名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2014.06.07
孤立死(孤独死)に対する偏見
!!?なんかボンボン!と外から聞こえる。なんですか~?と外を見たら大輪の華が咲いてました。そうです、花火です。事務所は名古屋の熱田区にあるのですが、熱田祭り(雨で花火は1日順延)の花火が打ち上げられていました。ちょうど雨と雨の合間を縫うタイミングで久々の花火を堪能していた名古屋の遺品整理専門の行政書士事務所第八行政書士事務所の谷です。夏の到来は近いですね。
- さて、本日は現場からみる孤立死・孤独死に対する偏見について少し書きたいと思います。
- 孤独死の現場では早期に発見された場合と発見が遅れる現場があります。
また、部屋の状況も普通の生活をされていたお部屋とかなり衛生状態に問題があると思われるお部屋も存在します。孤独死と言っても早期に発見されさえすれば単に亡くなった時に誰も傍にいなかっただけの自然死と変わりません。
しかし、発見が遅れた場合は遺体が腐敗し部屋の中も酷い状況というのがテレビなどで放送されるにつき、孤独死という言葉の響きと合わさって、孤独死=寂しい死に方といったイメージが定着してしまっています。 - 特に発見が遅れてしまうお部屋の特徴として多いのが衛生状態の酷いもの、有り体に言えばゴミ屋敷化してしまっているということです。
この状況をテレビなどで見ると一般の方は「掃除もしないだらしない人だ」「ゴミの中でも平気な人だ」「自立できてない人だ」といった印象を持ってしまいます。
確かに中にはそういった人もいますが、そうではない人、そんな悲しい現場で亡くなってしまった人の責任ではない現場も私はたくさん見てきています。 - まず、こうしたゴミ屋敷みたいなお部屋になってしまう大きな原因が日本の高齢化と認知症患者の増加です。今、日本では65歳以上の10人に1人が認知症と言われています。
認知症の患者の方は自分ではルールを守ってきちんと行動しているつもりなのに、実際はルールを守っていないということがあります。遺品整理の現場ではゴミ出し問題がそれにあたります。
高齢者ご本人はちゃんとルールを守って分別をして出しているつもりでもその方法が間違っており、ご近所から文句を言われてしまう。本人は決められた通りにゴミ出しをしているつもりですから、周りから苦情を言われれば当然いい気はしません。
そしてそんな事が何回も起きれば、近隣住民との付き合いも悪くなり、本人も文句を言われるくらいならゴミ出しをやめてしまおうということになり、結果部屋の中にゴミを溜め込んでしまう。
そして、近隣の住民もその高齢者を自分勝手なやっかいな高齢者と認識してしまい、その方との距離をあけて気にかけなくなってしまいます。
こうして認知症の高齢者は孤立や孤独を深めてしまっているのです。こんな方を「だらしない方」だから孤独死したのだ、と言えるのでしょうか?
似たような事例で、高齢で足腰が弱っているケースがあります。高度成長期に建設された各地の団地には5階でもエレベータが無く階段で昇り降りをしている場所がまだまだたくさんあります。
最近では建て直しも始まっていますが、依然その数は多いままです。当然、昔からそこに住んでいる住人の方には高齢者の方が多く。普段の買い物にも難儀されています。
私も仕事柄、膝を痛めることがあり、痛み止めのシップが手放せませんが、痛みが酷い時は本当に骨に響くような痛みで階段の昇り降りに恐怖すら感じます。
高齢者にとってはそれが日常のゴミ出しに影響してきます。荷物を持たない状況でさえ階段の昇り降りがつらいのですからゴミを出す作業も苦痛を伴います。そしてゴミ出しを避ける結果どんどん部屋にゴミが溜まっていく状況になり最後にはゴミ屋敷になってしまうのです。
さらに、部屋にゴミを溜めてしまう結果、自宅がゴミ屋敷になっているのを見られるのが恥ずかしく誰も自宅に呼ぶことが無くなり、せっかく誰か訪ねてきても追い返してしまったりと、最後には誰も気にかけなくなってしまう負のスパイラルに嵌ってしまうのです。
こうした、悲しい孤独死を少しでも減らすためにもまず、このような実情もあるのだと知って頂き、偏見に陥りそうになった際に思いとどまり、もしかして認知症なのでは?、もしかしてゴミ出しが大変なのでは?と周りの方が考えてくれるようになれば高齢者が孤独や孤立を深めて扉に鍵をかけてしまう前に社会との繋がりを維持するお手伝いができるかもしれません。
当事務所も影ながら活動していきたいと思います。
第八行政書士事務所は名古屋を中心に愛知・岐阜・三重での遺品整理・特殊清掃のご依頼を承っております。
その他の地域にお住まいの方でも遺品整理や賃貸トラブルなどのご相談は随時お受け致しておりますのでお気軽にご相談くだいさいね。
←ブログの内容が面白ければ1clickして頂けると励みになります!
にほんブログ村