名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2019.11.23
気の抜けない生前整理現場
おはようございます。名古屋の遺品整理・生前整理専門の第八行政書士事務所の谷です。
名古屋はG20の影響で道路封鎖もあり、警官の大量動員で非常にものものしい雰囲気です。こんな日は事務所でおとなしくブログでも書いているのが𠮷ですね。
さてさて、今回は久ぶりの遺品整理もとい生前整理のお話しです。
いつもお世話になっている税理士の先生と無料相談会をしていた際に、その先生から生前整理のお客様のご紹介を頂きました。
さっそく日程の打ち合わせをさせて頂き、室内の様子を確認させて頂くと、ご家族の皆さんでもかなり整理されたのかゴミ袋に詰め込まれた不用品が山となっている状況です。
それでも、まだまだ室内に衣類や家財が溢れている状況で、ご家族の皆さんも最初は全部自分たちで整理しようと考えていたようなのですが、片づけても片づけても一向に整理が進まない為、知り合いに相談したところ、紹介元の税理士を紹介され、それが私のところへ届いたという流れのようです。
今回は遺品整理ではなく生前整理となります。もともとは施設に入所されていたお父様が生活されていたお部屋とのことですが、一人暮らしをする為に戻ることは今後ないだろうとのことから、早めに整理に着手して必要なものと不用な物を分けておこうということです。
現地確認の上で見積りをさせて頂き、その場で作業のご依頼を頂きましたので、実際の作業日程の調整を行いつつ、市営の団地でしたので管理事務所へ室内設備の確認。
団地の場合は入居時にいろいろと住人側で設置している物も多いので、退去時には忘れずに撤去しておかなければなりません。今回は下記の設備が撤去対象となっていました。
・瞬間湯沸かし器
・浴槽、風呂釜
・照明器具
・カーテンレール
・網戸
ごくごく普通の撤去物で特殊な物はありませんね。後はトラック等の車両を入れる際の敷地内へ車が入れないようにしている進入禁止のポールを外す為の手続きです。
これは管理事務所で鍵を借りる場合と各棟の棟長さんや自治会長が管理しているケースもありますので、作業当日に鍵を外して下さいと言っても無理な事もあります。
事前に確認をしておかないと当日トラックが入れずに困ったなんてことにも、、、今回は自治会長さんが鍵を管理しており、当日の朝には開けておいてくださるということになりました。
準備万端で当日現場に伺ってみると、進入禁止の鍵が外されていないといういきなりのアクシデントに見舞われつつも作業開始です。(自治会長さん忘れてたみたいで外出中、、、、、副会長さんが開けてくださいました)
今回の現場では事前に整理を進めていたご家族から整理中に数万円が不用品の中から出てきたとの情報を頂いていたので、その旨をスタッフにも周知して、細かくチェックをしていきながらの仕分け作業を進めていきます。
そうすると、出るわ出るわで色々な場所からお金が出てきます。タンスの中にある布団や衣類の間から何か所もお金が出来ますし、一番多かったのが財布類に放置されていたお金。
お財布が好きなのかいくつも財布が出てきますし、和装のカバンにもお金が入れたままで長年放置されていたような感じでこれまたお金が大量に出てきます。
ただ、これらは遺品整理の専門家としては普通にチェックしていくところですので、問題なく発見できる部分ですが、ご家族の方が整理されているようなケースですと布団や衣類の間に隠されていたようなケースは気づかずに処分してしまう可能性もあったかと思われます。
また、この現場では住人の方がお金を画す意図で隠しているケースでしたので、何気なく忘れていたお金とは隠されている場所も異なっています。
分かりやすいところでいうと家具と家具の間にお金を隠すケース。例えば上下に分かれる食器棚があった場合に上段と下段の接合部分にお金を挟んでいるケース。
こうした場所に隠すとなると食器棚を普通に使用している間は本人でさえ取り出すことができませんので、他の家族が知ることはまずないでしょう。
こういう明らかに隠す意図でお金を隠している箇所があると現場の担当としても普段よりも一層注意度を上げることになります。
タンスの引き出しをすべて抜いて、タンスの底や天板にお金を入れた封筒が隠されていないかや、押し入れの中にある屋根裏への点検口を開いて貴重品を隠していないかなど、気の抜けない現場となります。
また、こうした現場では現金以外でも貴金属関係や骨董品関係で買取できるものが多数あったりしますので、整理の際に専門の査定業者に一緒に入ってもらい査定を行ってもらいます。
見積もり時には家財が溢れていたので開けることができなかった和ダンスがどうしても現場の雰囲気から気になっていたもので、査定業者にもそこを重点的に確認してもらうことに。
ご家族の方は不用品が溢れている状況を見て高価な物はないだろうと思われていたようですが、念には念を入れるのが専門家です。結果は大正解!
依頼者の方もびっくりする位の高価な貴金属が多数出てきてかなりの買取金額となりました。最終的には貴金属や骨董品の買取、現場から発見された現金などを併せると、遺品整理代金をほぼカバーできてしまいました。
依頼者の持ち出しは数万円で済んでしまった為、依頼者の方もこんなに現金や買取できる物が見つかるなんてと、一緒に立ち会いをされたご兄弟とびっくりされていましたね。
そうした中で聞いた話しなのですが、最初にも書いた通り、当初はご家族の皆さんで整理するつもりだったこのお部屋。あまりの荷物の多さからチラシなどで見る一般の遺品整理業者に依頼することも考えたそうです。
しかし、自分たちで整理していても出てくる現金やニュースなどで見聞きする悪徳遺品整理業者の悪い噂を聞くと、業者に依頼したら見つかった現金や高価な貴金属などは帰ってこないだろうなと、なかば諦めの気持ちを持っていらしたそうです。
遺品整理や生前整理、不用品回収業者は真面目に作業している人もいる反面、参入障壁が非常に低いことから悪徳と呼ばれる遺品整理業者も多数いるのが実情です。
実際に現場から出てきたお金を依頼者に返還しなかったり、高価な貴金属を二束三文と依頼者に伝えて後から転売して多額の利益を得ている業者などはたまにニュースになったりしますが、実際には遺品整理や生前整理の特殊性から表に出てこないケースがほとんどです。
今回は依頼者の方が相談された方がそうした事に詳しい方で、すぐに私と繋がりのある税理士の先生を紹介してくださったおかげで、私たちの方で作業を担当させて頂くことができました。
遺品整理や生前整理業者を選ぶポイントはいくつかありますが、大事なのは自分たちがどういった作業を望んでいるのかを明確にしておくことです。
ただ、単純に室内の不用品が片付けばいいと考えているなら、格安業者と呼ばれる法律を守って作業するのは大前提ですが、安く、早く作業を行ってくれる業者でも問題ないでしょう。
ただ、今回の現場のように多額の現金や価値があるのかどうか不明確な貴金属や骨董品類が多数あったり、または故人が資産家で株や土地、預貯金など相続財産を確認する前提として行う遺品整理のような場合は必ず、相続の専門知識を有した専門家を通して頂くことをお勧めします。
私のように士業の立場で実際に現場の整理まで行うのは珍しいかもしれませんが、国家資格を有して財産整理や遺品整理をしている士業は、法律に反した事を行えばすぐに資格が剥奪されてしまうリスクを負って仕事を行っていますので、違反をしても会社の名前を変えて何度でも復活してくる悪徳業者とは根本的に異なる部分でもあります。
ご家族の大事な遺品整理を依頼する際は、作業代金の高い安いだけではなく、依頼する業者がどういった会社なのかをしっかりと確認してから依頼するようにしてくださいね。