名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2017.11.15
札幌の遺品整理業者の逮捕について
おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門の第八行政書士事務所の谷です。
11月も折り返しとなりもう少ししたら忘年会シーズン突入ですね。お酒は百薬の長とはいいますが、飲みすぎれば必ず毒ともなりますのでくれぐれも飲みすぎないように注意してください。
年末はヒートショックの事故も含めて孤独死が増える時期でもあります。くれぐれも飲みすぎにはご注意ください。大事な事なので二回言いました。
さてさて、先日ネットでニュースを眺めていたら札幌の遺品整理業者(実際には便利屋)が不法投棄で逮捕されたという話題が載っていました。
正直、「またか、、、」という感想でしかないのですが、遺品整理業で度々問題となるのがこの不法投棄の問題です。遺品整理の専門業者をはじめ遺品整理に携わる方々の多くは真面目にやっていると思われます。
しかし、遺品整理というのは少し特殊な業界でもあり、作業の透明性を確保するのが非常に難しい仕事でもあります。まず、今回の事件の背景としてあるのが、処分費用の削減と高い利益率の確保となるでしょう。
一般的な遺品整理業者なら1件の遺品整理の仕事で経費のうち占める割合が高くなるのが処分費用かと思われます。
今回逮捕された業者もそうですが、通常一般家庭の処分品を回収するには市町村の許可(一般廃棄物収集運搬業許可)を受けている必要があり、許可を持たずして家庭の品、それが例えゴミであっても回収することは法律違反となります。
ですので、家庭の不用品を回収するには市町村の許可が必要なのですが、この許可(一般廃棄物収集運搬の許可)は新規ではなかなか降りないのが現状です。(産業廃棄物の許可は降ります)
理由としては既存の許可業者だけで十分需要を満たしているからとなるのですが、ま~、行政の思惑もいろいろとあるのでしょう。ここで言いたいのは、遺品整理業者や便利屋など家庭の不用品を回収する事を専門にしている業者の多くは市町村の許可を持っていないということです。
ですので、本来でしたら許可を持っている業者と提携して作業を行うケース(当事務所はこのスタイル)が多くなると思われますが、中には産業廃棄物の許可で作業をしたり、今回逮捕された業者のように無許可で開き直って業務を行っているところも多数見受けられます。
テレビなどで放送された遺品整理業者でさえ産廃の許可で遺品整理を実施している事もあるくらいですので、一般の利用者にとってはなかなか区別がつかないことでしょう。
話しが逸れましたが、ではなぜ無許可業者の不法投棄が行われるのかというと、許可業者と提携して作業をすれば適正に処分することは出来ますがその分処分費用が高くなります。その処分費用も市民がクリーンセンターなどに自前で持ち込んだ場合の費用よりは当然高くなります。
処分費用が高くなった分を依頼者から受け取れれば問題ないのですが、価格競争が激しい遺品整理業界では値段が高い=他の遺品整理業者に依頼を取られてしまうという危機感が常につきまとうこととなります。
一般の方としても普段は無料で市が回収してくれる不用品が遺品整理業者に頼んだら何十万円も掛かった!とびっくりするケースもあり、なおのこと遺品整理業者は価格には敏感になってきています。
そういった背景を基に順法精神の欠けた業者が遺品整理をする際に真っ先に考えるようになるのが、処分費の削減であり、不法投棄となる訳です。
不法投棄をすることによって、処分費は削減できて、しかも依頼者からもらった処分費用は丸儲けとなり、さらに格安で依頼をうけても他社に負けなくなるという一種の麻薬のような効果があるわけですね。
もちろん、そんな事が許されるはずはなく今回の逮捕に繋がった訳ですが、違法回収で捕まっているのはごく一部の業者に過ぎません。
今回の事件でもそうですが、遺品整理業者が不法投棄した処分品について遺品整理業者が責任を問われるのはもちろんですが、場合によっては排出者として遺品整理を依頼した人まで責任を問われることになるかもしれません。
遺品整理は高いから良い、安いからダメというものではなく、自分と家族に合った遺品整理業者を探すことがポイントとなります。でも、あまりにも安すぎる業者や対応が怪しい業者は不法投棄以外の問題を抱えている可能性もありますので、遺品整理業者の見極めは十分ご注意くださいね。
名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂
第八行政書士事務所は名古屋を中心に遺品整理・死後事務のご相談を受け付けております。
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