名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2020.01.24
本人も気がついていない死後事務手続き
おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務手続き専門の第八行政書士事務所の谷です。
なんか天気がはっきりしない日が続いていますが、今日はまだ晴れ間も見えていて暖かい?今年は肌で実感するほどの暖冬ではありますが、気を抜かずに体調管理はしっかりしていきましょうね。
さてさて、今日も引き続き死後事務のお話しなのですが、先日紹介した補聴器の寄付を希望された方の手続きでのことです。
納骨は既に終わっており、自宅のマンションの遺品整理はこれからという段階ですが、親族の確認もあり実際に遺品整理に着手するのは49日が開けてからを予定しています。
ただ、遺品整理前であっても各種契約関係の停止連絡等は随時進めていっているところなのですが、これがまた色々と手間だったりします。特に金融機関や携帯電話関係は犯罪利用を防ぐ目的から本人確認が非常に徹底されています。
ですので、ご本人が亡くなっているようなケースですと基本的に解約の手続きはご家族からしてくださいということになるのですが、当然死後事務委任を受けているケースではご家族がいない、またはご家族がいたとしても手続きを行うことができないケースということも多々あります。
そうした状況でも死後の手続きを滞りなく行っていくのが私たちの仕事ですので、解約の連絡などもご本人から生前に正規に依頼を受けて連絡している事を伝えて手続きを進ていき、必要に応じて「公正証書遺言」や「死後事務委任契約書」を代理権限を証明する資料として送ったりします。
金融機関などはもともと遺言手続きがありますので、公正証書遺言にて遺言執行者として指定されていることを伝えれば、金融機関側でもそれに対応した手続きをしてくれますので、特に問題はありません。
ただ、携帯電話の解約はそうした手続き面では家族以外の方からの手続きは基本想定されていないのか、先日手続きをしようとした犬のお父さんで有名な携帯電話会社では「家族以外の方からの手続き方法はありません」と言われる始末です。
超高齢社会に突入している日本で今後ますます独居の高齢者や家族以外の方が死後の手続きを行うことが容易に予想される状況でそんな対応で大丈夫か?と不安になりますね。それでもなんとかするのですが、手間は手間ですよね(苦笑)
そうした手続きを進めていくなかで、故人が利用していたクレジットカードの話しです。生前の聞き取りでは、新聞、携帯、wowow、NHKの利用料がカードでの引き落としになっているとのことでした。
ですので、死後事務に着手した段階でこれらのサービス会社には死亡届をして、すぐに停止を申し出ます。
もちろん、死亡届をしたからといてその日にすぐにサービスが解約されて、清算されるわけではありませんので、実際の解約は「今月末まで」となったりもしますが、とりあえず今後の料金の発生は抑えられます。
そうしたクレジットカードからの引き落としが掛かっている継続サービスの解約をしてからクレジットカードの会社に死亡届と今後発生する請求はこちらの事務所へしてくださいといった連絡をします。
カード会社でも基本は家族や相続人からの手続きを想定していますので、死後事務受任者からの手続きでは色々と書類などを提出したりして、「故人から正規の依頼を受けている」ということを証明してやっと受付をしてもらえることになります。
そうしたやりとりを行い、正規の代理人と認められてからカードの解約や取引履歴などを照会できるようになるのですが、そこで判明したのが「ご本人も忘れている継続サービスです」
上で書いたようにご本人さんが元気な内に行った聴き取りでは携帯電話やNHKといったサービスを利用しており、これ以外にカードから引き落としているものは無いとおっしゃっていました。
ただ、実際にカード会社に確認してみると聴き取りで判明していたサービス以外に「国連UNHCR」への継続寄付と、ネットで映画を見れる「ビデオオンデマンドサービス」の料金が毎月カードから支払われていたのです。
そういえば、故人は生前にネットで映画を見るのを楽しみにしていたし、その為に補聴器も買ったんだった!とご本人が聴き取り時に忘れていたとしても、生活の状況から私が気づべきであったと反省しているところです。
ただ、国連UNHCRへの寄付についてはご本人さんも忘れていたらしく、こちらとしても気づく為の手がかりが無い状況でした。強いて言えば国連UNHCRの広報誌のような物をたまに訪問した際に見たかな?という感じです。
カード会社に確認して判明したことですが、そもそもの寄付の手続きは以前お住まいだった住所で行っており、本人としても「寄付」という与えるだけの行為であり、しかもカード会社から自動的に支払いが行われる状況ですので、亡くなった後に解約しなくちゃ!という意識に上がらなかったのかもしれませんね。
この他にも、ゆうちょ銀行で死亡届をした際に念の為にと思ってした現存照会(ゆうちょ銀行にある取引を洗い出す手続き)で、事前に聴いていたゆうちょ銀行の口座以外にも残高のある口座が判明。(残高もそこそこありちょっとびっくり)
などなど、死後事務手続きではご本人さんも忘れている手続きというのが実際の現場では出てくることは珍しくありませんので、手続きを行う士業としては細心の注意が求められます。
なんせ、死後事務に着手した段階でご本人は亡くなっていますので、「あれってどうでしたっけ?」とは、後から聞けませんからね。
仕事は段取りが8分と言われますが、死後事務委任契約ではまさに段取りによって全ての手続きが変わってくるなと日々実感しております。
遺品整理や生前整理、死後事務の手続きのことでしたらいつでも第八行政書士事務所へご相談くださいね。