀財産に準じて扱うものとされています)基本的に祭祀財産を承継するのはお一人に限られます。なぜなら、他の財産みたいに相続人の共有としてしまうと、何度も相続を繰り返していく内に祭祀財産がバラバラになってしまうからです。

遺品整理のご依頼者が若い方の場合は仏壇や神棚などはご自宅に持って帰らずにそのまま処分に回される方もいます。仏壇や神棚などの引取りをご依頼された場合は現地での供養または合同供養を執り行ってから処分させて頂くことも可能ですが、ご遺骨はお引き受けできません。

そうなると誰がこの遺骨を引き取るのかでご親族間で揉める事がごく稀にあります。では実際に誰も引き取りたくない!となった場合はどうなるのでしょうか?

まず、祭祀財産の承継について、故人が祭祀財産の承継人を指定していた場合はその方が承継人とされます。この指定は遺言書などの書面に限らず口頭、黙示、明示を問わないとされています。

ですので、生前故人から「俺に万が一の事があったら先祖代々の墓はお前が守っていくんだぞ」とご長男さんが言われていたりしたなら、ご長男さんが祭祀財産の承継人として指定されたと考えれられます。

では、故人が生前にこういった行為をしていなかったり、死後も遺言などでの指定が無かった場合はどうなるのでしょうか?その場合はまず、その地方の慣習に従って祭祀の承継者が決められることになります。

ただ、地域によってはその慣習も明らかではない所もありますので、その場合は最終的に家庭裁判所での調停ないしは審判によって決せられることとなります。

もちろん、家庭裁判所が全ての相続家族の事を把握しているわけではありませんので、自動的に調停や審判が行われるわけではなく、祭祀財産の承継者指定の調停申立てがあって初めて、調停が行われることとなります。

ですので、ご遺骨を誰が引き取るのかで揉めた場合は最終的には裁判所に判断を委ねることとなるでしょう。

本当にごく稀なケースではありますが、遺品整理中にどこの誰かがわからないご遺骨や誰の遺骨かは判明していても遠い親戚でほとんど自分の家族とは関係の無い方のご遺骨であったりするとこういった問題が出てきます。

だからと言って、過去にあったようにバスや地下鉄の網棚に放置したり、ゴミとして処分したりはしないようにしてくださいね。場合によっては刑法によって罰せられる可能性もありますので絶対にしないでください。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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