名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.10.17

孤独死が起きた場合に家主が責任を負うことがある?

 おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

10月もなかばになり、だいぶ日が沈むのが早くなってきていますが、日照時間が短いとなんか時間を損しているような気がしますね

さて、今回は大家さんや不動産の管理会社さんが心配する話題を少し取り上げてみたいと思います。孤独死の増加が叫ばれる中、不動産経営ではもはやこの問題は避けては通れないと考えています。

これまでのブログでは孤独死が発生した場合の修繕費用の負担は誰が負うのか?や相続人や連帯保証人がいなかった場合はどうなるのか?などを書いてきましたが、今回は少し視点を変えて孤独死があった現場の隣室や階下の住人の行動についてです。

孤独死が起きた状況によっては遺体が腐乱し臭いや害虫が発生して隣室や階下の住人に影響を及ぼすことがあります。特に夏場の孤独死では死臭も酷く現場近くの部屋では臭いが漏れてきてとてもまとも生活は送れない状況となります。

こういった状況が発生した場合に問題になるのが、入居者への補償問題です。例えば、臭いや害虫の為にまともな生活が送れないので引越し費用を補償しろとか、衣類に臭いが付いたからクリーニング費用を補償しろなどといった問題です。

こういった請求が孤独死された方の遺族にされるのでしたら家主側に影響はありませんが、入居者によっては家主の管理責任を問題にして家主に請求してくるといった事例があります。

家主の管理責任とは一般的には入居者が居住するのに問題がないように建物を維持管理していくというものです。具体的には建物の手すりが壊れたならそれを交換したり、居室内の設備が故障したならそれを修理したりするというものです。つまり入居者が良好な生活を送れるように建物を維持管理する義務が家主にはあるということです、

ですので、孤独死が発生し、臭いや害虫の問題が発生した場合に、良好な生活環境が守られていないという理由で家主の管理責任を理由に補償を求めてくる入居者が出てくるというわけです。

では、こういった状況で家主側はその請求に答えなくてはいけないのか?というと孤独死が発見される前後の家主の対応次第といえるでしょう。

一般的な賃貸物件で家主や管理会社が毎日物件を見回るなんて事は現実問題として不可能でしょう。ですので、孤独死を察知して未然に防いだり、亡くなった瞬間に発見するなんてことは出来ませんので、その点で家主側が責めを負うということはないでしょう・

ただ、隣室の入居者や定期の巡回清掃員などから異臭がしたとか、ハエが大量に湧いていて部屋の様子がおかしいなどの連絡を受けていたのに、入居者への直接の確認や家族や連帯保証人へ連絡を取って様子を見てもらうなどのアクションを起こしていなかった場合は家主側の管理責任を問われる可能性があります。

もし、家主側の怠慢で被害が拡大し、その結果として隣室や階下の住人が退去せざる負えない状況になたと認められたのなら場合によっては家主がその責任を負わなければばらない可能性も出てくるでしょう。

孤独死が起きた場合の処置は時間との勝負になります。部屋の様子がおかしいなどの連絡を受けたのなら放置をせずに確認作業を行い、もし、孤独死が発見されたのならすぐに遺族や連帯保証人と打ち合わせをして一刻も早く部屋の清掃と消臭作業を行い被害が拡大しないようにしましょう。

また入居者の方から訴えられたような場合に備えて、事故が起きた場合は必ず取った対応について業務日誌などに記録を残し、家主としての管理責任を果たしている事が証明できるようにしておきましょうね。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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