名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.09.24

賃貸借時の根保証契約が変わる!?

 おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日は秋分の日でしたね、実家からおはぎの差し入れをもらい、スーパーに行ったら秋刀魚がデデンと並んでいたので思わず購入!味覚の秋最高です!

さて、昨日は相続人がいなくなると大家さんは大変です。という内容のブログでしたが、では連帯保証人さんに請求すればいいじゃないか!そのための連帯保証人だろ?と思われる方もいたことでしょう。

賃貸物件での自殺の例が良く取り上げられますが、賃貸物件で入居者が自殺した場合は入居者の使用義務違反とされ、部屋の原状回復費用や損害賠償の請求などが連帯保証人にされるケースがあります。

つまり、孤独死のように高齢による死亡や発作等による死亡などの入居者本人が意図していないような状況での死亡は入居者本人に故意や過失または使用義務違反となるような行為が無いため基本的には「自然死」扱いとなりますが、自殺の場合は入居者が部屋に損害を与えることを認識した上で自殺を行っていると考えられるため、原状回復や賠償の責任が発生するということです。

したがって、入居契約時に友人や知人に頼まれて連帯保証人になっていた方などが入居者本人の思わぬ行動により多額の賠償責任を負わされていることが多々あります。

なら、やっぱり孤独死のような場合は別として、少なくても自殺などの場合は連帯保証人に請求できるんだろ?と思われることでしょう。

確かに、今現時点ではそう考えても問題はないと思いますが、近い将来自殺の場合でも連帯保証人に損害賠償を請求できなくなるかもしれません。

これは最近耳にするようになった民法大改正の案の一つとして検討されている項目ですが、賃貸借契約時の根保証契約(連帯保証人のことと思ってください)について、連帯保証人が思わぬ負債を負わないように極度額(負担の上限のこと)を定めない場合は効力を生じないとする案が検討されています。

どういう事かというと、今現状の連帯保証人は入居者が1年でも10年でも家賃の滞納をしていた場合はそれを全額支払う義務があり、いざ事が起こってみないと自分がいくら負債を負うのかわ分かりません。つまり自分が負う負債の額を予測できないということです。

それを例えば家賃3ヶ月分までが連帯保証人が負担すべき範囲ですよと契約時に定める必要が今後必要になってくるかもしれないということです。

言い換えるなら、入居者に何かあった場合に最悪いくらまでは負債を負わなければいけないんだなと連帯保証人に予測できるようにするということですね。

では、この民法改正案が実現したらどうなるのか?というと。大家さんにとってはかなり経営が難しくなると思われます。

家賃の滞納などは入金チェックをしっかりしていれば対応も簡単ですので問題はないと思われますが、問題なのは予測できない入居者の孤独死や自殺です。

高齢者だから少し注意しておこうとかマンション全体で何かあった場合の連絡先を周知しておくなどの対策はできるかもしれませんが、それでも完璧に防ぐことはできませんし、まして自殺などは防ぎようがありません。

そんな家主にとっては不足の損害が生じた場合でも民法の改正案が実現すると、どれだけ損害が発生したとしても連帯保証人に請求できるのは契約時で定めた極度額までとなります。

つまり、損失が大きければ大きいほど家主側の負担割合が増えることになりますので、これからはいかに損失を少なく抑えるかが重要となってくるということです。

たとえば、事後か起きた際に損害を補填してくれる大家向けの保険に加入するとか、または事故が起きた際でも低費用でリフォームできる素材で内装を仕上げるなどですね。

超高齢社会の日本で賃貸経営を行っていくなら孤独死などの問題は避けて通れません。これはもう地震大国日本で地震は避けられないのと一緒です。

ですので、防災から減災に考えが変わってきているように、賃貸経営でも事故は起きる事を前提で被害を少なくする工夫がこれからは求められるのかもしれませんね。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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