名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2014.10.27

孤独死が起きたら大家はどうするのが良いのか?

 おはようございます。名古屋市の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日は久々に来来亭のラーメンを食べに行ったのですが、調子に乗ってから揚げ定食にしたら胃にもたれてしまいました、、、でもやめられない止まらない(笑)

さて、賃貸物件での孤独死についてはいつも遺族や連帯保証人の立場でブログを書いていますが、今日は大家さん視点でいきたいと思います。

毎度言っていますが、超高齢社会の日本でのこれからの賃貸経営では孤独死の問題は避けては通れません。既に耳タコの方もいらっしゃるでしょうが遺族と家主の間のトラブルをなるべく減らしていくためにも何度でも叫んでいきたいと思います。

賃貸物件の家主として孤独死が起きてしまうといろいろな問題が発生します。孤独死発見時に警察や鑑識が来たことによる風評被害、夏場などに多い死臭や害虫の発生による隣室や階下の入居者の退去、遺族や連帯保証人との原状回復費の交渉、そして孤独死の状況によっては今後の募集の際に告知義務が必要かどうか等など。

孤独死が起きるとぱっと挙げられるだけでもこれだけの事で頭を悩ませなくてはならなくなります。この中のどれもが孤独死と密接に関係していますので孤独死が発生すると何がしかの問題は必ず発生すると言えるでしょう。

どの問題が生じても家主としては自分の賃貸経営の予定を狂わす事件となりますので場合によっては遺族に対してかなり強い態度で損害賠償や原状回復費用を請求してしまう家主がいらっしゃいます。

物件の管理を不動産会社に任せている場合はまだワンクッションありますので不動産会社を間に入れて冷静な話し合いが出来る場合もありますが、個人で物件を管理している大家さんの場合は最初の連絡の時点で喧嘩腰になってしまうことも度々で、遺族からの電話相談の際に家主と揉めて困っているという相談をよく受けます。

大家さんとしては自分の物件で事故が起きたことによる驚きやこれからの入居対策で家賃の値下げなどを考えなくてはならず、頭の痛い問題がたくさんありすぎて怒れてくるのも理解できますが、ここは怒りたい気持ちをぐっと我慢して一度冷静になりましょう。

冷静になれと言うのは何も遺族や連帯保証人らに譲歩しろと言うわけではありません。感情的になって喧嘩腰で相手との交渉を始めてしまうと最終的に大家さんにとって損になってしまうことが多いから冷静になることをお勧めしているのです。

孤独死が起きてしまうのは仕方のないことです。起きてしまった以上はどうやって被害を最小限にしていくかを考えなくてはいけません。具体的に言うなら、出費をどれだけ抑えるかということです。言い換えるなら遺族や連帯保証人の方にどれだけ費用を捻出してもらえるようにすのかということでもあります。

大家さんとしては、遺族や連帯保証人の方から、部屋の清掃にかかる費用や家賃を減額した場合はその補填金額、またすぐに入居者が決まらないことによる損害賠償と全てを請求したいと思うところでしょう。しかし、孤独死は自殺の場合とは異なり、自然死の扱いですので必ずしも損害賠償が認められるとは限りません。

また、遺族などとの交渉の始めに高圧的に接してしまうと遺族はこれ以上の揉め事を嫌って「相続放棄」の手段を選択してしまうことが十分に考えられます。

私の経験上、多くのご遺族は最初は大家さんに迷惑を掛けていることを気にして出きる限りの事をしようとされています。その中には遺品整理や原状回復費用についてもある程度は覚悟して支払える分は支払う意思をお持ちのご遺族も沢山みえられます。

しかし、そんな状況でも家主から一方的に文句を言われたり、詳細が不明な多額の請求を突きつけられたりしたら「もう、めんどくさいからいっそ相続放棄してしまうか、、、」という考えになってしまうのも仕方ないと思いませんか?

大家さんの中には相続放棄と聞くと「あんたの家族なんだから最後まで責任を取れ!」や「それでも息子(娘)か!」などと家族の関係を盾に高圧的に遺族に要求してくる方もいらっしゃいますが、いくらご家族だからと言って、亡くなった方の責任を全て背負わなければいけないわけではありません。

その為に民法では「相続放棄」の手続きが定められている訳ですから、これを無視してご家族に請求をしても大家さんには勝ち目はありません。ですので、怒りたい気持ちはぐっと堪えてまずは冷静に話し合いを進めましょう。

大家さんとして一番困るのは何でしょう?連帯保証人がいればまだしも、連帯保証人もいない状況で相続人の方に相続放棄をされてしまうと、遺品整理や原状回復費などの全ての費用を大家さんが負担しなくてはいけなくなってしまうのが一番困ってしまうことと考えられませんか?

また、遺族が全員相続放棄をされてしまい、相続人が不在となってしまうと相続財産管理人を選任しなければならなくなるかもしれませんし、もしそうなってしまったら部屋の解約すら出来なくなるかもしれません。

そうならない為にも、冷静に話し合いを始めて、遺族がどれだけ費用の負担を考えているのか、遺品整理まではは遺族で行ってくれるのか、原状回復費用までは出してもらえそうなのか、大家さんの希望する額と遺族が支払える額には当然開きは出てくるでしょうが、話し合いで少しづつ縮めていく努力をしていきましょう。

感情的に喧嘩腰になってしまっては、そのすり合せの機会すら無く終わってしまう可能性もありますので、何度も言いますが冷静な話し合いで可能な限りの協力を遺族や連帯保証人から引き出すように粘り強く交渉を行っていくのが、孤独死が起きた部屋での対処の仕方と私は考えています。

こういった場合はどうすればいいのか?などのご相談があればいつでもメールまたはお電話でご連絡くださいね。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

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