名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2015.11.11
遺品整理で増加する相続放棄とペット問題
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。
先日出かけようとして車に乗り込んだら後部座席の窓が開いていました。そしてその前日の名古屋は雨、、、、、、、、orz 皆さん戸締りはしっかり確認しましょうね
さて、先日掛かってきたある電話相談のお話し。ご家族が賃貸物件で自殺されたらしく家主から損害賠償等があるのかどうかといったご相談です。
お話しを聞きながら賃貸契約の際の契約書を確認してもらったところ相続人の方は連帯保証人にはなられてはいません。ただ、「緊急連絡先」に名前は書いてあるそうで、そちらをかなり心配されていました。
一般的に「連帯保証人」と「緊急連絡先」は異なるものであり、緊急連絡先に記載されているだけなら万が一何かが起きた際の連絡先という意味であり、連帯保証人のような義務を負うことはありません。
ただ、電話越しの為契約書を確認することが出来なかったですので、念のため「契約の際に緊急連絡に名前が書かれている方が署名、捺印された記憶はありますか?」と尋ねたところ誰もしていないとのこと。
でしたら従来の意味での緊急連絡先だと思われますので相続放棄の手続きをすれば家主からの請求も心配いらなくなりますよとお伝えすると、「あの、、部屋にペットがいてそれを引き取ってきたら相続放棄はできなくなりますか?」と相続放棄に関する別の心配毎が出てきたようです。むしろこちらが本題かもしれません。
遺品整理を行っているとペット問題には良く直面します。今回のように賃貸物件で自殺や孤独死が起きたような場合の相続人は相続放棄をされる方も多く、その際に故人が飼われていたペットの扱いに困るといった事情があります。
幸い今回のご相談者はペットを引き取りたいけど、相続放棄が出来なくなると困るからといった事情で悩んでいる様子でペットを引き取りたくないというわけではありませんでした。
そうなると問題となるのがペットの財産的価値ということになります。相続人が故人の財産を処分してしまうと相続放棄ができなくなるという規定がありますが、この規定にペットがひっかかるのかどうかということです。
血統書付きの購入した際も高額だったようなペットなら財産的価値有りとされる可能性は高いですし、反対に野良猫を拾って育てていただけというなら財産的価値は無く形見分けの一種と判断されるかもしれません。ただ、今回のご相談者のお悩みはペットの財産的価値の有無はあまり考慮しなくても解決ができたりします。
今回のご相談者の希望は【ペットを引き取り世話をしてあげたい。】ということです。つまり、誰かにあげるとか、業者に売るとかといったわけでなく、そのまま放置していたら死んでしまので自宅に引き取って餌やりなどの世話をしたいということです。
これは言ってみれば故人の財産(ペット)を守ることでありますから、財産の保存行為と考えられます。相続人が行う故人の財産を保存する行為は法定単純承認からは除外されていますので相続放棄には影響いたしません。
また、相続放棄をされた方の義務として民法940条には「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」とあります。
つまり、ペットが相続財産と考えられる場合であっても、それを引き取って世話をするのは相続放棄をした者の義務とも考えられるので故人の遺したペットを引き取り世話をすることは問題がないということになります。
ただし、相続放棄をした以上は故人の財産は引き継げませんので、ペットに価値があり新たな相続人が現れてペットを引き渡せと言われた場合は引き渡す必要が出てくる可能性はありますが。
とはいえ、一般のご家庭で飼われているペットにそこまでの高額な価値がついているとは考えにくいですので、引き取ったペットの引渡しを要求されることは珍しいのではないでしょうか。(心情的な争いで引渡しを求められることはあるかもしれませんが)
相続や遺品整理の際にペットの取り扱いで悩まれる方は非常に多いです。単身者や高齢者が増える中ペットの需要は益々増加しますが、それに伴ってこういった問題も増えてくるのではないかと危惧しています。困った場合はご相談くださいね。
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名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂
第八行政書士事務所は名古屋を中心に愛知・岐阜・三重での遺品整理・特殊清掃のご依頼を承っております。
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