名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2016.07.01

自殺・孤独死が起きた際の話し合いについて

おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。

昨日までは雨ばかりで梅雨らしいと言えば梅雨らしい天気でしたが、今日はカラッとした空の名古屋です。７月に入りいよいよ夏が来る！！って感じですかね。熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

さて、暑い時期を迎えると増えてくるのが高齢者の方の熱中症を原因とした孤独死のご相談です。しかし、今年は孤独死に関する相談はまだそこまでの件数ではないのですが、ここ最近は自殺に関する相談が頻繁に入ってきています。

先日も賃貸物件での自殺に関するご相談を頂きました。いつもは電話相談を何度も繰り返して家主側との交渉の進捗に合わせて電話での質問や回答を行っているのですが、今回は現場は県外ですが、ご家族が愛知に住んでいるとのことで面会してのご相談となりました。

最初のお電話では身内の不幸と家主へ与えてしまった迷惑や罪悪感などで、何をどうしたらいいのかわからないといったご相談です。電話での聞き取りや故人や賃貸物件の状況などを聞き取り、いくつか資料もあるとのことでしたので電話終了後にそのままずぐに事務所へお越し頂いてのご相談受付となりました。

こうした賃貸物件での自殺や孤独死といった事案では家族の方は非情に不安になられています。身内の不幸での悲しみに追い討ちをかけるように家主や管理会社から高額な損害賠償を請求されている方も珍しくはなく、そういった状況では冷静に考える事などできるわけがありません。

ですので、「何をどうすればいいのでしょう？」「いっそ管理会社に言われるがままに払ってしまった方が楽なんでしょうか？」「もう、わけがわからなくて、、、、」といった言葉をこぼされるご家族の方が多くいらっしゃいます。

これは仕方のないことです。賃貸物件での自殺や孤独死といった事案はその解決方法が法律で一律に定められているわけではありません。ですので、白黒つく結果は出てこない部分も多く士業であっても専門で行っている場合でないと判断に迷うところです。

もちろん、弁護士の先生に依頼して訴訟で決着！という風に最初から対決姿勢で臨まれるなら話しは単純ですし、弁護士の先生に丸投げでも問題ありません。

しかし、賃貸物件で起きるこういった問題では家族の方が自分達で出来る範囲のことはしたいという方も多く、そういった事情からなるべく話し合いでの決着を模索されているご家族がほとんどです。

ですので、大事になってくるのがご家族や連帯保証人の状況、故人の状況、家主や管理会社の状況、そういった事案毎に変わってくる様々な「状況」を詳しく聞き取り、ご相談者の方それぞれにあった解決の道筋をたてて上げられるかどうかです。

もちろん、事情によってはご家族にとっては厳しい状況ということもありますが、厳しい状況の中であってもいくつか取れる手段というのがございます。

今回のご相談者の方もこちらで状況の聞き取りをさせて頂き、それに対する対処や管理会社との話し合いの進め方などをアドバイスさせて頂くことによって、「一番いい解決の流れ」「できればここら辺で決着をつけたい」「どうしても駄目ならこの方法で」という感じに考えを整理して頂くことが出できました。

ご相談の最後は「これでなんとか管理会社の人と話せそうです」と考えも整理できたようで、後は管理会社さんとの交渉の結果で再度ご相談頂くこととなりました。

ご相談自体は１ヶ月程前に頂いていたのですが、先日結果のご連絡をくださりました。管理会社との話し合いの結果、当初想定していた「一番いい解決の流れ」で決着したそうです。

今回のご相談は借主の自殺ということもあり、この結果にもっていくのは正直難しかったと思います。この結果は管理会社や家主側の理解とご家族の方の誠意のある対処の結果で導かれたものであったと思っています。

お電話の最後に「ほとほと困っていた時に話しを聞いてくれてそれだけで心強かったです。ありがとうございます。」との感謝の言葉を頂きました。

遺品整理の場面でも実際の事故現場ではご家族の方が室内に入れないような状況になっていることもあります。そういった部屋を綺麗に整理し、思い出の品や貴重品を見つけ出し、再び家族の方が故人の部屋へ入れるようにする。

その作業を終えた時にも同じように心からの感謝の言葉を頂くことがあります。この心からの感謝の言葉はそれだけ困っていた事の裏返しでもあると思っています。

ご相談頂いた事案の全てを最高の結果にできる訳ではありませんが、事務所名に「八」を付けた当初の思いを忘れずに、ご依頼者の幸せがが広がっていくことを願って仕事を頑張っていきたいと思います。お困りごとがありましたらいつでもご相談くださいね。