名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2016.03.09
相続放棄をしても最低限行うことはある
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。
先日書士会の研修で国際司法と相続について学んできました。その際の講師が自分の出身大学の教授であり、久々に学生気分に戻って六法をめくってきました。出来ることならあの頃に戻って勉強しなおしたいものですね((笑))
さてさて、今回も先日掛かってきたご相談電話からの話題です。ある自殺されたご家族の遺品整理と相続放棄に関するご相談。ご相談者のお話しではご家族の方が亡くなったのは半年程前のことで既に賃貸物件からの退去なども済んでいるとのこと。
ただ、室内の片付け等も済ませて鍵も返却しているのですが原状回復等の金額についてはまた後日となっていたそうなのですが、最近になって弁護士事務所から原状回復費用と損害賠償請求の書面が届いたそうで、これは個人で解決することは出来ないと思って当事務所へのご相談となったようです。
いきなり弁護士から請求書?とは思いましたが、まず確認したのが連帯保証人の有無。ご相談者の方に確認したところ連帯保証人には誰もなってはいないということで、では相続放棄かな?と考えたところで相続放棄の申述期間が過ぎていることに気づきました。
ご家族が死亡されてから既に半年経過していますので、相続放棄が出来る3ヶ月を経過していることになります。こうなってくると、申述期間経過後に行う相続放棄の手続きをとらなければいけない可能性も考えていました。しかし、その後も詳しくお話しを聞いてみると相続放棄の手続きは既に完了していて家庭裁判所からの受理通知も手元にあるというではありませんか。
なんでも、不動産会社や大家さんに言われるがままに遺品整理などを行っていた際にご友人の方が相続放棄のアドバイスをしてくれたらしく、期間内に手続きを取られていたそうです。
そうなると基本的にはご相談者の方は既に相続人ではありませんので、不動産会社や弁護士事務所からの請求に応じる必要はないのですが、何故いまだに請求がきているのか?そこが疑問でした。
さらに詳細をうかがってみると、なんでも相続放棄の手続きが完了した時点で「自分はもう一切関係ない!」と思ってしまったらしく、不動産会社からの問い合わせを全て無視していたとのこと。
確かに原状回復や損害賠償の話し合いは相続人にとっては大変なものでしかありませんからその気持ちもわからなくはないのですが、放置してしまうと不動産会社や大家さん側としても相続人の方が相続放棄をしたかどうかがわかりません。ですので、相続放棄をしたかどうか分らない以上は相続人であろう相談者の方に請求を続けていくのも仕方のないことです。
そして、その請求や連絡を全て無視してしまったが為に弁護士が登場してくる事態にまで発展してしまったというわけで、早い段階で不動産会社へ相続放棄をしたことを通知していれば話しはもっと簡単に済んだかもしれないというのが今回の事の顛末のようでした。
今回はご友人からのアドバイスもあり相続放棄の手続きも完了しているようですので、相続放棄を証する書面を弁護士に送付すれば解決に向かって進むと思われますが、相続放棄をしたからといって一切合切関わらなくても良くなるというわけではないということの一例だったのではないかと思います。
相続放棄は法律で定められた制度ではありますが、相続放棄をすることによって債権者などの相手方には何がしかの不利益を与えることとなるのも確かです。
相続放棄をされたのでしたらその事を相手方に伝えてあげることによってお互い余計な手間や時間を掛けなくて済むことになりますので連絡だけはするようにしましょうね。
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