名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2016.08.26
生活保護と孤独死 遺品整理は誰が?
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。まだまだ暑いですね。台風10号が迷走していますが、これ以上の被害を出さないことを祈っています。
さてさて、こういった質問がありました。『生活保護を受けていた入居者が孤独死したのですが、役場は遺品整理をしてくれるのでしょうか?』大家さんや管理会社の方または疎遠だった親族の方などからこういった質問を受けることがあります。
Q:生活保護受給者の遺品整理は役場がやってくれる?
A:やってはくれません。
基本的に役場(保護課など)は遺品整理にはノータッチです。過去には切実に状況を訴えたら役場が動いてくれたなんて話しも聞いたことがありますので、地域や故人と家族の状況によっては動いてくれることもあるのでしょうが、過度の期待はしないほうが良いでしょう。(保証会社がついてる場合は遺品整理まで保証されているケースがあり、その場合は保証会社にて遺品整理まで行ってもらえます。)
ですので、生活保護受給者の方の保護は受給者の方が亡くなった時点で終了となります。ご遺体については警察などで引き上げた後に家族がいない、またはいても遺体の受け取りを拒否されたような場合は役場で火葬を行った後に合祀してくれますので、遺体が室内に残ったまま!?なんてことにはなりません。
しかし、室内の遺品整理や特殊清掃については役場から補助金などが出たりはしませんし、むしろ遺留金が室内にあれば火葬費用をその遺留金から回収しようとしますので、家主や管理会社にとっては頭の痛い問題ですよね。
特に最近は相続放棄をするご家族も増えてきており、また賃貸契約当初はいた連帯保証人も高齢で亡くなってしまっていて、原状回復費や未納家賃などで赤字になってしまっている大家さんもいらっしゃいます。
かと言って、高齢者の方の入居を全て断ってしまっては空室率も上がって、賃貸経営の計画が狂ってしまうことにもなりかねません。
最近は孤独死や自殺に対応した保険も出てきており、大家さんの中には家賃の保証会社と保険を組み合わせて万全の体制で高齢者を迎えていらっしゃるところもあります。
また、法律的な手続きになりますが、相続人が相続放棄をしたので請求を諦める、連帯保証人が先に死亡していたので請求を諦めていらっしゃる大家さんが沢山いらっしゃいます。
もちろん、相続放棄をされたご家族へ執拗に請求を繰り返すのはダメですし、意味がありませんが、次順位の相続人や連帯保証人の相続人への請求をするといった道が残っている場合があります。
第一順位のお子様や配偶者の方は故人とのこれまでの経緯で相続放棄をされたが、故人の兄弟姉妹は相続放棄をせずに遺品整理を最後まで行ってくれたということは珍しくありません。
相続放棄をしても、相続放棄をしたという結果が次順位の相続人に知らされることはありませんので、そもそも兄妹が亡くなっていたことを知らなかったという事例もあります。
相続人調査を行った上で事情を話したら結果として、その次順位の相続人も相続放棄をされたということになるかもしれませんが、なにもしないで諦めるよりは良いですよね。
令和 元年 5月 追記
近年、生活保護の方の孤独死が増加しており、相談件数も増える一方ですので最近の傾向を少し追記しておきます。
表題の「生活保護の遺品整理は誰が?」という箇所についてですが、最近の賃貸契約では8割程度が保証会社を利用した賃貸契約であり、連帯保証人が不要となっていることがほとんどです。
そうした場合に、では生活保護を受けていた方が孤独死した場合は誰が遺品整理を行うのか?という問題ですが、これは先に述べた通り市町村の役場では原則遺品整理までは対応してもらえません。
ただ、先ほど述べた家賃の保証会社によってはサービスの内容で「残置物撤去」までを保証のサービス内容としている会社もあります。
残置物撤去までが保証内容となっている保証会社との契約であれば少なくとも大家や管理会社としては室内の遺品整理については心配する必要はなくなります。
家賃の保証会社さんが会社の責任で入居者の家財を撤去してくれますので、大家や管理会社がその点で心配をする必要はなくなります。
ただし、家賃の保証会社さんがそうしたサービスを実施する上で、掛かった費用等は家主へ支払った保証家賃などと一緒に相続人へと請求される可能性は高いです。
故人の残置物の撤去や未払い家賃は家賃の保証会社さんが対応してくれると聞いて安心して「相続放棄」の手続きをしないでいると、後日家賃の保証会社さんより掛かった費用の請求(求償)が相続人あてにされ、求償された時点では相続放棄の申述期間(3ヶ月)を経過してしまっており、結果として家賃の保証会社さんから求償を断れなくなってしまうということになってしまうかもしれませんので、もし当事者になってしまったような場合は必ずお近くの専門家へ相談してくださいね。
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名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂
第八行政書士事務所は名古屋を中心に東京、大阪など全国で遺品整理・特殊清掃のご相談を受け付けております。
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