名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八ブログ
2020.07.16
仕事が繋がるとはこういうこと
おはようございます。名古屋の遺品整理・死後事務専門の第八行政書士事務所の谷です。
今日の名古屋は久々の快晴!洗濯物がはかどりますね。明日からはまた曇りや雨マークが並んでいますので貴重な晴れ間を有効に活用していきましょう!
先日、去年の今頃に遺品整理を行ったお客様よりお礼のメールともにお中元を頂きました。当初はどうなってしまうんだろうかと心配でしょうがなかったとおっしゃていたご遺族も遺品整理や管理会社との清算も無事に終えることができ、故人も故郷にて供養を行い、今は日常の生活に戻られているとのことで安心いたしました。
遺品整理の業界はその取扱い内容から他の職種とちがって一回だけのご依頼が圧倒的に多い仕事でもあります。同じ人から何十回も依頼があるとなるとそれはそれで問題ですしね(笑)
私たちも含めて遺品整理の世界で働かれている人たちは皆さん一期一会の気持ちで依頼者の為に働かれていると思います。
そんな中、先日ある賃貸物件で発生した孤独死現場のご依頼を頂きました。当初は遺品整理のご依頼ではなく、相続放棄に関するご相談でもあったのですが、「大家さんには故人が大変お世話になっていたのでなるべく迷惑をかけたくない。しかし、私たちも生活があるものでどうしたらいいのでしょうか?」というご相談です。
ご遺族の方は遠方にいる為、遺品整理の見積や作業には立ち会うことができず、鍵は大家さんが管理されているとのことでしたので、見積りについて一任を頂き私の方で大家さんへアポ取りをして現地の見積を行うことといたしました。
行政書士ですので、直接当事者同士の間に入っての調整はできませんが、遺品整理の見積をまず行うことで、自然と大家さんともお話合いができますので、大家さんのご意向をそれとなく知ることもできます。
大家さんとしても部屋をなんとかしてもらわないと次に貸せない。けど、連帯保証人でもない遺族にあまり無理を言うと「相続放棄」されてしまい全てを大家側にて負担しなくてはいけなくなるといった状態で非常に悩ましい状況です。
遺品整理の見積時に立ち会って頂いた大家さんと、一般的な相続の考え方や相続放棄の効果などを説明させて頂き、いくつかある賃貸物件で孤独死などが起きた場合にとれる対処や今回のこととは別件で今後発生するかもしれない事故に備える対策方法などをお話しさせて頂きました。
大家さん側としても、自分が今どういった状況に置かれており、遺族側が取る手段によっては負担が増えたり、減ったりすることが専門家から説明を受けることで理解が深まったとのことでした。
そうした状況の理解を通して、大家側、遺族側がどのように対処すればお互いに負担が少なくまた歩み寄れる余地がどれだけあるのかの判断基準にして頂くことが可能となります。
結果としては、遺族側が遺品整理費用と未払い家賃を負担し、大家側は原状回復費や孤独死を原因とした損害については請求しないという内容で合意がまとまり、そちらは行政書士として合意書にまとめて双方ともに納得できる決着となりました。
大家側としては、遺族側で遺品整理をしてもらえることで強制解約をするために必要な3ケ月近い期間を待たなくて済みますし、未払家賃や遺品整理費用といった金銭的負担もしなくて済むことになります。
また、遺族側としては遺品整理や未払い家賃の支払いは孤独死うんぬんが無くてもしなくてはならないことであり、心配していた高額な原状回復費用や損害賠償といった請求を大家さん側が請求しないと合意書で確約してくれたこと金銭的な負担も軽くなり、相続放棄という選択をせずに安心して遺品整理を行うことができました。
今回のケースでは大家さん、ご遺族ともに「なるべく相手に迷惑をかけたくないが、でも私たちの生活もあるので」という部分でお互いがお互いに対して歩み寄る気持ちを持っていてくださったので、当事者双方に喜んでもらえる結果になったのだと考えています。
また、ご遺族と大家さんだけでなく、私としても遺品整理が終わった後に今回の問題が無事解決したことを喜んでくださった大家さんから今度は大家さん自身の相続に関するご相談を受けるという形で、新たなお仕事へと繋げることができて当事者全員がwin-winとなる結果となりました。
こういった形で誰もが喜べる状態で仕事が繋がってくれると遺品整理専門の行政書士としては嬉しい限りですね。
梅雨明け宣言はまだですが、これから夏本番になっていきます。高齢者の方は特に熱中症で自宅で孤独死といった危険性が高まる時期でもありますので、くれぐれもご用心ください。
また、不幸にもお身内や入居者の方が室内で亡くなってしまったという場合は慌てずにまずはお近くの専門家へご相談くださいね。