名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ

2018.12.13

遺品整理で見つけた方式違背の遺言書の効力について

 おはようございます。名古屋の遺品整理・特殊清掃専門第八行政書士事務所の谷です。冬将軍が到来されたようで、一気に寒くなりましたね。

この時期になると毎年、スダットレスタイヤにするか悩みます。名古屋は雪降らないしな~、、、、と思ってるとたまにドカッと降るから困りますよね。

さてさて、先日遺品整理が無事が終わり、遠方から来られていたご依頼者を名古屋駅まで送っていた時の話しです。

今回の遺品整理を通して、「こりゃ自分たちもしっかり考えなあかですは」とご依頼者の方と遺品整理あるあるな感じで、私が過去に経験した遺品整理現場の話しなどで盛り上がっていた際に出た話題。

遺品整理で遺言書が見つかったらら?見つかった遺言書が自筆証書遺言で方式に違背するような遺言だったらどうなるの?という話しをしていました。

遺言書は「要式行為」とされ、法律で定められた方式に則り作成しないと「無効」となるものです。ですので、遺言書を作成する際には専門家が方式違背となる心配がない公正証書遺言を勧めているわけです。

ただ、公正証書遺言は費用や証人の確保など自筆証書遺言に比べてハードルが高いと思われることも多く、そこまで大きな財産がある訳でもないとご自身で考えているようなケースですと、本屋さんで遺言書の作成方法と題された本を読みながら自筆証書遺言を作成されるという方も多いのではないでしょうか。

そうした自筆証書遺言の作成で怖いのが先ほどから述べている方式違背になっていないかどうかです。自筆証書遺言の基本的な要件としては、全文自筆、署名、捺印、日付の記入で、遺言書の記載内容の訂正の仕方も厳格に定められています。

ですので、これらの要件を満たしていない遺言書は「無効」となるのですが、では、遺品整理などでこれら要件を満たしていない無効な遺言書が見つかったとしたら、すぐに処分してしまってもいいのか?という問題があります。

言い換えるなら、方式に違背している無効な遺言はなんの法的効力も持たないただの紙切れとなってしまうのか?ということです。

法的効力を考えなければ、少なくても故人の意思を知る手がかりにはなりますよね。場合によっては、遺言書ではなく家族などへ宛てた遺書としての効果は十分あるわけで、これだけでも、遺品整理中に見つかった遺言書というのは疎かにしていいものではないとわかります。

では、法的な効力は全くないのか?というと、実はそうでもないというのが今回の本題。確かに方式に違背している遺言書は遺言書としては無効となります。

しかし、遺言書の内容をみると死因贈与契約の成立が認められるケースがあります。例えば、故人が生前に相続人のひとりに「この土地はお前にやるからな」と伝えており、その相続人も承諾していたような場合に、故人がそれと同様の内容の遺言書を作成していたというケース。

こうした場合、遺言書が方式に違背し無効だとしても死因贈与契約が有効に成立している可能性があります。

なぜなら、死因贈与は贈与者(故人)の死亡を停止条件とする贈与契約であり、遺言書のように要式行為ではないため、贈与者(故人)と受贈者(財産をもらう人)との間で贈与の合意さえあれば有効に成立するものだからです。

ただ、注意が必要なのは、明示・黙示は問いませんが受贈者の承諾が必要という部分で、少なくても遺言書の内容について受け取る人が故人の生前に当該遺言書の内容を知っている必要があり、遺品整理の際に初めて遺言書の内容を知ったというような状況では死因贈与契約の成立は認められないと考えられています。

いずれにしても、遺言書と思われる書面などが見つかった場合は遺言書としては無効だからと軽々に判断して処分してしまわないように注意しましょう。

もしかしたら、遺言書としては無効でも別の効果のある書面になっている可能性があります。困ったらお近くの専門家に相談してみてくださいね。

名古屋の遺品整理・特殊清掃専門 第八行政書士事務所 代表 谷 茂

第八行政書士事務所は名古屋を中心に遺品整理・死後事務のご相談を受け付けております。

その他の地域にお住まいの方でも遺品整理や生前整理、相続相談、死後事務に関するご相談は随時お受け致しておりますのでお気軽にご相談くださいね。

その他、人気記事

コメント

コメントフォーム

カレンダー

«12月»
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      

代表挨拶 名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所

 
 おひとり様の安心を見守る
 死後事務支援協会

第八ブログ 名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所

 死後事務委任 遺品整理 名古屋
専門家が家族の代わりに葬儀や遺品整理を行う「死後事務委任契約」について

 財産整理・遺産整理業務
遺品整理からプロに任せる
財産整理・遺産整理業務のご案内


遺品整理で出てきた故人の大切な品々を無料で買取査定いたします。 

よくある質問 名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所

自死・孤立死 賃貸物件判例集 名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所

  • 相続放棄を予定している相続人の皆様へ 【名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所】
  • 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン超解 【名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所】

遺品整理のときにみんなが感じる相続の疑問Q&A 名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所
・銀行口座の凍結って何?
・故人の借金調査どうやるの?
・生命保険金って誰のもの?
・相続税って必ず払うもの?
そんな遺品整理や相続の際にみんなが疑問に思う所だけを集めたQ&A

名古屋の遺品整理生前整理専門第八行政書士事務所 孤独死確率診断チェック 

あなたは孤独死しやすい人?
自分の孤独死確率を知り、孤独死しない為には何が必要なのかを知りましょう!

  • オゾンの力で強力消臭!

  • 孤独死・自死現場の特殊清掃は最新の機器と専用の薬剤で素早く対応!

提携事業者様募集のお知らせ

関 連 リ ン ク

法テラス愛知愛知県弁護士会愛知県司法書士会愛知県行政書士会

名古屋の遺品整理生前整理専門の行政書士事務所 第八行政書士事務所へのお問い合わせはこちら:0120-018-264

第八行政書士事務所

〒456-0058
愛知県名古屋市熱田区六番
2丁目9-23-604
電話番号:052-653-3215
FAX番号:052-653-3216

対応エリア

名古屋を中心として愛知県全域で遺品整理のサービス及び遺品整理に関連した相続手続きの相談に応じております。

ページの先頭へ