名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2017.04.15
弁護士からの請求はやはり違う
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門の第八行政書士事務所の谷です。なんか梅雨か?と思うくらいの長雨でしたが、やっと晴れ間がでてきましたね。でも、桜は既に葉桜となりつつあり、今年の桜も終わりですかね~。
さてさて、先日寄せられた事故物件でのご相談。賃貸物件で借主が自殺してしまい、賃貸借契約の連帯保証人の方からのご相談です。現在家主側より逸失利益と原状回復費用を請求されているが、これが妥当なのかどうかわからないので相談に乗って欲しいというものでした。
家主側には既に弁護士が立っているようで、その請求内容をざっと見たところではさすがに的外れな箇所は見当たりません。一般的な大家さんや管理会社さんからの請求の場合ですと、どうしても「自殺」「事故物件」「建物への被害」といったワードに引っ張られて、家主側の心理としては、自殺したのは入居者の責任なのだから、当然こちらの請求には従ってくれるだろうという思考に嵌ってなされているような請求が多々有ります。
自殺が起きた場合は家主側が被る被害はとても大きく、室内をリフォームしただけでは回復できない損害を負うのも事実ですから、こういった考えになってしまうのもいたしかたのないことかもしれません。
ですが、その考えの下で作成した請求額が実際に認められるかどうかはまた別の話であり、判例を見る限りでは家主側には厳しい判例が出ていることも少なくありません。
こうした事故物件に関する損害については一律に算定の仕方を決めたような法律はありませんから、個別の事案ごとに物件の間取りや周辺の状況、耳目を集めたような事件かどうかなどを考慮して裁判所によって判断されることとなり、従って、裁判前の家主側の請求というのはあくまで、家主としてはこれだけの金額を支払ってもらいたいという希望金額となります。
当然、家主側としては少しでも損害を少なくしたいと考えますので、場合によっては自殺とは直接関係ない部分のリフォームも含めて請求をしてくる場合もありますし、悪質な場合は古い物件で自殺が起きたようなケースで、自殺を理由にお金を支払ってもらえるからと室内のグレードを上げる意味でフルリフォームを請求しているのではないかと思われるケースも見受けられます。
今回のご相談の内容を確認してみると、弁護士が関わっているだけあり、どの請求も過去の判例を基に算出していることが伺えます、この点はやはり管理会社の方や個人の大家さんがなんとなく出している金額とは違うなと感じますね。
逸失利益の期間や原状回復に関する金額については、ものすごく微妙な範囲で金額が上乗せされているように感じますが、しかし明らかに請求し過ぎかと言われると、そうでもなく、もともとの賃貸借の契約期間や入居者の生活態様によっては、この金額でもおかしくないと思えるようなものでした。
ある意味弁護士の先生の腕というのでしょうか、家主側の意向を受けてできるだけ多くの賠償金額を裁判などの面倒な手続きをせずに話し合いで決着させるという意味では、連帯保証人としても請求金額の内容をしっかりと説明されたら納得してしまうだろうと思われる内容です。
自殺に限らず賃貸物件で孤独死が起きたような場合でもそうですが、家主側と何故トラブルになるのか?
一番の原因が「よくわからない金額」「納得のいかない金額」が請求されるからです。今回の事案のように請求金額について、法律やガイドライン、過去の判例などをもとにしっかりとした説明があった場合は支払う側としても、支払う理由に納得がいきますので、反発もすくなくなります。
恐らく今回の事案も裁判などにはならず、当事者双方の話し合いで多少の減額交渉などを挟んで早期に決着するのではないかと思われるそんな事案でした。
こうした賃貸物件での事故ではどうしても大きな金額を払う、払わないで揉めることとなりますので、当事者双方が感情的にぶつかり合うことだけは避けたいものですね。困った時は必ず弁護士などの専門家へ相談しましょう!
名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂
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